浄化槽の補助金2026|国に直接申請はできず、市町村の補助を使う。5人槽33.2万円が目安で、汲み取り・単独からの切り替えは撤去と配管に上乗せ。新築・下水道の区域内は対象外が多い

汲み取りや古い単独処理浄化槽を、合併処理浄化槽に替えたい。補助金はいくら出るのか。浄化槽の補助は、市町村が出すものです。国(環境省)は市町村にお金を出していますが、個人が国に直接申請することはできません。環境省の要綱も「この事業の実施主体は、市町村とする。」としています。

項目目安(国の基準額)ポイント
浄化槽の設置費(本体と設置工事)5人槽33.2万円・7人槽41.4万円・10人槽54.8万円多くの市町村がこの額。市が上乗せして80万〜100万円を超える市もある
古い槽の撤去(切り替えのとき)単独処理浄化槽15万円・汲み取り槽12万円2026年4月から国の基準が上がった(12万円・9万円から)。市の額はまちまち
宅内配管(切り替えのとき)33万円2026年4月から国の基準が上がった(30万円から)
点検・清掃の費用市町村による札幌市・仙台市・町田市・松本市・福岡市などに補助がある

上の額は国の基準額で、実際に受け取れる額は市町村が決めます。国の基準どおりの市が多い一方で、撤去が9万円・12万円、配管が30万円のままの市もあります(新潟市など)。単独処理浄化槽から5人槽に切り替える場合、設置費33.2万円+撤去15万円+配管33万円で、合計81.2万円が一つの目安です(豊橋市・徳島市など)。

国の補助の仕組み

  • 環境省の交付金は、個人が浄化槽を設置して市町村が補助する型(浄化槽設置整備事業)と、市町村が浄化槽を設置して管理する型(公共浄化槽等整備推進事業)の2つです
  • 個人が設置する型では、国の資料の図で、費用の負担は個人10分の6・市町村と国10分の4です。国はそのうち3分の1(条件により2分の1)を出します
  • 国の交付取扱要領(2026年4月1日から)は、切り替えの上乗せを「浄化槽の設置に伴い必要となる単独処理浄化槽の撤去に要する費用 15 万円×基数」、宅内配管を「単独処理浄化槽又はくみ取り槽からの転換による浄化槽の設置に伴い必要となる宅内配管工事に要する費用 33 万円×基数」としています
  • 合併処理浄化槽の入れ替え(交換):国のメニューでは、法定の点検・清掃・検査を3年以上続けていて、補修より入れ替えが合理的な場合に、撤去費(15万円)が対象です。宅内配管は対象外です。市町村がこのメニューを使っている場合に限ります(成田市など)
  • 高齢の少人数世帯:漏水などで問題がある古い単独処理浄化槽を切り替える、65歳以上の2人以下の世帯(1人あたりの所得が月15.8万円以下)には、5人槽55.8万円などの高い基準があります(2029年度まで。大津市・和歌山市・徳島市などで実施)

補助がもらえない主な理由

  • 下水道・農業集落排水の区域の中:国の要綱では、下水道の事業計画区域の外が対象です(区域の中でも、原則7年以上整備されない所は対象になり得ます)。農業集落排水の区域も、多くの市町村が対象外にしています
  • 新築:国の要綱は、汚水処理の普及につながる新築を対象にしていますが、切り替えだけを対象にして新築を外す市町村が多くあります(さいたま市・千葉市・静岡市・浜松市・熊本市・高松市・大分市・鹿児島市など)。新築も対象の市町村(盛岡市・山形市・甲府市・津市・京都市・岡山市・福岡市など)は、新築の額が低いことがあります
  • 工事の後の申請:国の要綱は「当該事業年度の前年度以前に既に設置済みであるものは、助成の対象外であること。」としていて、市町村の多くは交付決定の前の着工を対象外にしています
  • 予算に達した:年度の途中で受付を終える市町村があります。熊本市・岡崎市・福井市・小田原市・栃木市は、今年度の受付を終えています(2026年10月18日確認)
  • そのほか:販売用の住宅、同じ人槽の浄化槽を建て替えでまた設置する場合、保守点検・清掃・法定検査の契約がない場合なども対象外です

県の一覧と、県の上乗せ

  • 市町村の補助を一覧にしている県:埼玉県(額と残りの基数つき)、静岡県、山梨県、群馬県、岩手県、福島県、愛知県(46市町村。名古屋市など8市町は補助なし)、和歌山県(30市町村の額)、大分県、香川県
  • 県が個人向けに上乗せしている例:山形県は、リフォームで汲み取り・単独処理浄化槽から切り替える場合に上乗せ(上限5人槽16万円・6人槽以上20万円)。大分県も切り替えの設置費に上乗せしています(額は市町村により違います)
  • 市町村が設置する地域:仙台市・広島市・宮崎市・八王子市の一部などでは、市が浄化槽を設置し、住民は分担金(仙台市は5〜10人槽で12万円、広島市は1基30万円)と使用料を払います。広島市は個人への設置の補助を廃止しています

主な市の補助(2026年10月18日確認)

すべての市町村を調べたわけではありません。ここにない市町村は、お住まいの市町村のページで確かめてください。

北海道・東北・関東・甲信越・静岡

地域市と内容
北海道・東北札幌市(5人槽82.6万円、撤去・配管の上乗せあり、清掃費の補助も)、盛岡市(5人槽41.4万〜72.4万円、新築も対象)、山形市(5人槽41.4万円。リフォームの切り替えは上乗せ16万円)、福島市(切り替え33.2万円、新築16.6万円)、郡山市(切り替えのみ)、いわき市(単独からの切り替えで合計89.5万円、10月16日時点で残り12件程度)、石巻市(2026年4月から撤去・配管の上乗せを追加)
関東さいたま市(切り替えのみ、33.2万円+処分10万円+配管20万円、2027年1月29日まで)、千葉市(切り替えのみ、33.2万円+単独の撤去18万円+配管33万円、12月28日まで)、柏市・成田市・八千代市・佐倉市(単独の撤去18万円など)、横須賀市(合計81.2万円)、町田市(合計105万円、今後減額の予定)、宇都宮市・水戸市・つくば市(撤去15万円・配管33万円)、高崎市(切り替え33万円、12月18日まで、予算が少ない)、前橋市(後期の受付中)。小田原市・栃木市は今年度の受付を終了。小山市は新設を中断(切り替えは受付中)。埼玉県の一覧では7月末時点で深谷市以外が受付中
甲信越・静岡静岡市・浜松市(切り替えのみ、33.2万円+配管33万円)、富士市、甲府市(新築も対象、単独の撤去15万円・配管33万円)、松本市(33.2万円、清掃費の1/2・上限2万円も)、長野市(定額45万円)、長岡市(60万円)、新潟市(汲み取りからの切り替えで43.5万円。配管30万円・撤去12万円/9万円)

北陸・東海・近畿・中国・四国・九州・沖縄

地域市と内容
北陸・東海富山市(41.4万円)、岐阜市、豊橋市・一宮市(単独からの切り替えで合計81.2万円。一宮市は10月1日時点で残り34基)、豊田市(9月30日時点で残り27基)、津市・四日市市(新築も対象)。福井市(93.1万円)・岡崎市は今年度の受付を終了
近畿京都市(33.2万円+配管33万円、12月28日まで)、大津市、和歌山市(2027年1月29日まで)。神戸市(63万円)は9月29日時点で「間もなく終了」
中国・四国鳥取市(切り替え65.6万円)、岡山市(3月15日までに工事を終えること)、徳島市(10月から抽選。次は11月2日〜10日に申込)、高松市(月ごとの事前申込・抽選)、高知市(年8回の募集。次は11月2日〜6日)、松山市(今年度末で終了の予定)。広島市は市営浄化槽
九州・沖縄福岡市(費用の4割・上限33.2万円。今年度は法定検査の手数料1回分を全額補助)、長崎市(5人槽74.6万円)、大分市(単独からの切り替えで81.9万円)、鹿児島市(2026年度から撤去15万円・配管33万円)、宮崎市(市が設置する公設浄化槽、分担金5人槽8.9万円)。熊本市は今年度の受付を終了

点検・清掃・法定検査の費用の補助

  • 国のメニューは、65歳以上の2人以下の世帯で、それぞれの所得が月15.8万円以下の場合に限られ、市町村がこのメニューを使っている場合だけです。所得は給与の総支給額ではなく、給与所得控除などを引いた後の額(すべての所得の合計)で、年額を12で割って計算できます。2人の世帯は、2人ともこの額以下であることが必要です
  • 市町村の独自の補助:札幌市(清掃費、5人槽3.2万円)、仙台市(1.7万〜3.2万円)、郡山市(5〜7人槽1.5万円、10年間)、町田市(費用の1/2、上限2万円)、松本市(清掃費の1/2、上限2万円)、富士市(年1.8万円)、長岡市(法定検査と保守点検)、松山市(年8千円を10年間)、福岡市(今年度の法定検査の手数料1回分)など

浄化槽を使う人の義務

  • 保守点検と清掃:浄化槽法は「毎年一回(環境省令で定める場合にあつては、環境省令で定める回数)、浄化槽の保守点検及び浄化槽の清掃をしなければならない。」としています。家庭用の多くは、保守点検が4か月に1回以上です
  • 法定検査:使い始めて3か月を過ぎた日から5か月の間(使い始めからおよそ3〜8か月)の水質検査(7条検査)と、毎年1回の定期検査(11条検査)を、指定検査機関で受けます
  • 単独処理浄化槽:2001年4月からは新しく設置できず、今あるものは合併処理浄化槽への切り替えに努めることになっています。放置すると重大な支障が出るおそれのある古い単独処理浄化槽には、都道府県知事が除却などを命じることができます(2020年4月から)
  • 使うのをやめたとき:30日以内に、都道府県知事(市によっては市)に廃止の届出をします

下水道に切り替えるとき

  • 下水道が使えるようになると、下水道法で接続が義務になります。法律の文言は「遅滞なく」で、期限は市の条例で決まります(千葉市・広島市は1年以内)。汲み取り便所は3年以内に水洗便所に改造します
  • 切り替えの支援は市の制度です。広島市は浄化槽をやめる工事に無利子で1基50万円まで貸し付け、新潟市は2万〜3万円の助成と100万円以内の無利子融資、那覇市は市民税非課税の世帯に30万円まで、長野市は71歳以上の世帯に工事費の1割(上限5万円)を補助しています
  • 国(環境省)の交付金の撤去費は、新しく浄化槽を設置する場合のものです。下水道に切り替えるときの浄化槽の撤去は、市の制度があるかを確かめてください
  • 浄化槽は、汚泥を抜いて洗浄・消毒する最終清掃をしてから廃止します。浜松市は「し尿・浄化槽汚泥の引き抜きだけでは最終清掃にはなりません。」としています
  • 使わなくなった浄化槽を雨水の貯留槽に作り替える工事に補助を出す市町もあります(雨水タンクの補助金)

補助金と確定申告

浄化槽の補助金に限った国税庁の説明は見つかりませんでした。一般には、国や地方公共団体の補助金で固定資産を取得した場合、確定申告で一定の事項を書けば、その補助金を収入に入れない扱いがあります(国税庁タックスアンサー No.2202)。この扱いを使わない場合は一時所得になり、ほかの一時所得と合わせて50万円までは特別控除があります。迷ったら税務署に確認してください。

法定検査を装う訪問に注意

静岡県や浜松市は、法定検査や保守点検を装って家を訪ね、その場でお金を集める事案に注意を呼びかけています。静岡県は「法定検査には、事前の検査申し込み(予約)が必要で、突然訪問することはありません。」としています。清掃は、市町村長の許可を受けた業者に頼みます。

申請の前に確認すること

  1. 対象の区域か:下水道・農業集落排水の区域の外か
  2. 新築か切り替えか:新築が対象か、切り替えだけか
  3. 額:設置・撤去・宅内配管のそれぞれの上限
  4. 受付の状況:予算の残り、抽選や募集の期間
  5. 申請の順番:交付決定の前に着工しない。年度内に工事と報告を終える

見積もりを取る前に:補助の対象区域と申請の順番を確認する

浄化槽の補助は、市町村ごとに対象の区域・額・新築の扱いが違います。下水道や農業集落排水の区域の中は、多くの市町村で対象外です。

工事の前に申請し、交付決定を受けてから着工します。年度の途中で予算に達して終わる市町村もあります。

見積もりを依頼したら、各社に次の3つを聞いてください。

  • 「この場所は、市町村の浄化槽の補助の対象区域ですか」
    下水道の事業計画区域や農業集落排水の区域の中は、補助が出ないことが多いです
  • 「補助の交付決定が出てから着工してもらえますか」
    申請の書類は業者が用意することが多いので、日程を一緒に確かめてください
  • 「見積もりで、浄化槽の設置(本体と設置工事)・古い槽の撤去・宅内配管の費用を分けてもらえますか」
    補助は、設置・撤去・配管のそれぞれに上限があります

公式サイトで確認できます

環境省 浄化槽サイト

浄化槽の仕組みや、管理者の義務(保守点検・清掃・法定検査)は、環境省の浄化槽サイトで確認できます。

補助が使えるかと、業者や工事の質は別の話です。見積もりは複数で比べてください。

業者の探し方

このページでは、特定の事業者・見積もりサービスを紹介していません。地域の浄化槽の工事業者に直接問い合わせてください。業者に条件がある補助もあるので、契約の前に市町村に確かめてください。清掃は、市町村長の許可を受けた業者に頼みます。

出典

本ページの内容は、次の公表資料にもとづいています(2026年10月18日確認)。

  • 環境省 浄化槽サイトの浄化槽設置整備事業実施要綱、交付要綱・交付取扱要領(2026年4月1日施行)、交付金のQ&A、予算資料、浄化槽Q&A
  • 浄化槽法・同施行規則、下水道法(e-Gov法令検索)
  • 国税庁のタックスアンサー(No.2202・No.1490)
  • 静岡県・浜松市の法定検査を装った訪問の注意
  • 各都道府県・市町村の公式ページ

制度の内容と受付状況は変わります。申請の前に、必ずお住まいの市町村の窓口と公式サイトで確認してください。

制度の内容・金額・要件・期限は予告なく変更されることがあります。申請の前には必ず公式サイトで最新の情報をご確認ください。本サイトは民間の情報サイトであり、事務局ではありません。

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