育児時短就業給付金の対象と金額を、厚生労働省のパンフレットとQ&Aで調べました(2026年10月31日確認)。
2歳未満の子を育てるために所定労働時間を短くして働き、賃金が下がったときに、その月の賃金の10%が支給されます。2025年4月1日に始まった給付金です。
| 内容(2026年10月31日確認) | |
|---|---|
| 対象 | 雇用保険の被保険者で、2歳未満の子を育てるために週の所定労働時間を短くして働く人 |
| 額 | 各月に支払われた賃金の10%。時短の前の賃金の90%を超えると率が下がる |
| 期間 | 時短を始めた月から、子の2歳の誕生日の前々日の月まで |
| 限度額 | 賃金と給付の合計で月484,121円(2027年7月31日まで) |
| 申請 | 原則として勤務先がハローワークへ、2か月ごとに |
| 税金 | 非課税 |
いくらもらえるか
時短の前の賃金(育児時短就業開始時賃金月額)が30万円の場合です。
| その月に支払われた賃金 | 時短の前との比較 | 給付の額 |
|---|---|---|
| 15万円 | 50% | 15,000円 |
| 20万円 | 約67% | 20,000円 |
| 24万円 | 80% | 24,000円 |
| 27万円 | 90% | 27,000円 |
| 28万円 | 約93% | 18,004円(率が6.43%に下がる) |
| 30万円以上 | 100%以上 | 支給なし |
- 90%以下:賃金×10%です
- 90%超〜100%未満:賃金と給付の合計が時短の前の賃金を超えないように、率を調整します
- 100%以上:賃金が減っていないとして支給されません
- 限度額:賃金と給付の合計が484,121円を超えるときは、484,121円から賃金を引いた額です。賃金が484,121円以上の月は支給されません
- 少額のとき:計算した額が2,562円を超えない月は支給されません
- 時短の前の賃金の上限と下限:496,200円と96,090円です
- 額の改定:これらの額は2027年7月31日までのもので、毎年8月1日に変わります
時短の前の賃金の決まり方
- 育児休業から続けて時短を始めた人:育児休業給付のときの休業開始時賃金日額の30日分です
- それ以外の人:時短を始める前の6か月の賃金の総額を180で割り、30を掛けた額です。賞与は含みません
対象になる条件
次の2つをどちらも満たす人が対象です。母親だけの制度ではなく、Q&Aには男性の場合の説明もあります。
- 時短:2歳未満の子を育てるために、週の所定労働時間を短くして働く雇用保険の被保険者(一般被保険者か高年齢被保険者)
- これまでの就業:育児休業給付の対象の育児休業から続けて時短を始めた、または時短を始める前の2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上(ない場合は賃金の基礎の時間数が80時間以上)の完全月が12か月ある
「続けて」には、復職日からの時短のほか、育児休業の終了と時短の開始の間が14日以内の場合も含みます。2年の間に、病気、けが、出産、育児などで30日以上続けて賃金を受けられなかった期間があれば、その期間を2年に足せます(合計で最長4年)。
時短に当たる働き方
- 時間の上限と下限:短くした後の時間に上限と下限はありません。6時間勤務に限りません
- 日数を減らす:週の所定労働日数を減らして、週の時間が短くなる場合も含みます
- パートへの転換や転職:子を育てるために短時間正社員やパートに転換、転職して、週の時間が短くなった場合も含みます
- 産後すぐ時短で復職:育児休業を取らずに時短を始めた人も、2年間に12か月の条件を満たせば対象です
- 派遣:派遣元に申し出て認められ、所定労働時間が短くなれば対象です
- シフト制:実際の労働時間で週の平均を出して、短縮が確認できれば対象です
もらえない場合
- 早退や欠勤だけ:所定労働時間を短くせず、送迎などの早退や欠勤で賃金が下がっただけなら対象外です
- 週20時間未満:子が小学校に入るまでに週20時間以上に戻ることが就業規則などの書面で確認できないと、雇用保険の資格を失うので対象外です。口頭の約束では足りません
- 月の途中で退職:退職した月は対象外です。月の末日に退職した場合は、その月も対象です
- 育児休業の月:月の初日から末日まで続けて育児休業給付か介護休業給付を受けている月は対象外です
- 高年齢雇用継続給付:受給の対象になっている月は対象外です
- 賃金が支払われない月:その月に実際に支払われた賃金で計算します。その月を対象とした賃金でも、他の月に支払われた分は含みません。翌月払いの会社で、時短を始めた月に賃金の支払いがなければ、その月は支給されません。時短の前の額の賃金が支払われた月も、100%以上なら支給されません。勤務先に締日と支払日を確かめてください
- フレックスタイム制:清算期間の総労働時間を変えず、欠勤控除を受けるだけなら対象外です
いつからいつまでか
- 始まり:時短を始めた日の月からです。4月21日に復帰して時短を始めると、4月分から対象です
- 終わり:時短を終えた日の月までです。ただし、子が2歳に達する日の前日の月までです。2歳に達する日は誕生日の前日なので、2歳の誕生日の前々日の月が最後です
- 途中で終わる場合:産前産後休業、育児休業、介護休業を始めた場合や、別の子の時短を始めた場合は、そこで区切られます
- もう一度時短をする:回数の制限はありません。同じ子なら、支給を受けたい月の初日から4か月以内にハローワークへ出します
- 受給中の転職:週の時間が元の勤務先の時短の前より短ければ対象です。空白の期間に基本手当等の受給資格決定を受けていないことが必要です
- 2025年4月より前から時短の人:2025年4月1日を開始日とみなして条件を確かめます
| 2歳の誕生日 | 最後の支給対象月 |
|---|---|
| 4月15日 | 4月 |
| 4月3日 | 4月 |
| 4月2日 | 3月 |
| 4月1日 | 3月 |
申請のしかた
| 手続き | 内容 | 期限 |
|---|---|---|
| 賃金の届出 | 所定労働時間短縮開始時賃金証明書。育児休業から続けて時短を始めた人は不要 | 初回の申請まで |
| 受給資格の確認 | 受給資格確認票。母子健康手帳などの写しを添える(同じ子で育児休業給付を受けた人は不要) | 初回の申請まで |
| 初回の申請 | 賃金台帳、出勤簿などを添える | 最初の月の初日から4か月以内 |
| 2回目から | ハローワークが次の申請の期間を指定する | 次の月の初日から4か月以内の指定の期間 |
- 出す人:原則は勤務先です。本人が希望すれば自分で出せますが、賃金の届出は勤務先が行います
- 頻度:原則2か月ごとです。本人が希望すれば1か月ごとにできます
- 提出先:事業所の所在地を管轄するハローワークです。電子申請もできます
- 入金:支給決定から約1週間で振り込まれます。結果は支給決定通知書で分かります
- 例:7月10日に時短を始めると、初回の期限は10月31日です
社会保険料と税金
- 税金:育児休業等給付は非課税です
- 社会保険料:時短の間の、育児休業のような保険料の免除の案内は見当たりません。育児休業の終了後は、3歳未満の子を育てている人なら、復帰後3か月の報酬の平均で4か月目から標準報酬月額を改定できる場合があります。勤務先に申し出ます
- 将来の年金:子が3歳になるまでに標準報酬月額が下がったときは、申し出ると、下がる前の額で年金を計算する「みなし措置」があります。保険料は実際の標準報酬月額で計算します
給付金が終わった後の時短
給付金は子が2歳になる前に終わりますが、短時間勤務そのものが同時に終わるとは限りません。
- 3歳未満:事業主は、3歳に満たない子を育てる人に、1日の所定労働時間を原則6時間とする措置を含む短時間勤務制度を講じる必要があります。労使協定で対象外の人がいる場合や、代替の措置の場合もあります
- 3歳から小学校に入るまで:事業主は、5つの中から2つ以上の措置を講じる必要があります(2025年10月1日から)。短時間勤務が選ばれているとは限らないので、勤務先に確かめてください
出産と育児のほかの制度
産休の間の給付は出産手当金に、育休の間の給付は育児休業給付金に、出産の費用は出産育児一時金にまとめています。
時短を始める前に:勤務先と確認する
申請は、原則として勤務先がハローワークに行います。本人が希望すれば、自分で出すこともできます。
所定労働時間を短くする取り決めが必要です。早退や欠勤で賃金が下がっただけでは対象になりません。
勤務先の担当者に、次の3つを確認してください。
- 「今回の時短は、週の所定労働時間の短縮になりますか」
書面で確認できるようにしてください - 「週の所定労働時間は20時間以上ありますか」
20時間を下回ると、対象にならない場合があります - 「申請は会社がしますか。自分でしますか」
原則は2か月ごとの申請です
公式サイトで確認できます
申請先は、事業所の所在地を管轄するハローワークです。
出典
本ページの内容は、次の公表資料にもとづいています(2026年10月31日確認)。
- 厚生労働省「育児時短就業給付の内容と支給申請手続」(2026年8月1日時点版)・「Q&A~育児休業等給付~」(令和8年8月版)・「育児休業等給付について」
- 厚生労働省「柔軟な働き方を実現するための措置」・「短時間勤務等の措置」
- 日本年金機構「育児休業等終了時報酬月額変更届の提出」・「養育期間の従前標準報酬月額のみなし措置」
金額は毎年8月1日に変わります。対象になるかは、勤務先と、事業所を管轄するハローワークに確認してください。
制度の内容・金額・要件・期限は予告なく変更されることがあります。申請の前には必ず公式サイトで最新の情報をご確認ください。本サイトは民間の情報サイトであり、事務局ではありません。
