自立支援医療2026|精神通院・更生・育成の医療費が原則1割。所得に応じた月額上限と2027年3月までの特例

自立支援医療の対象と負担を、厚生労働省の資料と自治体の案内で調べました(2026年10月31日確認)。

心身の障害を除去・軽減するための医療の自己負担を軽くする制度です。自己負担は原則1割です。月の上限額は所得や治療の区分によって異なり、中間所得層では一律の金額が設定されない場合があります。使うには、市区町村に申請して受給者証を受け取ります。

種類対象主な治療の例
精神通院医療統合失調症などの精神疾患があり、通院による精神医療を続ける必要がある人向精神薬、精神科デイケア
更生医療身体障害者手帳を持つ18歳以上で、障害を除去・軽減する手術などで確実に効果が期待できる人人工関節置換術、水晶体摘出術、ペースメーカー埋込術、腎移植、人工透析
育成医療身体に障害のある18歳未満の子と、治療しないと将来障害が残ると認められる疾患がある18歳未満の子で、手術などで確実に効果が期待できる場合更生医療と同じ種類の治療

月の自己負担の上限

月の医療費の1割か、次の上限額の低い方を払います。世帯は医療保険の単位で見るので、住民票の世帯とは違う場合があります。

所得区分更生医療・精神通院医療育成医療重度かつ継続
生活保護世帯0円0円0円
低所得1:住民税非課税で、本人か保護者の年収82.65万円以下2,500円2,500円2,500円
低所得2:住民税非課税(低所得1を除く)5,000円5,000円5,000円
中間所得1:所得割33,000円未満(年収約290万〜400万円未満)医療費の1割か、高額療養費の限度額5,000円5,000円
中間所得2:所得割33,000円以上235,000円未満(年収約400万〜833万円未満)医療費の1割か、高額療養費の限度額10,000円10,000円
一定所得以上:所得割235,000円以上(年収約833万円以上)対象外対象外20,000円
  • 中間所得の更生医療・精神通院医療:重度かつ継続でなければ、一律の上限額はありません。医療費の1割か高額療養費の限度額なので、月2万円を超えることもあります。医療費が30万円の月は、1割で3万円です
  • 年収の目安:夫婦と障害のある子の3人世帯の粗い試算です
  • 2026年7月の変更:低所得1の基準が年収80万9千円以下から82.65万円以下に変わりました。2026年7月〜12月の医療から新しい基準を使います
  • 2027年3月31日までの特例:重度かつ継続の一定所得以上(20,000円)と、育成医療の中間所得(5,000円・10,000円)は経過的特例で、2024年3月31日までだった期限が延長されたものです。その後の扱いは発表を確かめてください
  • 政令市の住民:相模原市は、住民税の税源移譲の前の税率で所得割を計算すると案内しています

重度かつ継続とは

費用が高い治療を長く続ける人の区分で、上の表の右の列の上限が使えます。

  • 精神通院:統合失調症、躁うつ病・うつ病、てんかん、認知症などの脳機能障害、薬物関連障害(依存症など)の人。精神医療に一定以上の経験のある医師が判断した人
  • 更生・育成:腎臓、小腸、免疫の機能障害の人。心臓と肝臓の移植後の抗免疫療法の人
  • 共通:医療保険の多数回該当の人。相模原市は、直近1年間で4回以上高額療養費の支給があった場合と説明しています

対象になる医療、ならない費用

  • 精神通院の範囲:精神障害と、それに起因する病態への通院の医療です。新宿区は、往診、デイケア、訪問看護も対象としています
  • 症状が落ち着いている人:千葉県は、再発の予防のために通院を続ける必要があれば対象としています
  • 対象外:入院は精神通院の対象外です。千葉県は、複数の診療科のある医療機関で、対象の診療科以外の医療を対象外としています
  • 診断書の料金:新宿区は支給の対象外としています

使える医療機関と薬局

精神通院は、指定を受けた医療機関の中から選び、受給者証に記載された医療機関でだけ使えます。指定を受けていても、記載のない所では使えません(大阪市、千葉県)。薬局と訪問看護も申請が必要です(千葉県)。

  • 登録できる数:大阪市は、特別な理由がなければ病院・診療所は1か所、薬局は2か所までです。横浜市は、病院は原則1か所、薬局は最大2か所、訪問看護ステーションは1か所です
  • 処方箋:千葉県は、記載された薬局でも、記載された病院・診療所の診察にもとづく処方箋でなければ対象にならないとしています
  • 変更と追加:医療機関を変えたり薬局を足したりするときは、事前に変更申請をします(大阪市、東京都)。東京都は、医療機関等の変更は申請を受け付けた日から適用で、横浜市は、日付をさかのぼっての変更は受けないとしています

申請のしかた

窓口は市区町村です。精神通院は、新宿区は保健センター、相模原市は区の高齢・障害者の相談課など、地域で違います。家族が提出を代行できる市もあります(相模原市)。

  • 申請書
  • 診断書:指定医療機関の医師が書いたもの。新宿区は記載から3か月以内のものが必要です
  • 所得の資料:世帯の住民税の課税証明書など
  • 医療保険の資料:資格確認書、資格情報のお知らせなど

千葉県は、新規の申請は受給者証の交付まで時間がかかる場合があり、その間は申請書の控えで対応を求めると案内しています。受診のときの扱いは医療機関に聞いてください。

更新と変更の届出

  • 有効期間:原則1年で、更新は毎年必要です
  • 更新の時期:有効期間の終わる3か月前からできます(千葉県、相模原市)
  • 診断書:新宿区は、診断書の提出は2年に1回で、更新の申請は毎年必要としています
  • 手帳がある人:新宿区は、有効な手帳があれば手帳の写しで新規の申請ができる場合があるとしています
  • 届出:住所、氏名、所得、世帯、保険、指定医療機関が変わったら届け出ます(宮城県)

上限の管理

上限額のある人は、上限に達するまでは1割を払い、達するとその月の自己負担はなくなります(千葉県)。受給者証などを医療機関と薬局に毎回見せて、管理してもらいます。

医療費が高いときのほかの制度

介護サービスの負担は高額介護サービス費に、補聴器の補助は補聴器の補助金にまとめています。

まず相談:主治医と市区町村の窓口へ

使える医療機関と薬局は、指定を受けた所だけです。精神通院は、受給者証に記載された所でだけ使えます。通っている医療機関が指定を受けているか、先に確かめてください。

申請は市区町村の窓口です。精神通院は保健センターなど、地域で窓口が違います。

主治医と市区町村の窓口に、次の3つを確認してください。

  • 「自分の病気や治療は対象になりますか」
    まず主治医に相談してください
  • 「月の上限額はいくらになりますか」
    医療保険の世帯の所得で決まります
  • 「重度かつ継続に当たりますか」
    当たると、上限が低くなる場合があります

公式サイトで確認できます

厚生労働省「自立支援医療制度の概要」

手続きと窓口は市区町村で違います。

出典

本ページの内容は、次の公表資料にもとづいています(2026年10月31日確認)。

対象と手続きは、病状や地域で変わります。主治医と、お住まいの市区町村の窓口に確認してください。

制度の内容・金額・要件・期限は予告なく変更されることがあります。申請の前には必ず公式サイトで最新の情報をご確認ください。本サイトは民間の情報サイトであり、事務局ではありません。

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