補助金を受け取ったからといって、全員が確定申告をするわけではありません。ただし住宅ローン控除やリフォーム減税を受ける場合は、対象となる補助金を計算に反映する必要があります。
対象になるのは住宅省エネ2026キャンペーンの4事業(みらいエコ住宅・先進的窓リノベ・給湯省エネ・賃貸集合給湯省エネ)で受け取った補助金です。
このページは国税庁の公表資料にもとづいて考え方を説明するものです。個別にいくら課税されるか、どちらの扱いになるかの判断はしません。最後に確認先をまとめています。
まず、2つの話が混ざっています
- 補助金そのものに税金がかかるのか(所得の話)
- 補助金が、住宅ローン控除などの控除額を減らすのか(控除の話)
検索すると前者ばかり出てきますが、実際に多くの人に影響するのは後者です。順に説明します。
① 補助金そのものに税金がかかるか
国税庁の資料には、補助金の扱いとして2つの筋道が書かれています。どちらになるかは個別の事情で決まります。
一時所得として計算する場合
一時所得の金額は、次のように計算します。
| 計算するもの | 内容 |
|---|---|
| 総収入金額 | 受け取った補助金など |
| − 支出した金額 | その収入を得るために直接かかった金額 |
| − 特別控除 | 最高50万円 |
| = 一時所得の金額 | このうち2分の1が課税の対象 |
特別控除が50万円あります。同じ年に他の一時所得がなければ、補助金が50万円以下なら一時所得の金額は0になります。
給与所得者の「20万円ルール」
給与を1か所から受けていて、その給与の全部が源泉徴収の対象になっている人は、給与・退職以外の所得の合計が20万円以下であれば、所得税の確定申告は必要ありません(給与の年間収入金額が2,000万円を超える人などは除きます)。
給与を2か所以上から受けている人は、判定のしかたが違います。国税庁の説明では、「給与を2か所以上から受けていて、かつ、給与の全部が源泉徴収の対象となる場合において、年末調整されなかった給与の収入金額と、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く。)との合計額が20万円を超える人」は確定申告が必要です。ただし、給与の収入金額の合計から所得控除(雑損控除・医療費控除・寄附金控除・基礎控除を除く)を差し引いた金額が150万円以下で、給与・退職以外の所得が20万円以下の人は申告不要です。
一時所得は2分の1が合算されるので、一時所得の金額が40万円を超えると、この20万円を超える計算になります。特別控除の50万円と合わせて逆算すると補助金90万円あたりが境目に見えますが、これは「給与を1か所から受けていて確定申告をしない会社員で、ほかに一時所得も副業の所得もなく、補助金を得るための支出も差し引かない」という条件がそろった場合の計算です。給与を2か所以上から受けている人は判定のしかたが違うので、この計算は当てはまらないことがあります。
条件が1つ変わればこの数字は動きます。目安としても、そのまま当てにしないでください。
ただし、この20万円ルールには大きな落とし穴があります。
確定申告をする人は、この20万円ルールを使えません。これは「確定申告をしなくてよい」という決まりであって、確定申告をするなら、20万円以下の所得も申告に含めます。
住宅ローン控除の1年目は確定申告が必要です。医療費控除や、ワンストップ特例を使わないふるさと納税も同じです。このページを読んでいる方の多くは、そもそも確定申告をする側に当たります。
さらに、次の点にも注意してください。
- これは所得税の話です。住民税に20万円ルールはありません。所得税の申告が不要でも、住民税の申告が必要な場合があります。お住まいの市区町村に確認してください
- 生命保険の満期返戻金なども一時所得です。同じ年に受け取っていれば合算されます
- 副業の所得など、給与・退職以外の所得もこの20万円に合算されます。補助金だけで判断することはできません
国庫補助金等として、総収入金額に入れない場合
もうひとつの筋道です。国税庁のNo.2202 国庫補助金等を受け取ったときには、こう書かれています。
「固定資産の取得や改良に充てるために国または地方公共団体の補助金や給付金など(国庫補助金等)の交付を受けた場合で、その交付の目的に適合した固定資産の取得や改良をしたときは、確定申告書に一定の事項を記載することを条件として、その固定資産の取得や改良に充てた部分の金額に相当する金額を総収入金額に算入しないこととされています」
この扱いを受けるには「国庫補助金等の総収入金額不算入に関する明細書」を添付した確定申告書を税務署に提出します。
ただしこの扱いを受けた資産は、取得費が補助金の分だけ小さくなります。将来その家を売るときの計算に影響します。
自分がどちらの扱いになるのかは、当サイトでは判断できません。所轄の税務署か税理士に確認してください。
② 住宅ローン控除・リフォーム減税では、補助金を差し引いて計算する
こちらは、住宅ローン控除や対象となるリフォーム減税を受ける人に関係します。国税庁の記載は明確です。
| 受ける控除 | 補助金の扱い |
|---|---|
| 住宅ローン控除(新築・取得) | 取得対価の額から補助金等の額を控除して計算する |
| 住宅ローン控除(増改築) | 補助金等を差し引いた工事費用が100万円を超えることが要件 |
国税庁は補助金等を「国または地方公共団体から交付される補助金または給付金その他これらに準ずるもの」と定義しています。住宅省エネ2026キャンペーンの4事業は、ここに当たります。
控除を受けるときの添付書類にも、「補助金決定通知書など補助金等の額を証する書類」が挙げられています。事務局や事業者から届く通知は、確定申告が終わるまで保管してください。
ただし、控除額が必ず減るわけではありません。控除の計算に使うのは、住宅ローンの年末残高と、補助金を差し引いた取得対価(または工事費用)のどちらか小さいほうです。年末残高のほうが小さければ、補助金を差し引いても控除額は変わりません。
控除額が変わるかどうかにかかわらず、計算では差し引く必要があります。差し引かずに申告すると、あとから修正を求められます。
自分がいくら受け取ることになるのかは、制度ごとのページで確認できます。
この事業では、補助金は事業者経由で戻ってきます
住宅省エネ2026キャンペーンの4事業では、登録事業者が申請して補助金を受け取り、工事代金への充当か、現金のどちらかであなたに還元します。
どちらの形でも、補助を受けたのは共同事業者であるあなたです。「工事代金が安くなっただけで、お金は受け取っていない」という理屈は通りません。補助金の還元方法は、事業者と取り交わす共同事業実施規約で確認します。規約で決める項目は先進的窓リノベの申請手続きにまとめています。
迷ったときの確認先
税務の個別の判断は、当サイトでは行いません。次で確認してください。
- 国税庁 No.1490 一時所得
- 国税庁 No.1900 給与所得者で確定申告が必要な人
- 国税庁 No.2202 国庫補助金等を受け取ったとき
- 国税庁 No.1211-4 増改築等をし、令和4年以降に居住の用に供した場合
- 国税庁 No.1211-1 住宅借入金等特別控除(新築・取得)
- 所轄の税務署(補助金の交付決定通知を持って相談できます)
次に読む
- 住宅の補助金、申請の流れ|自分では申請できない仕組みと、契約のタイミング
- 住宅省エネ2026の申請に必要な書類|自分で用意するのは2〜3点だけ
- 国と自治体の住宅補助金は併用できる?|考え方と、自治体への確認手順
- 給湯器の交換に使える補助金は?|エコキュート7万円・エネファーム17万円
- 窓のリフォームに使える補助金は?|内窓・ガラス交換でいくら戻るか
見積もりを取る前に:登録事業者かどうかを確認する
この補助金は、事務局に登録した事業者が申請します。事業者登録は交付申請(予約を含む)までに必要で、申請の時点で登録されていない事業者では、工事の内容が要件を満たしていても補助を受けられません。
見積もりを依頼したら、各社に次の3つを聞いてください。
- 「この補助金の登録事業者ですか」
登録していれば登録事業者番号を答えられます - 「今回の工事は補助の対象になりますか」
対象製品か、補助額が下限に届くか、着工の時期は条件を満たすか - 「補助金はどう還元されますか」
契約代金への充当か現金か。契約前に事業者へ確認してください
公式サイトで検索することもできます
住宅省エネ2026キャンペーンの公式サイトに、住宅省エネ支援事業者の検索があります。都道府県・工事の種類・社名などで絞り込めます。
ただし、載っているのは、登録した事業者のうち公表を希望した事業者だけです。検索に出てこないことは、登録していないことの証明にはなりません。公式サイトには「本ページで公表されていない事業者の登録有無については、事業者に直接お問い合わせください。」「消費者等の方で、契約にあたり、事業者登録の有無を確認したい場合、お問い合わせ窓口までお問い合わせください。」と書かれています。
また、公式サイトには「住宅省エネ支援事業者の登録は、国や事務局が優良な事業者として認定するものではありません。」とも書かれています。登録の有無は「補助金が使えるか」の確認であって、工事の質の保証ではありません。
業者の探し方
このページでは、特定の事業者・見積もりサービスを紹介していません。上の公式検索から探すか、地域の施工業者に直接問い合わせてください。
一括見積サイトを使う場合も、紹介される業者が登録事業者とは限りません。紹介を受けたら、各社に上の3つを確認してください。
出典
税制の部分は国税庁タックスアンサー(No.1490/No.1900/No.2202/No.1211-1/No.1211-4)の公表内容に、補助金の仕組みの部分は住宅省エネ2026キャンペーン各事業の公式サイトの公表内容にもとづいています。
本ページは税務の個別相談に応じるものではありません。実際の申告は、所轄の税務署または税理士にご確認ください。
制度の内容・金額・要件・期限は予告なく変更されることがあります。申請の前には必ず公式サイトで最新の情報をご確認ください。本サイトは民間の情報サイトであり、事務局ではありません。
