出産手当金の対象と金額を、協会けんぽの案内と法律で調べました(2026年10月31日確認)。金額と手続きは主に協会けんぽのもので、健康保険組合や共済組合は違う場合があります。
健康保険の本人が出産で会社を休み、その間に給与が出ないときに支給されます。1日の額は、標準報酬月額の平均の30分の1の3分の2です。出産育児一時金とは別の給付で、両方の対象になる人もいます。
| 内容(2026年10月31日確認) | |
|---|---|
| 対象 | 健康保険の被保険者本人が出産のため会社を休み、給与の支払いを受けなかった場合 |
| 期間 | 出産の日(出産が予定日より後なら出産予定日)以前42日(多胎98日)から、出産の翌日以後56日目まで |
| 1日の額 | 支給開始日以前12か月の標準報酬月額の平均÷30×2/3 |
| 申請 | 申請書に事業主と医師・助産師の証明を受けて提出 |
| 支払い | 協会けんぽは、審査の結果支払える場合は受付日から10営業日以内 |
| 申請期限 | 休んだ日ごとに、その翌日から2年で時効 |
金額の目安
標準報酬月額の平均ごとに計算すると、次のとおりです。合計は、予定日に出産して98日すべてを休み、給与が出ない場合です。
| 標準報酬月額の平均 | 1日の額 | 98日の合計 |
|---|---|---|
| 20万円 | 4,447円 | 435,806円 |
| 25万円 | 5,553円 | 544,194円 |
| 30万円 | 6,667円 | 653,366円 |
| 40万円 | 8,887円 | 870,926円 |
- 計算の例:協会けんぽの例では、平均17万円÷30≒5,670円(10円未満四捨五入)、5,670円×2/3=3,780円(1円未満四捨五入)です。上の表も同じ端数処理です
- 支給開始日:最初に出産手当金が支給された日のことです
- 12か月に満たない人:その期間の標準報酬月額の平均と、32万円(支給開始日が2025年4月1日以降の場合)の低い方で計算します
- 給与が出た場合:給与の日額が出産手当金の日額より少なければ、差額が支給されます。有給休暇の賃金や、出勤に関係なく出る手当が報酬に当たります
- 傷病手当金:重複しては受けられません。傷病手当金の額が多いときは、差額が傷病手当金として支給されます
もらえる期間
| 出産の時期 | 産前の期間 | 産後の期間 |
|---|---|---|
| 予定日に出産 | 出産の日以前42日(多胎98日) | 56日 |
| 予定日より早く出産 | 出産の日以前42日(多胎98日)のうち、休んだ日 | 56日 |
| 予定日より遅く出産 | 予定日以前42日(多胎98日)+遅れた日数 | 56日 |
- 出産の日:産前の期間に含まれます
- 会社を休んだ日だけ:期間の中で、会社を休み給与がなかった日が対象です
- 産前産後休業:産前は請求すれば出産予定日の6週間前(双子以上は14週間前)から休めます。産後8週間は原則として働けません。産後6週間を過ぎて本人が請求し、医師が認めた業務なら働けます
- 流産・死産:厚生労働省は、妊娠4か月以上の流産・死産も産後休業の対象としています。申請書には死産児数の欄があります
いつ振り込まれるか
協会けんぽは、審査の結果支払える場合は受付日から10営業日以内に支払うとしています。産休の開始や出産の日から10営業日ではありません。事業主と医師・助産師の証明をそろえた申請書が受け付けられてから数えるので、いつ入るかは申請書を出す時期で決まります。産休に入る前に、勤務先と段取りを決めてください。
申請のしかた
| 順番 | すること |
|---|---|
| 1 | 申請書を用意する |
| 2 | 自分の欄を書く(申請期間、出産予定日、振込先など) |
| 3 | 医師か助産師に、出産の証明を書いてもらう |
| 4 | 勤務先に、勤務状況と賃金の支払い状況を証明してもらう |
| 5 | 協会けんぽの場合は、電子申請か、紙の申請書を支部へ郵送する |
- 電子申請:協会けんぽはスマートフォンやパソコンで申請でき、申請後の処理状況も確かめられます
- 追加の書類:支給開始日以前12か月以内に勤務先が変わった場合などは、健康保険加入状況等申告書が要ります
- 出産前の申請:申請書に出産前か出産後かを選ぶ欄があります。分けて出すときの証明の扱いは、加入している健康保険に確かめてください
- 期限:休んだ日ごとに、その翌日から2年で時効になります
退職する人
退職した後も、次の2つに当てはまれば引き続き受けられます。
- 加入期間:退職日までに被保険者期間が続けて1年以上ある。任意継続、共済組合、国民健康保険の期間は数えません
- 退職日の状態:退職日に出産手当金を受けているか、受けられる状態である。退職日が支給の対象の期間(出産予定日以前42日、多胎は98日など)に入っていて、その日に出勤していないことが必要です
協会けんぽは、退職日に出勤すると、退職後の出産手当金は受けられないとしています。休職や有給休暇のまま退職した場合は受けられます。出産予定日の3か月前に退職すると、1年以上加入していても、退職日が対象の期間に入っていないので通常は受けられません。退職して配偶者の扶養に入りたい人は、出産手当金を受けている間の扱いを、配偶者の健康保険に確かめてください。
加入している保険による違い
| 加入している保険 | 出産手当金 |
|---|---|
| 協会けんぽ、健康保険組合の本人 | 対象。パートなどでも、被保険者本人なら同じです |
| 配偶者の扶養に入っている人 | 対象外(被保険者のみ)。出産育児一時金は家族の分が出ます |
| 地方公務員(共済組合) | 地方職員共済組合大阪府支部は、産前産後休暇は給料が全額出るので、退職後の給付のほかは実際には支給されないとしています。計算も協会けんぽと違い、同支部は1日の額を標準報酬月額の22分の1の3分の2とし、週休日は支給しません |
| 国民健康保険(自営業、フリーランスなど) | 健康保険のように決まった給付はありません。法律では、条例で定めて行うことができる給付の扱いです。お住まいの市区町村に確かめてください |
国民健康保険の人が使える軽減
- 国民健康保険料:名古屋市は、出産予定月の前月から4か月分(多胎は3か月前から6か月分)の保険料を減額しています。届出が必要です
- 国民年金保険料:出産予定月の前月から4か月(多胎は3か月前から6か月)が免除されます。第1号被保険者が対象で、市区町村の窓口に届け出ます。免除の期間も納付したものとして年金に反映されます
保険料と税金
- 健康保険料と厚生年金保険料:産前産後休業の期間は、本人と事業主の両方の負担が免除されます。事業主が日本年金機構に申し出ます。将来の年金額では、納めた期間として扱われます
- 税金:健康保険法第62条は、保険給付として受けた金品を標準に、税金などを課すことができないと定めています
- 医療費控除:国税庁は、出産手当金は医療費を補う性格のものではないので、差し引く必要はないとしています。出産育児一時金は差し引きます
産休の後の給付
出産手当金は健康保険の給付です。産休の後に育児休業を取る人は、雇用保険の育児休業給付金の対象になる場合があります。別の制度なので、手続きも別です。
出産の費用は出産育児一時金に、育児休業の後に時短で働く場合は育児時短就業給付金にまとめています。
妊娠と出産のときの国の給付(1人で合わせて10万円)は妊婦のための支援給付にまとめています。
産休の前に:勤務先と加入している健康保険に確認する
対象は、健康保険の被保険者本人です。配偶者の扶養に入っている人は対象になりません。
申請書には、事業主と医師・助産師の証明が要ります。産休の前に、勤務先に手続きの進め方を聞いてください。
勤務先と加入している健康保険に、次の3つを確認してください。
- 「自分の標準報酬月額はいくらですか」
1日の額は、標準報酬月額の平均で決まります - 「休んでいる間に給与は出ますか」
給与の日額が出産手当金より多いと支給されません - 「申請書はどこに出しますか」
保険によって出し方と様式が違います
公式サイトで確認できます
健康保険組合や共済組合の人は、加入している組合の案内を確かめてください。
出典
本ページの内容は、次の公表資料にもとづいています(2026年10月31日確認)。
- 協会けんぽ「出産手当金」・「出産で会社を休んだとき」・「健康保険出産手当金支給申請書」・「健康保険給付について」
- 厚生労働省「産前・産後休業を取るときは」・国税庁 No.1124
- 日本年金機構「厚生年金保険料等の免除」・「国民年金保険料の産前産後期間の免除制度」
- 地方職員共済組合大阪府支部・名古屋市の案内
- 健康保険法第62条、国民健康保険法第58条
金額と手続きは、加入している保険で違う場合があります。勤務先と、加入している健康保険に確認してください。
制度の内容・金額・要件・期限は予告なく変更されることがあります。申請の前には必ず公式サイトで最新の情報をご確認ください。本サイトは民間の情報サイトであり、事務局ではありません。
