障害年金の条件と金額を、日本年金機構の障害年金ガイド(令和8年度版)などで調べました(2026年11月2日確認)。
病気やけがで生活や仕事などが制限されるようになった場合に、現役世代の人も受け取れる年金です。手足の障害だけでなく、精神障害や、がん、糖尿病、心疾患などの内部障害も対象です。請求の手続きをしないと受け取れません。
| 内容(2026年度) | |
|---|---|
| 障害基礎年金 | 1級 年1,059,125円、2級 年847,300円(昭和31年4月1日以前生まれは1,056,125円、844,900円) |
| 障害厚生年金 | 1級は報酬比例の年金額×1.25、2級は報酬比例の年金額、3級は報酬比例の年金額(最低635,500円。昭和31年4月1日以前生まれは633,700円) |
| 障害手当金(一時金) | 報酬比例の年金額×2(最低1,271,000円。昭和31年4月1日以前生まれは1,267,400円) |
| 条件 | 初診日、保険料の納付要件、障害の状態 |
| 請求の後 | 年金決定まで3か月程度、その約1〜2か月後に振り込み開始 |
いくらもらえるか
初診日に国民年金だった人は障害基礎年金、厚生年金だった人は障害厚生年金を請求できます。厚生年金の1級・2級の人は、障害基礎年金もあわせて受け取れます。
| 等級 | 国民年金の人 | 厚生年金の人 |
|---|---|---|
| 1級 | 年1,059,125円(月約8.8万円)+子の加算 | 報酬比例×1.25+1,059,125円+配偶者の加給年金+子の加算 |
| 2級 | 年847,300円(月約7.1万円)+子の加算 | 報酬比例+847,300円+配偶者の加給年金+子の加算 |
| 3級 | なし | 報酬比例(最低635,500円。昭和31年4月1日以前生まれは633,700円) |
| 障害手当金 | なし | 報酬比例×2の一時金(最低1,271,000円。昭和31年4月1日以前生まれは1,267,400円) |
加算
- 子の加算:2人まで1人243,800円、3人目から1人81,300円です。18歳になった後の最初の3月31日までの子と、20歳未満で障害等級1級・2級の子が対象です
- 配偶者の加給年金:厚生年金の1級・2級で、生計を維持する65歳未満の配偶者がいるときに243,800円です。配偶者が老齢厚生年金(加入期間20年以上など)や障害年金を受ける間は止まります
報酬比例の計算
報酬比例の年金額は、平成15年3月以前の分(平均標準報酬月額×7.125/1000×月数)と、平成15年4月以降の分(平均標準報酬額×5.481/1000×月数)の合計です。加入期間が300月未満なら300月とみなします。障害認定日がある月より後の加入期間は、計算に入りません。
公式の式で計算した概算の例です。平成15年4月以降だけの加入で平均標準報酬額が30万円、加入が300月未満の人の場合です。実際の額は、過去の報酬の再評価などで変わります。
| 等級 | 報酬比例 | 障害基礎年金 | 年額の合計(加算を除く) |
|---|---|---|---|
| 1級 | 616,613円 | 1,059,125円 | 約167.6万円 |
| 2級 | 493,290円 | 847,300円 | 約134.1万円 |
| 3級 | 635,500円(最低保障) | なし | 635,500円 |
もらえる条件
次の3つのすべてが必要です。
- 初診日:初診日に国民年金か厚生年金に加入していること。20歳前や、日本に住む60歳以上65歳未満で年金制度に入っていない期間も、障害基礎年金の対象です。ただし、老齢基礎年金を繰り上げて受給している人は除きます
- 保険料の納付要件:初診日の前日の時点で満たしていること(下で説明)。20歳前の、年金制度に入っていない期間に初診日がある人はいりません
- 障害の状態:障害認定日に、障害等級に当てはまること。障害基礎年金は1級・2級、障害厚生年金は1〜3級です
障害手当金は、厚生年金に加入している間に初診日があり、初診日から5年以内に症状が固定し、障害厚生年金を受ける状態より軽い一定の障害が残った場合の一時金です。保険料の納付要件も必要です。障害認定日に国民年金、厚生年金、共済年金を受けている人などは受けられません。
初診日と障害認定日
- 初診日:その病気やけがで初めて医師等の診療を受けた日です。転院していても、一番初めの日です
- 障害認定日:初診日から1年6か月を過ぎた日です。その前に症状が固定した場合は、その日です
保険料の納付要件
次のどちらかを満たせば足ります。どちらも、初診日の前日の時点で見ます。初診日の後に納めても、さかのぼって満たすことにはなりません。
- 原則:初診日がある月の2か月前までの被保険者期間のうち、納付済期間と免除期間を合わせて3分の2以上あること
- 特例:初診日が2036年3月末日までで65歳未満なら、初診日がある月の2か月前までの直近1年間に未納がないこと
等級の目安
等級は法令の障害等級表で決まります。身体障害者手帳の等級とは別です。
| 等級 | 状態の目安 |
|---|---|
| 1級 | 他人の介助を受けなければ日常生活のことがほとんどできない。活動の範囲がベッドの周辺に限られるような人 |
| 2級 | 必ずしも他人の助けはいらなくても、日常生活が極めて困難で、労働で収入を得られない。活動の範囲が病院内・家屋内に限られるような人 |
| 3級(厚生年金だけ) | 労働が著しい制限を受ける。日常生活にはほとんど支障はないが、労働に制限がある人 |
診断書は、眼、聴覚、肢体、精神、呼吸器、循環器、腎疾患・肝疾患・糖尿病、血液・造血器などの種類に分かれています。人工透析は2級相当の例として案内されています。
いつの分から受け取れるか
| 請求の形 | 内容 | 受け取り |
|---|---|---|
| 障害認定日による請求 | 障害認定日に等級に当てはまる | 障害認定日の翌月分から |
| 事後重症による請求 | 障害認定日は軽かったが、その後に悪化した | 請求日の翌月分から |
- 事後重症は請求が遅いほど損:請求した翌月分からなので、受け取れる状態になったら早めに請求してください。65歳の誕生日の前々日までです
- さかのぼる請求:障害認定日から1年以上たっていても、当時の診断書と今の診断書で請求できます。ただし、5年より前の分は時効で受け取れません
- 最初の振り込み:年金証書が届いてから約1〜2か月後です。その後は偶数月に2か月分です
請求の手続き
| 順番 | すること |
|---|---|
| 1 | 初診日を確かめて、年金事務所や市区町村に相談する。納付要件と必要な書類を確認する |
| 2 | 初診の医療機関で受診状況等証明書をもらう(診断書と同じ医療機関なら不要) |
| 3 | 医師に所定の診断書を書いてもらう |
| 4 | 病歴・就労状況等申立書を書く |
| 5 | 年金請求書と一緒に出す |
- 提出先(障害基礎年金):住所地の市区町村の窓口です。初診日が第3号被保険者の期間なら年金事務所か街角の年金相談センターです
- 提出先(障害厚生年金):年金事務所か街角の年金相談センターです。初診日に共済組合等だった人は、その共済組合等です
- 診断書:障害認定日から3か月以内の現症のものです。請求日と1年以上離れているときは、請求日前3か月以内の現症の診断書も必要です
- 受け取れないとき:不支給決定通知書が届きます
初診の証明が取れないとき
病院が廃院しているなどの場合も、あきらめる必要はありません。受診状況等証明書が添付できない申立書に加えて、初診日頃に受診した医療機関の医療従事者の第三者証明(1通)などを用意する方法があります。20歳以降に初診日がある人と20歳前の人で、方法が違います。
働きながら受け取れるか
働いていることだけで、受け取れなくなるわけではありません。ただ、仕事の状況は判断の材料になります。
精神の障害の等級判定ガイドラインは、労働に従事していることをもって直ちに日常生活能力が向上したと捉えず、仕事の種類や内容、職場で受けている援助などを確認して判断するとしています。
- 就労継続支援A型・B型、障害者雇用、就労移行支援:1級か2級の可能性を検討するとされています
- 一般企業や自営など:同程度の援助を受けて働いているなら、2級の可能性を検討するとされています
- 月収:障害者雇用を除く一般企業の場合は、月収の状況だけでなく、就労の実態を総合的にみて判断します
これは精神の障害についての目安です。障害厚生年金の3級の説明のとおり、労働に制限がある状態も対象です。
20歳前の初診日の人
20歳前の、年金制度に入っていない期間に初診日がある人は、納付要件がいりません。障害認定日が20歳より前なら、20歳に達した日の障害の状態で判定し、20歳に達した日の翌月分から受け取れます。その代わり、次の制限があります。
- 所得:前年の所得が4,918,000円を超えると全額、3,858,000円を超えると2分の1が止まります。扶養親族1人につき38万円(老人扶養親族などは48万円、特定扶養親族などは63万円)が加算されます。10月分から翌年9月分までです
- ほかの給付:恩給や労災保険の年金などを受けていると調整されます
- 海外、刑務所など:海外に住んだときや、刑務所などに入所したときは全額が止まります
ほかの給付との調整
- 傷病手当金:同じ病気で障害厚生年金をさかのぼって受けることになると、受給済みの傷病手当金が調整されます。協会けんぽなどに確認してください
- 労災保険:同じ病気やけがで労災の障害給付を受けると、労災の給付の一部が減ることがあります
- 老齢年金:65歳前はどちらか一方を選びます。65歳以上は、障害基礎年金と老齢厚生年金を合わせて受け取れます
- 児童扶養手当:年金を受けるようになると、手当が止まったり減ったりすることがあります
受け取り始めた後のこと
- 更新:障害の状態に応じて、障害状態確認届(診断書)が誕生月の3か月前の月末に届きます。誕生月の末日までに出します
- 悪化したとき:65歳になるまで、額の改定を請求できます。2級以上を受けたことがある人は65歳を過ぎてもできます
- 国民年金保険料:障害基礎年金か、2級以上の障害年金を受けている人は法定免除です。市区町村に届け出ます。免除の期間は老齢基礎年金が2分の1で計算されるので、満額にしたい人は追納ができます。追納で増えるのは将来の老齢基礎年金で、今の障害基礎年金は増えません。65歳以降も障害基礎年金を選ぶと、追納が受取額に反映されないので、納付の前に年金事務所に相談してください
- 税金:障害年金は非課税収入です
- 上乗せの給付:障害基礎年金を受ける人で所得が基準以下なら、年金生活者支援給付金があります
- 重い障害で常時介護が必要な人:在宅の20歳以上なら、年金とは別に特別障害者手当(月3万450円)の対象になる場合があります
- 20歳前の子:障害のある20歳未満の子を育てている人には特別児童扶養手当があります
どのくらい認められているか
厚生労働省の令和6年度の調査(新規の1,000件の抽出)では、等級に当てはまらない非該当は130件(13.0%)でした。診断書の種類別の非該当の割合は、精神障害12.1%、外部障害10.8%、内部障害20.6%です。2級が53.9%で最も多い結果です。
問い合わせ
年金事務所、街角の年金相談センターのほか、ねんきんダイヤル 0570-05-1165(月曜8:30〜19:00、火〜金曜8:30〜17:15、第2土曜9:30〜16:00)があります。050から始まる電話は03-6700-1165です。
請求の前に:確認すること
最初に初診日を確かめます。どの年金を請求できるかも、保険料の納付要件も、初診日で決まります。
年金事務所などで相談する前に、次の4つを確認してください。
- 「初診日はいつですか。その時の年金の加入先はどこですか」
転院している場合は、一番初めに受診した日です - 「初診の医療機関に記録は残っていますか」
廃院などで難しいときは別の書類があります - 「保険料の納付要件は満たしていますか」
年金事務所で確認できます - 「主治医に診断書を頼めますか」
所定の様式です
公式サイトで確認できます
相談先は、年金事務所、街角の年金相談センター、市区町村の国民年金の窓口です。
出典
本ページの内容は、次の公表資料にもとづいています(2026年11月2日確認)。
- 日本年金機構「障害年金ガイド」(令和8年度版)・「障害基礎年金を受けられるとき」・「障害基礎年金の受給要件・請求時期・年金額」・「20歳前の傷病による障害基礎年金にかかる支給制限等」(2026年10月1日更新)・「障害年金の初診日証明書類のご案内」・「国民年金保険料の法定免除制度」
- 「精神の障害に係る等級判定ガイドライン」
- 厚生労働省「令和6年度の障害年金の認定状況についての調査報告書」
年金額は毎年度変わります。対象になるかは、年金事務所や市区町村の窓口で確認してください。
制度の内容・金額・要件・期限は予告なく変更されることがあります。申請の前には必ず公式サイトで最新の情報をご確認ください。本サイトは民間の情報サイトであり、事務局ではありません。
