庭の水やりや災害のときに使える雨水タンク。補助金は出るのか。雨水タンクの補助は、市区町村が出すものです。国に直接申請する補助はありません。雨水の利用の推進に関する法律は、「地方公共団体は、その区域の自然的社会的条件に応じて、雨水を一時的に貯留するための施設の新設、不要となった浄化槽の当該施設への転用その他の雨水の利用のための施設の整備について、助成を行うよう努めるものとする。」としていて、国はその自治体を支える立場です。
国土交通省によると、「全国のおよそ300の地方公共団体では、雨水タンクや雨水浸透ますの設置など、雨水利用に関する取組に対して助成制度を設けています。」国の2025年度の調査の一覧に載っている、雨水タンクに補助を出す自治体は約240です。
| 補助の種類 | よくある額 | ポイント |
|---|---|---|
| 雨水タンク(家庭用) | 費用の1/2〜2/3、上限2万〜5万円 | 手厚い所は一宮市(9/10、900リットル以上で最大21万円)・松山市(2/3、800リットル以上で最大15万円)・久留米市(400リットル以上で最大15万円)・東村山市(3/4、最大12万円) |
| 使わなくなった浄化槽の転用 | 上限5万〜25万円 | 下水道につないで不要になった浄化槽を、雨水の貯留槽に作り替える |
| 雨水浸透ます | 1基数千円〜3万円程度 | 雨水を地面にしみ込ませる設備。タンクと別に補助する市区町村が多い |
買う前に申請する所が多いが、設置後に申請する市区町村もある
申請の順番は、市区町村によって正反対です。世田谷区は「事後申請は助成対象外」、板橋区は「雨水タンク購入後の申請は受け付けられません」としていて、買う前に申請して交付決定を待つ必要があります。一方で、設置した後に申請する所もあります。
- 買う前に申請:名古屋市・大阪市・京都市・川崎市・世田谷区・品川区・板橋区・福岡市・北九州市・熊本市・静岡市など(多数)
- 設置・購入の後に申請:横浜市・杉並区・文京区・豊島区・武蔵野市・八王子市・川口市・宇都宮市・小山市・大分市・大和郡山市・宇治市・高槻市・高石市など
先に買ってしまった場合でも、後から申請できる市区町村なら対象になることがあります。ただし、購入日から6か月以内(高石市)、1年以内(小山市)など期限があります。
主な補助(2026年10月19日確認)
すべての市区町村を調べたわけではありません。ここにない市区町村は、お住まいの市区町村のページで確かめてください。愛知県の多くの市町(岡崎市・豊橋市・春日井市・安城市など)は、今回は公式のページを確認できていません。
東京
| 地域 | 区市と内容 |
|---|---|
| 23区 | 世田谷区(本体と設置費の1/2・上限3.5万円、買う前に申請)、大田区(個人は2/3・上限4万円、自分で設置しても対象、買う前に申請)、品川区(1/2・上限5万円)、墨田区(1/2・上限5万円)、北区(1/2・1台上限2.5万円、2台まで)、練馬区(1/2・上限2.5万円、浸透施設を付けるか、付けるのが難しい場合)、板橋区(本体と架台の1/2・上限2.2万円)、杉並区(50%・上限2万円)・文京区(1/2・上限2万円)・豊島区(1万円か2万円)は環境の補助のメニューで、設置した後に申請。目黒区は原則として浸透施設と一緒の場合だけ |
| 多摩 | 武蔵野市(3/4・上限4万円、150リットル以上は6万円、設置後に申請)、東村山市(3/4・上限12万円、市の指定下水道工事店)、西東京市(上限11万円。浸透施設を置く場所がない既存の住宅だけ)、青梅市(1/2・上限10万円、区域を限る)、福生市(2/3・上限5万円)、昭島市(2/3・上限3.5万円、購入から6か月以内に申請)、調布市(1/2・上限3.5万円)、小金井市(1/2・上限3万円)、多摩市(1/2・上限3万円)、八王子市(本体の1/2・上限2.5万円、購入後に申請)。府中市・羽村市は今年度の受付を終了 |
関東(東京以外)
| 地域 | 市町と内容 |
|---|---|
| 神奈川 | 横浜市(購入価格の1/2・上限2万円、100リットル以上、購入後に申請、2027年2月26日まで)、川崎市(今年度から。税抜きの購入費(接続の部材を含む)の1/2・上限4万円。設置工事費と配送費は対象外。買う前に申請、2027年1月29日まで。同じ種類の補助と併用できない)、平塚市(1/2・上限3万円)、二宮町(上限5万円、設置後に申請)。大和市・藤沢市は今年度の受付を終了。茅ヶ崎市・相模原市は以前に終了 |
| 埼玉 | 川口市(1/2・上限2万円、市内の業者なら2.4万円、設置後に申請)、戸田市(1/2・上限5万円、自分で取り付ける場合は本体と部品の購入費)、上尾市(1/2・上限3万円)、八潮市(今年度は2/3・上限3万円)、狭山市(1/2・上限3万円)、志木市(2/3・上限5万円)、蕨市(1/2・上限5万円)。草加市は今年度から雨水貯留施設を対象から外した。さいたま市は市の案内ページが公開を終えている |
| 千葉 | 千葉市(1.8万円、200リットル以上は2.5万円)、松戸市(1/2・上限2万円、300リットル以上は3万円、自作も可)、野田市(1/2・上限2万〜5万円)、成田市(1/2・上限3万円)、佐倉市(上限5万円)、市川市(1/2・上限2.5万円、浸透に適した地域だけ) |
| 茨城・栃木・群馬 | 宇都宮市(2/3・1基最大8万円、市街化区域、設置後に申請)、小山市(2/3・上限6万円、設置後1年以内に申請)、栃木市(1/2・上限3万円)、水戸市(1/2・上限3万円)、日立市(市が認定した製品だけ、1/2・上限3万円)、館林市(1/2・上限3万円) |
北海道・東北・甲信越
| 地域 | 市町村と内容 |
|---|---|
| 東北 | 仙台市(1万円、浸透ますと一緒なら2万円、対象地区あり)、多賀城市(2/3・上限4万円、申請は10月30日で締切)、郡山市(2/3・上限4万円)、いわき市(2/3・上限5万円、内水ハザードマップの区域だけ) |
| 新潟・長野 | 新潟市(1万円、浸透ますと一緒なら2万円)、長岡市(1/2・上限2万円、10月30日で締切)、長野市(1/2・上限2.5万円、500リットル以上は5万円、12月28日まで)。飯田市・伊那市・中野市・安曇野市なども2.5万円/5万円の型 |
| 北海道・青森・岩手・秋田・山形・山梨 | 雨水タンクの補助は見つかりませんでした(国の一覧にも載っていません) |
東海・北陸
| 地域 | 市町と内容 |
|---|---|
| 愛知 | 名古屋市(設置費の2/3・1基上限3万円、80リットル以上、市内に土地か建物を持つ人、交付決定の後に購入、1棟1基)、一宮市(工事費の9/10。上限は100〜200リットル未満4.5万円、200〜300リットル未満6万円、300〜500リットル未満7万円、500〜900リットル未満9万円、900リットル以上21万円。業者に頼んで現金で払った場合は対象外)、豊田市(1/2・上限3万〜6万円)、西尾市(2/3・1基上限7万円) |
| 静岡・岐阜・三重 | 静岡市(2/3、200リットル以上で3万円・400リットル以上で6万円、12月4日まで)、焼津市(1棟3万円まで全額)、関市(1/2・上限2万円か2.5万円)、津市(2/3・上限4万円、市内の業者で買って設置したものだけ) |
| 北陸 | 福井市(1/2・上限3万〜9万円、設置前に申請)、金沢市(上限2万〜8万円、下水道の計画区域)、高岡市(2/3・上限2万円か3万円) |
近畿
| 地域 | 市町と内容 |
|---|---|
| 大阪 | 大阪市(購入費の1/2・1基上限3万円。消費税と設置費は対象外。買う前に申請と現地確認)、寝屋川市(1/2・上限3万円)、貝塚市(2/3・上限4万円)、高石市(2/3・上限4万円、購入から6か月以内に申請)、高槻市(1/3・上限1万円、約10件)。堺市は2019年3月で終了 |
| 京都 | 京都府と市町の補助を合わせて費用の3/4。京都市(上限37,500円、自作も可)、向日市・長岡京市・八幡市・南丹市・大山崎町(上限4.5万円)、宇治市(上限2万円、設置後に申請)、亀岡市(上限3万円、12月28日まで)。城陽市は今年度の受付を終了 |
| 兵庫・滋賀・奈良 | 西宮市・芦屋市・宝塚市・川西市・三田市・加古川市(1/2・上限3万円)、姫路市(1/2・上限3万円、市内のお店で買ったものだけ、11月30日まで)、大津市(2/3・上限2.5万〜4万円)、大和郡山市(2/3・上限4.5万円、設置後に申請)。尼崎市・三郷町は今年度の受付を終了。明石市・奈良市は終了 |
中国・四国・九州・沖縄
| 地域 | 市町と内容 |
|---|---|
| 中国・四国 | 鳥取市・倉吉市・湯梨浜町(今年度から。2/3・上限4万円、120リットル以上)、岡山市(2/3・上限3万円)、倉敷市(標準の製品単価の2/3・上限20万円、業者に頼んだ設置工事費は対象外)、高松市(本体の8/10・上限4万円)、松山市(本体の2/3。上限は100〜200リットル未満3万円、200〜400リットル未満6万円、400〜600リットル未満9万円、600〜800リットル未満12万円、800〜1,000リットル未満15万円。自分が持つ建物)。広島市は補助がありません |
| 九州 | 福岡市(1/2・上限1.5万円、500リットル以上は3万円、12月15日まで)、北九州市(2/3・上限2万円)、久留米市(1/2・上限3万円、400リットル以上は15万円)、熊本市(1/2・上限3.5万円、合計200リットル以上)、益城町・御船町・嘉島町(200リットル以上は全額・上限3.5万円)、大分市(1/2・上限2.5万円、設置後に申請)、鹿児島市(1/2・上限3.8万円)、都城市(1/2・上限5万円)。合志市は今年度の受付を終了 |
| 沖縄 | 家庭向けの雨水タンクの補助は、公式のページでは確認できませんでした |
使わなくなった浄化槽を雨水の貯留槽にする補助
下水道につないで使わなくなった浄化槽を、雨水をためる槽に作り替える工事にも、補助を出す市区町村があります。雨水タンクより額が大きいのが特徴です。
- 郡山市(2/3・住宅は上限25万円)、いわき市(2/3・上限20万円)、倉敷市・松山市(上限20万円)、高松市(8/10・上限15万円)、静岡市(1基10万円)、長野市・岡山市(2/3・上限10万円)、熊本市(1/2・上限7万円)など
- 熊本市は昭和55年以降に設置された浄化槽が対象で、「補助金の申請は、必ず材料購入・工事開始前に行ってください。」としています
- 下水道への切り替えの工事と同時に申請する市町が多いので、排水設備の工事店に早めに相談してください。浄化槽そのものの補助は浄化槽の補助金にまとめています
補助の条件でよくある違い
- 容量:100リットル以上が多いですが、80リットル以上(名古屋市・大阪市・京都市)、120リットル以上(鳥取市)、合計200リットル以上(熊本市)、条件なし(調布市)とさまざまです
- 製品:市販の既製品で、ふた付き・蛇口付きなどが条件のことが多くあります。日立市は市が認定した製品だけです
- 自作・自分での取り付け:京都市・一宮市・松戸市・鳥取市などは自作や自分での取り付けも対象(材料費だけ)。姫路市・倉敷市・洲本市は自作品は対象外です
- 買う店:姫路市・津市・舞鶴市は市内のお店(業者)で買ったものだけが対象です。通信販売で買うと対象外になります
- 対象の人と地域:名古屋市・松山市などは建物や土地を持つ人に限り、大阪市・西宮市などは所有者の同意があれば借りている人も使えます。下水道の区域や浸水対策の区域に限る市区町村もあります
- 基数と回数:1棟1基まで・1回限りが多いですが、2基まで(北区・向日市など)、4基まで(京都市)の所もあります
- 受付の期間:予算や件数に達したら終わります。北名古屋市は先着2件、赤穂市は5件、高槻市は約10件と少ない所もあります
雨水タンクを使うときの注意
- 飲めない:国の基本方針は「雨水の利用のための施設において処理された雨水の水質は、通常、飲用や清浄な水を必要とする用途には適さない。」としています。庭の水やり・打ち水・洗車などに使います
- ふたを閉めて、ボウフラを防ぐ:鳥取市の設置基準は「維持管理時以外は貯留タンクの蓋を確実に閉め、ごみの混入やボウフラ等の発生を防ぐこと。」としています
- あふれた水の逃げ道:満水になったときのオーバーフロー(あふれ)の対策を、補助の条件にする市区町村があります
- 大雨の前に水を抜く:北九州市は「大雨が予想される前の日にはタンクを空にして、大雨に備えてください。」としています。雨水タンクは、雨水が一度に下水道や川に流れ込むのを和らげる役目もあります
- 使い道が決まっている場合:西宮市は、補助を受けたタンクの用途を散水に限っています(災害のときは例外)
災害のときの生活用水に井戸を使う場合の補助(防災井戸のポンプ・修理など)は井戸の補助金にまとめています。
補助金と税金
大阪市は、雨水タンクの助成金は「税制上の一時所得、不動産収入、または事業収入に該当します。」としています。一時所得には年50万円までの特別控除があり、ほかの一時所得と合わせて計算します(国税庁タックスアンサー No.1490)。くわしくは税務署に確認してください。
勧誘に注意
雨水タンクに限った公式の注意喚起は見つかりませんでしたが、補助を使う場合は、多くの市区町村で買う前の申請が必要です。調布市は「製品や販売店,設置業者の指定(推薦含む)は行っておりません。」としています。市の指定や推薦をうたう勧誘を受けたら、契約の前に市区町村に確かめてください。
申請の前に確認すること
- 補助があるか:お住まいの市区町村に雨水タンクの補助があるか、今年度の受付中か
- 申請の順番:買う前に申請か、設置した後に申請か(後なら期限はいつまでか)
- 対象のタンク:容量の下限、既製品か、自作や自分での取り付けも対象か
- 買う店・業者:市内のお店や業者で買う必要があるか
- 額の計算:本体だけか、部品・工事費・送料も含むか
買う前に:申請の順番と、対象のタンクを確認する
雨水タンクの補助は、市区町村ごとに申請の順番が違います。買う前に申請して交付決定を待つ所が多い一方、設置した後に申請する所もあります。先に買うと対象外になる所があるので、買う前に確かめてください。
容量の下限(80〜200リットル)、既製品か、市内のお店で買うかなどの条件があります。対象の区域を限る市区町村もあります。
見積もりを依頼したら、各社に次の3つを聞いてください。
- 「このタンクは、市区町村の補助の容量の条件を満たしていますか」
100リットル以上が多いですが、80リットル以上・120リットル以上・合計200リットル以上など、市区町村で違います - 「見積もりで、タンク本体・部品・取り付け工事費を分けてもらえますか」
本体だけが対象の補助と、工事費も含める補助があります - 「補助の交付決定が出てから、注文・取り付けをしてもらえますか」
交付決定の前に買うと補助が出ない市区町村が多くあります
公式サイトで確認できます
雨水の利用の仕組みや、補助をしている自治体の一覧は、国土交通省のページで確認できます。
補助が使えるかと、製品や工事の質は別の話です。見積もりや製品は比べてください。
業者の探し方
このページでは、特定の事業者・見積もりサービスを紹介していません。ホームセンターなどの販売店や、地域の施工業者に直接問い合わせてください。市区町村の補助は、市内のお店で買うことや、買う前の申請が条件のことがあるので、先に確かめてください。
出典
本ページの内容は、次の公表資料にもとづいています(2026年10月19日確認)。
- 国土交通省「雨水の利用の推進に向けた取組」、雨水・再生水に関する主な助成制度等(2025年度調査)、雨水の利用の推進に関する基本方針
- 雨水の利用の推進に関する法律(e-Gov法令検索)
- 国税庁のタックスアンサー(No.1490)
- 各都道府県・市区町村の公式ページ(東京都の区市、横浜市、川崎市、名古屋市、大阪市、京都府・京都市、福岡市、熊本市、鳥取市など)
制度の内容と受付状況は変わります。申請の前に、必ずお住まいの市区町村の窓口と公式サイトで確認してください。
制度の内容・金額・要件・期限は予告なく変更されることがあります。申請の前には必ず公式サイトで最新の情報をご確認ください。本サイトは民間の情報サイトであり、事務局ではありません。
