アスベスト(石綿)の補助金2026|分析調査は全額・1棟25万円まで、除去は2/3が多い。対象は吹付けアスベストだけで、スレート屋根や解体前の事前調査は対象外が多い

家や建物にアスベスト(石綿)が使われていないか調べたい。除去や解体にお金がかかる。補助金は使えるのか。アスベストの補助は、国の交付金を使って市区町村(一部は県)が出しています。ただし対象は、ビルや建物の天井・はりなどの吹付けアスベストがほとんどで、スレート屋根や外壁の板、解体の前の事前調査は対象外のことが多くあります。

補助の種類よくある額ポイント
分析調査(吹付け材にアスベストが入っているか)費用の全額・1棟25万円まで(23区は1/2・上限5万〜10万円が多い)無料で調査員を派遣する市・区もある
除去・封じ込め・囲い込み費用の2/3(上限100万〜300万円が多い)。大阪市・兵庫県の市は1/3戸建て住宅を対象外にする市もある
スレート屋根・外壁などの成形板国の補助の対象外杉並区・足立区の分析調査、大田区の住宅リフォーム助成など、自治体独自の補助で対象になる場合がある

国の補助:市区町村に制度があるときだけ使える

国土交通省の「住宅・建築物アスベスト改修事業」(社会資本整備総合交付金)は、市区町村などが所有者に出す補助の費用を、国が支える仕組みです。厚生労働省の石綿総合情報ポータルサイトは「補助金制度がある地方公共団体において、活用することができます。」としていて、建物のある市区町村に制度がなければ使えません。令和8年度は「令和八年度において、二百六十一の地方公共団体が当該事業の実施を予定している。」(政府の答弁書)です。

  • 分析調査:国の限度額は原則1棟25万円(国の負担)。吹付け材にアスベストが入っているかを調べる費用です
  • 除去・封じ込め・囲い込み:国が費用の1/3まで(自治体の補助額の1/2まで)を出します。県や市の分と合わせて2/3、所有者が1/3という形が典型です
  • 対象のアスベスト:「補助対象とする石綿(アスベスト)は、吹付けアスベスト、アスベスト含有吹付けロックウールです。」
  • 成形板などは対象外:石綿を含む断熱材・保温材・耐火被覆材・成形板・仕上塗材は、「建物の通常の使用状態において居室内に飛散する状況は認められないことから、当該事業における補助の対象とはしていない。」(政府の答弁書、2026年7月)
  • 期限:「交付金の交付対象となる事業は、令和12 年度末までに着手したものを対象とする。」(交付要綱)。ただし市区町村の制度は、それより早く終わることがあります

都県の補助(2026年10月22日確認)

都県内容主な条件
埼玉県(12市以外の区域)調査:1検体8万円・1棟25万円まで
除去:費用の2/3、上限800万円(延べ面積1,000㎡未満は400万円)
除去は、1,000㎡未満なら建築基準法の定期報告の対象の建物(共同住宅・寄宿舎を除く)だけ。申込順。業者と契約済みのものは対象外
神奈川県(21市町村)調査:1棟25万円まで(1検体だけなら16万円)不特定多数が使う300〜1,000㎡の建物などが対象。県の無料の調査者派遣は10月8日に受付終了
佐賀県調査:費用の10/10以内・1棟25万円まで
自宅の吹付けアスベストの除去のローン:利子1%相当を補給
12月18日まで

東京都・山梨県・長野県・鳥取県・熊本県・沖縄県などは、県(都)が市区町村の補助に上乗せする形で、申し込む先は市区町村です。すべての県の公式ページを確かめたわけではありません。

主な市区町村の補助(東日本、2026年10月22日確認)

地域市区町村と内容
政令市など仙台市(調査 全額・25万円、除去 2/3・上限120万円。12月15日まで)、さいたま市(調査 25万円は受付中、除去は受付終了)、千葉市(調査 25万円、除去 2/3・上限100万円。解体予定の建物も対象)、横浜市(無料の含有調査、除去 2/3・上限300万円。多数の人が使う建物で、個人の住宅は対象外)、川崎市(調査 15万〜25万円、除去 2/3・上限300万円。「※戸建て住宅・マンション専有部分は対象となりません。」)、相模原市(自ら住む住宅の調査 1/2・上限10万円、除去 1/2・上限30万円)、静岡市(調査 25万円、除去 1/3・上限60万円)、浜松市(調査 25万円、除去 2/3・上限300万円)
東京23区港区(調査 1/2・上限10万円、戸建ての除去 1/2・上限50万円)、新宿区(無料の調査員派遣、戸建ての除去 2/3・上限50万円)、文京区(戸建ての除去 2/3・上限200万円。10月30日で締切)、品川区(戸建ての除去 2/3・上限50万円、12月10日まで。調査は受付終了)、世田谷区(調査 1棟25万円まで。10月30日で締切)、足立区(調査 1/2・上限10万円。すべての建材が対象で、解体工事の前の調査も可。調査の後1年以内なら申請できる)、豊島区(解体・改修の前の吹付け材の分析 1/2・上限10万円。調査の後1年以内に申請する事後申請)、杉並区(解体・改修の前の調査 1/2・上限5万円。すべての建材が対象)、大田区(住宅リフォーム助成で、アスベストを含む建材の除去工事に工事費の10%・上限20万円)。江戸川区は調査・除去とも受付終了
そのほか盛岡市・高崎市(調査 25万円、11月30日まで)、甲府市(調査 全額・25万円、除去 2/3・上限400万円。12月18日まで)、船橋市(調査 全額・上限10万円、除去 2/3・上限120万円。11月30日まで)、川越市(調査 25万円、12月上旬まで)。川口市・沼津市の除去は受付終了。新潟市は2020年度で制度を廃止、いわき市は「なお、いわき市では、アスベスト除去工事などへの助成制度・補助制度はありませんので、ご了承ください。」としています

主な市区町村の補助(西日本、2026年10月22日確認)

地域市区町村と内容
東海・北陸名古屋市(調査 全額・上限15万円、除去 2/3・上限120万円)、岐阜市(戸建て住宅も対象。調査 上限9万円、除去 2/3・上限200万円、解体に伴う除去も可。10月30日で締切)、富山市(除去 2/3・上限200万円)、福井市(調査 25万円。戸建て・木造は対象外)
近畿京都市(調査 全額・25万円、除去 2/3・上限100万円)、大阪市(調査 1棟25万円、除去 1/3・上限100万円、戸建ては近隣に影響する部分だけで上限20万円。11月30日まで)、堺市(調査 25万円、除去 2/3・上限100万円)、神戸市(調査 25万円、除去 1/3・上限300万円。戸建ての除去は対象外。12月11日まで)、西宮市(調査 25万円、除去 1/3・上限100万円。解体の場合も除去費の相当分が対象。11月30日まで)、姫路市(11月11日正午まで)・明石市(11月30日まで)
中国・四国岡山市(除去 2/3・上限1,000万円、多数が使う建物。10月30日で締切)、広島市(調査 25万円、除去 1/2・上限100万円)、鳥取市(除去 2/3・上限1,333.4万円、解体に伴う除去も対象。2027年1月29日まで)、松山市(住宅も対象の調査 1棟25万円まで。2027年1月29日まで)
九州福岡市(調査 25万円は12月25日まで、除去 2/3・上限300万円は11月27日まで)、北九州市(調査と除去で合計上限120万円)、大分市(調査 25万円、除去 2/3・上限120万円。12月18日まで)、鹿児島市(調査 25万円は12月9日まで、除去は受付終了)。熊本市の除去・宮崎市は受付終了、長崎市は「令和7年度で補助事業は終了しました」

すべての市区町村を調べたわけではありません。建物のある市区町村の、建築指導・住宅の担当のページで確かめてください。

補助を使う前に知っておきたいこと

  • 対象はほぼ吹付けアスベストだけ:天井・はり・柱などに吹き付けたアスベストやロックウールが対象です。スレート屋根・外壁の板・床タイルなどの成形板(レベル3)は国の補助の対象外ですが、杉並区・足立区の分析調査(すべての建材が対象)や大田区のリフォーム助成のように、自治体独自の補助で対象になる場合があります
  • 戸建て住宅が対象かは市区町村しだい:横浜市・川崎市・神戸市などは戸建て住宅を外していて、岐阜市・大阪市・23区の多くは戸建ても対象です
  • 原則として交付決定の前に契約しない:国土交通省は「地方公共団体に補助金交付の申請をし、交付決定の通知を受け取った後に、調査者と契約を締結してください。」としています。ただし足立区・豊島区の分析調査のように、調査の後1年以内に申請できる所もあります
  • 有資格者:調査や除去の計画に、建築物石綿含有建材調査者などの有資格者が関わることが条件です
  • 解体の予定がある建物:解体予定の建物を対象外にする市が多い一方、千葉市・岐阜市・西宮市・鳥取市・富士市などは、解体のときの吹付けアスベストの除去費の相当分も対象です
  • 予算・締切:10月末〜11月末に締め切る市が多く、すでに受付を終えた市もあります

解体・リフォームの前の事前調査(法律の義務)

建物の解体や改修の工事をするときは、補助とは別に、法律でアスベストの事前調査が必要です。国は、この事前調査の費用を全国共通で補助する制度を作ることは考えていないとしています(政府の答弁書)。

  • 誰が調べるか:工事の元請業者が、工事する部分のすべての材料を調べます。「令和5年10月1日以降着工の工事から、施工業者(元請事業者)は有資格者(※1、2)による事前調査の実施が義務付けられています。」
  • 報告:解体工事は床面積80㎡以上、改修工事は請負金額100万円以上のとき、調査結果を電子システムで報告します(2022年4月から)
  • 発注者(施主)の役割:事前調査や除去の費用を負担します。また、吹付け石綿や、石綿を含む断熱材・保温材・耐火被覆材などが使われた建物の解体・改修作業を伴う工事は、上の調査結果の報告とは別に、作業開始の14日前までに発注者が地方公共団体へ届出をします
  • 見積もりの確認:厚生労働省は「工事費用に、事前調査費が計上されていることや、石綿の調査を行う資格(建築物石綿含有建材調査者など)を持っているかを確認します。」としています

杉並区・足立区・豊島区などは、解体・改修の前の分析調査も補助の対象にしています。解体の補助は家の解体の補助金にまとめています。

どんな建物にアスベストがあるか

  • 使われた時期:吹付けアスベストは1975年に原則禁止され、2006年(平成18年)9月からは石綿を0.1%超含むものの製造・使用などが原則禁止されました。猶予されていた一部の製品も、2012年(平成24年)4月に禁止されています(環境省のリーフレットの年表)。2006年9月より前に着工した建物には、使われている可能性があります
  • レベル1〜3:飛び散りやすさで、吹付け材(レベル1)、保温材・断熱材・耐火被覆材(レベル2)、スレートなどの成形板(レベル3)に分けられます。補助の対象はほとんどがレベル1です
  • 勧誘に注意:堺市は「「家にアスベストが使われている」などと言って、住宅改修工事を持ちかけるリフォーム詐欺が現れていますので、ご注意ください。」としています。不安なときは、市区町村や消費生活センター(188)に相談してください

申請の前に確認すること

  1. 補助があるか:建物のある市区町村(埼玉・神奈川・佐賀は県も)に、分析調査・除去の補助があり、今年度の受付中か
  2. 対象の建材:吹付け材か、成形板か。成形板は対象外のことが多い
  3. 対象の建物:戸建て住宅も対象か。面積・用途の条件はあるか。解体予定でも対象か
  4. 申請の順番:交付決定の前に、調査会社・工事業者と契約していないか
  5. 業者の条件:有資格者か。市内の業者などの条件はあるか

調査・工事を頼む前に:補助の対象と、申請の順番を確認する

アスベストの補助は、吹付けアスベストの分析調査と除去が対象のことがほとんどです。スレート屋根や外壁などの成形板、解体の前に法律で必要な事前調査は、多くの補助で対象外です。

多くの補助は、交付決定の前に調査や工事の契約をすると受けられません。足立区・豊島区の分析調査のように、調査の後に申請できる所もありますが、業者に頼む前に、建物のある市区町村に相談してください。

見積もりを依頼したら、各社に次の3つを聞いてください。

  • 「建築物石綿含有建材調査者などの資格を持っていますか」
    補助も法律の事前調査も、有資格者による調査が条件です
  • 「見積もりに、事前調査の費用は入っていますか」
    解体・改修の前の事前調査は、工事の元請業者の義務です
  • 「補助の交付決定が出るまで、契約を待ってもらえますか」
    先に契約すると補助を受けられません

公式サイトで確認できます

厚生労働省「石綿総合情報ポータルサイト」(補助制度)

アスベストの補助の仕組みや、事前調査の手続きは、厚生労働省の石綿総合情報ポータルサイトで確認できます。

補助が使えるかと、業者の良しあしは別の話です。調査・工事の見積もりは複数の業者から取り、資格と、除去の方法・費用を比べてください。

業者の探し方

このページでは、特定の調査会社・工事業者を紹介していません。補助を使う場合は、市区町村が求める資格や施工の条件を満たす業者に頼む必要があります。まず市区町村に相談してください。

出典

本ページの内容は、次の公表資料にもとづいています(2026年10月22日確認)。

制度の内容と受付状況は変わります。申請の前に、必ず市区町村の窓口と公式サイトで確認してください。

制度の内容・金額・要件・期限は予告なく変更されることがあります。申請の前には必ず公式サイトで最新の情報をご確認ください。本サイトは民間の情報サイトであり、事務局ではありません。

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