引っ越しの補助金2026|誰でも使える国の補助はなく、地方への移住は最大100万円(単身60万円)。東京の区は子育て世帯の区内転居・親との近居が中心で、一人暮らしで使えるものは少ない

引っ越しの費用に、補助金は出るのか。一人暮らしでも使えるのか。誰でも使える国や東京都の引っ越しの補助は、見当たりません。使えるのは、地方への移住、子育て世帯の住み替え、親との近居、高齢者・障害者の立ち退きなど、条件のある補助です。

補助主な対象額の目安
国の移住支援金東京23区に住んでいた・通勤していた人が、地方へ移住して就業など世帯100万円以内・単身60万円以内、子ども1人につき最大100万円加算
区市町村の子育て世帯の住み替え子育て世帯の区内・市内の転居引越し代・礼金などで上限10万〜30万円、家賃の差額を数年など
親との近居・同居親の近くに引っ越す子育て世帯など最大20万〜30万円(新宿区・板橋区・世田谷区など)
地方の転入者向け県外からの転入者・若者・子育て世帯引越し代の1/2・上限5万〜20万円、家賃を月1万〜2万円など
高齢者・障害者・ひとり親の住み替え立ち退きなどで転居が必要な人上限5万〜15万円など
結婚したばかりの世帯新婚世帯の家賃・引越し代夫婦とも29歳以下なら最大60万円(結婚新生活支援事業)

国の制度:引っ越しにお金が出るのは条件つきのものだけ(2026年10月22日確認)

  • 移住支援金:東京23区に住んでいた人、または東京圏から23区へ通勤していた人が、東京圏の外などに移住して、就業・テレワーク・起業などをした場合の支援金です。都道府県ごとの一覧と受付を終えた市は移住支援金の記事にまとめています。国の資料は「世帯の場合は100万円以内(18歳未満の世帯員を帯同して移住する場合は18歳未満の者一人につき最大100万円を加算)、単身の場合は60万円以内で都道府県が設定する額。」としています。申請先は移住先の市町村で、「移住支援金の申請が転入後1年以内であること。」が条件です。申請から5年以内に転出すると返還があり、多くの市町村は、3年未満の転出は全額、3年以上5年以内は半額としています(やむを得ない事情による例外あり。十日町市など)。2026年4月1日時点の国の一覧では、約1,300の市町村が実施しています
  • 地方就職学生支援事業:東京圏の大学の学生が卒業後に地方で就職・移住すると、移転費などが出ます(栃木県・静岡県は上限66,000円)
  • 雇用保険の移転費:雇用保険を受けている人が、ハローワークなどの紹介した仕事に就くために引っ越す場合に出ます。「移転費には、鉄道賃、船賃、航空賃、車賃、移転料、着後手当の6種類があります。」自分で応募した仕事の場合は対象外です
  • 住居確保給付金の転居費用の補助:収入が大きく減った人が、家賃の安い住宅へ移る場合の費用(家財の運搬費など)を補助します(2025年4月から)。敷金・前家賃などは対象外です。条件と上限は住居確保給付金の記事にまとめています
  • 生活保護:やむを得ない転居の場合、福祉事務所が事前に認めた荷造費・運搬費などが出ます

国の移住支援金の対象は、東京23区からの移住が基本です。東京都と大阪府の市町村は実施しておらず、神奈川県で実施しているのは真鶴町・湯河原町だけです。長野県・山口県・宮崎県のように、大阪などほかの大都市から移る人も対象にしている県もあります。

一人暮らし・単身で使えるもの

「一人暮らし」の引っ越しで使える補助は多くありません。東京都は、区市町村の補助について「各区市町村における助成事業については、それぞれの区市町村住宅所管課へお問い合わせください。」としていて、都としての一般の引っ越しの補助は見当たりません。東京23区でも、単身の若者がふつうに引っ越すだけで使える区の制度は見当たりませんでした。単身でも使える例は次のとおりです。

  • 国の移住支援金:単身は60万円以内(東京23区から地方へ移住して就業などをする場合)
  • 杉並区の転居費用助成:所得の低い世帯の区内転居で、単身は上限15万円。「物件申し込み前(入居審査を受ける前)までに申請が必要です。」
  • 地方の転入者向け:鹿角市(秋田県外から、39歳以下の単身は引越し代上限5万円と家賃月2万円まで最大24か月)、静岡市(県外から来た40歳未満などの移住者住宅確保応援補助金。賃貸の敷金・礼金・仲介手数料と家賃3年分などの1/2を、東京圏からなら単身60万円まで・それ以外から30万円まで。転入前〜転入後3か月以内の事前登録が必要で、就業などの条件あり)、熊本市(県外から転入して県内の会社に就職した人、単身は引越し代の1/2・上限10万円)、富山市(30歳未満の単身でまちなかの活動に参加する人、家賃月1万円まで3年)
  • 高齢者の住み替え:福岡市(60歳以上、引越し代などの1/2・上限10万円)、北区(65歳以上のみの世帯、5万円)など

東京の区:子育て世帯の区内転居・親との近居

区制度と額申請の時期・状況
品川区子育てファミリー世帯の区内転居に、賃貸で上限15万円・購入で上限30万円(引越し代・仲介手数料・登記費用・礼金)区内の転居の後6か月以内
新宿区子育て世帯の区内転居に、家賃の差額(月3万5千円まで)を最長2年と引越し代最大10万円。親との近居は最大20万円(単身の場合は10万円)「賃貸借契約を結ぶ前に申請してください」。転居が条件ではない別の制度の「民間賃貸住宅家賃助成」は、「令和8年度の新規募集は10月15日(木)に終了しました。」
千代田区新婚・子育て世帯の親元近居・区内転居に家賃助成(最長8年)と転居費用10万円契約の前に仮申請
世田谷区子育て・若者夫婦世帯の区内の住み替えに「住み替え応援金(せたがやPay10万ポイント)を交付します。」。親との近居・同居は最大30万円転居の後90日以内
北区子ども2人以上の世帯の区内転居に礼金・仲介手数料(上限30万円)転居の後1年以内
板橋区・豊島区子育て世帯の親との近居に最大20万円契約の前に予定登録。板橋区は「現時点の予算に対する交付予定額の割合は、60.6%です。」

どの区も、区内に1年以上住んでいることや所得・住宅の広さなどの条件があります。豊島区の子育て世帯の家賃助成は、2026年4月以降に転居・転入した世帯は原則として対象外です。

神奈川県・横浜市

横浜市には、引越し代そのものを補助する制度は見当たりません。子育て世帯向けには、家賃の補助がある指定の住宅に入る「子育てりぶいん」(最大月4万円・最長6年)や、空き家を買って転入する世帯への補助(交付申請は11月27日まで)があります。川崎市にも見当たりませんでした。県内で移住支援金があるのは真鶴町・湯河原町です。

大阪・名古屋・福岡などの大都市

  • 名古屋市:新婚世帯の家賃・引越し代などは、結婚新生活支援事業で夫婦とも29歳以下なら最大60万円、それ以外の対象世帯は最大30万円です。新婚以外の世帯向けの家賃・引越しの補助は見当たりません
  • 大阪市:家賃や引越し代の補助は見当たりません。大阪府内では、和泉市が南部の地域へ賃貸で移住する若い世帯などに30万円(子ども1人25万円加算)を出しています
  • 福岡市:子育て世帯の市内の引越し(引越し代など1/2・上限15万円、子ども2人以上なら20万円。家賃年10万円を最長5年)、親との近居・同居(上限20万円、子ども2人以上なら25万円)、高齢者の住み替え(上限10万円)の3つがあります。市外からの転入で使えるのは、親との近居・同居です
  • 北九州市:市外から街なかの賃貸に転入する新婚・子育て世帯に最大20万円(家賃2か月分)。賃貸借契約の前に申請します
  • 神戸市:エレベーターのない団地などへの住み替えに30万円(親世帯との近居・同居なら35万円)。団地以外で親と近居・同居する場合は、子世帯が市外から転入すると20万円
  • 熊本市・鹿児島市:熊本市は「※予算(総額8,200千円)に達し次第、受付を終了いたします。」。鹿児島市の子育て世帯の住み替え(引越し代の1/2・上限5万円)は「申請状況:約41%(残り300万程度)」(9月4日現在)です

県の移住の補助(東京23区以外からも使えるもの)

国の移住支援金とは別に、県外からの移住者に出す県の補助もあります。山形県(家賃を月1万円まで最大24か月、若者・子育て世帯に最大40万円)、岩手県(若者のU・Iターンに世帯25万円・単身15万円)、大分県(基本20万円)、新潟県(子育て世帯に最大50万円)などです。申請先は市町村のことが多いので、移住先の市町村に確かめてください。

もらえない主な理由

  • 契約・転入の前に申請していない:新宿区・千代田区・杉並区・北九州市・鹿角市などは、契約や転入の前の申請・登録が必要です
  • 対象者に当たらない:子育て世帯・新婚・親との近居・高齢者など、対象者が決まっている補助がほとんどです
  • 区内・市内の転居だけ:東京の区や福岡市の子育ての補助は、区内・市内の転居に限るものが多くあります
  • 移住支援金の条件:東京23区に住んでいた期間・通勤の条件、就業などの条件、転入後1年以内の申請。申請から3年未満の転出は全額、3年以上5年以内は半額の返還が多くの市町村のルールです
  • 対象外の費用:敷金、家具・家電の購入、不用品の処分、自分で運んだ費用などは対象外のことが多くあります
  • 予算がなくなった:先着順の補助が多く、募集を終えたものもあります

引っ越しの前に確認すること

  1. 引っ越し先の補助:引っ越し先の区市町村(移住なら県も)に、自分が対象になる補助があるか
  2. 申請の時期:契約の前・転入の前に申請や登録が必要か、引っ越しの後でよいか
  3. 条件:世帯(子育て・新婚・単身)、年齢、所得、住宅の広さ、住み続ける年数
  4. 対象の費用:引越し代・礼金・仲介手数料・家賃のどれが対象か。敷金は対象外のことが多い
  5. 書類:引越し代の領収書、賃貸借契約書、住民票など

部屋を決める前に:申請の時期と条件を確認する

引っ越しの補助は、子育て世帯・親との近居・移住・高齢者など、対象者が決まっているものがほとんどです。単身の一人暮らしが、ふつうに引っ越すだけで使える補助は多くありません。

賃貸借契約の前や、転入の前に申請(登録)が必要な補助があります。新宿区・千代田区・杉並区・北九州市などは、契約の後では間に合いません。部屋を決める前に、引っ越し先の市区町村のページを確かめてください。

不動産会社と引越業者に、次の2つを確認してください。

  • 「引越し代の見積書と、宛名の入った領収書を出してもらえますか」
    多くの補助は、引越業者に払った実費の領収書が必要です
  • 「礼金・仲介手数料・敷金の内訳が分かる書類をもらえますか」
    礼金・仲介手数料は対象、敷金は対象外という補助が多くあります

公式サイトで確認できます

内閣官房・内閣府「移住支援金」

地方への移住で出る移住支援金は国のページで、区市町村の転居の補助は、引っ越し先の区市町村のページで確認できます。

補助が使えるかと、引越業者の良しあしは別の話です。引越し代は時期や荷物の量で大きく変わるので、複数の業者の見積もりを比べてください。

業者の探し方

このページでは、特定の引越業者を紹介していません。補助を使う場合は、見積書や領収書など、市区町村が求める書類を出してもらえる業者に頼んでください。

出典

本ページの内容は、次の公表資料にもとづいています(2026年10月22日確認)。

  • 内閣官房・内閣府 移住支援金(令和8年度の実施市町村一覧〔令和8年4月1日時点〕)
  • 厚生労働省・ハローワークの雇用保険の移転費、住居確保給付金、生活保護の資料、国土交通省のセーフティネット住宅の資料
  • 東京都・山形県・岩手県・大分県・新潟県・神奈川県・大阪府などの公式ページ
  • 各区市町村の公式ページ(品川区・新宿区・千代田区・世田谷区・北区・板橋区・豊島区・杉並区・横浜市・福岡市・北九州市・神戸市・熊本市・鹿児島市・富山市・静岡市・鹿角市・和泉市など)

制度の内容と受付状況は変わります。引っ越しの前に、必ず引っ越し先の区市町村の窓口と公式サイトで確認してください。

制度の内容・金額・要件・期限は予告なく変更されることがあります。申請の前には必ず公式サイトで最新の情報をご確認ください。本サイトは民間の情報サイトであり、事務局ではありません。

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