育児休業給付金の金額と条件を、厚生労働省のパンフレットとQ&Aで調べました(2026年10月31日確認)。
雇用保険の被保険者が、原則1歳未満の子を育てるために育児休業を取ると、休業前の賃金の67%が支給されます。育休の開始から181日目以降は50%です。男性も対象です。
| 内容(2026年10月31日確認) | |
|---|---|
| 対象 | 雇用保険の被保険者で、原則1歳未満の子を育てるために育児休業を取る人 |
| 額 | 休業開始時賃金日額×支給日数×67%(育休の開始から181日目以降は50%) |
| 上限(30日分) | 67%の期間は332,454円、50%の期間は248,100円(2027年7月31日まで) |
| 期間 | 原則、子の1歳の誕生日の前々日まで。保育所に入れないなどの場合は1歳6か月、2歳の前まで |
| 申請 | 原則として勤務先がハローワークへ、2か月に1回 |
| 入金 | 支給決定からおおむね1週間 |
| 税金 | 非課税 |
いくらもらえるか
厚生労働省のQ&Aが示す目安です。休業中に賃金が支払われない場合の1か月の額で、育休を始める前の6か月の平均の月額で見ます。
| 休業前の賃金(月額) | 180日目まで(67%) | 181日目以降(50%) |
|---|---|---|
| 15万円程度 | 10万円程度 | 7.5万円程度 |
| 20万円程度 | 13.4万円程度 | 10万円程度 |
| 30万円程度 | 20.1万円程度 | 15万円程度 |
- 休業前の賃金:原則として育休を始める前の6か月の総支給額を180で割った額(休業開始時賃金日額)で計算します。保険料などを引く前の額で、賞与は含めません
- 産休を取った人:原則として産前産後休業を始める前の6か月で見ます
- 上限:休業開始時賃金日額の上限は16,540円です。賃金が月496,200円を超えても、1か月の額は上の332,454円で止まります
- 下限:休業開始時賃金日額の下限は3,203円で、30日分は64,380円(67%)、48,045円(50%)です。賃金が支払われると、これを下回ることがあります
67%と50%の境目
境目は、出産からではなく育休の開始から数えます。
- 産後休業の後に育休を始める人:育児休業の開始日は、出産日から数えて58日目です。10月5日に出産した場合は12月1日が開始日で、翌年5月29日までが180日です
- 産後パパ育休を取った人:出生時育児休業給付金が支給された日数も180日に数えます。28日取ると、育児休業給付金の67%は残り152日です
両親で取ると13%の上乗せがある
子の出生の直後に両親とも14日以上の育休を取ると、出生後休業支援給付金として13%が最大28日分上乗せされます。合わせて80%で、社会保険料の免除や非課税を考えると手取り10割に相当すると説明されています。
- 手取り10割相当は最大28日分だけです。育休の全期間ではありません。賃金日額の上限があり、休業前の手取り額と必ず一致するわけではありません
- 額の例:休業開始時賃金日額が10,000円なら、36,400円です。上限は60,205円です
- 配偶者が育休を取らなくてよい場合:配偶者がいない、無業、自営業やフリーランス、産後休業中などは、本人が14日以上取れば対象になり得ます
- 取る時期:父親は子の出生からおよそ8週間、産後休業をした母親はおよそ16週間の間に、通算14日以上の休業が必要です
休業中に賃金が支払われた場合
賃金の額によって、育児休業給付金が減ります。基準は「休業開始時賃金日額×休業期間の日数」です。
| 支払われた賃金 | 育児休業給付金 |
|---|---|
| 基準の13%以下(181日目以降は30%以下) | 減らない |
| 13%(30%)を超えて80%未満 | 基準の80%から賃金を引いた額 |
| 80%以上 | 支給されない |
休業開始時賃金日額が10,000円で、30日の期間に賃金120,000円が支払われた場合は、240,000円−120,000円で120,000円です。
見るのは、その期間に支払日がある賃金です。ただし、育休の前の勤務に対する給与など、育休の期間を対象としない賃金は含めません。初回に限らず、どの期間でも同じです。
- 対象の期間が不明確な給与や手当:含めません
- 産後パパ育休の期間を対象とする賃金:育休の前に産後パパ育休を取った場合は、含めます
- 賞与など:臨時の賃金と、3か月を超える期間ごとに支払われる賃金は、申請書に書く賃金から除かれています
いつ振り込まれるか
申請は原則2か月に1回で、振り込みは支給決定からおおむね1週間です。2か月分の就業日数と賃金を書いて申請するので、育休を始めてすぐには入りません。
10月5日に出産した場合の例です。実際の時期は、勤務先の申請の日と審査で変わります。
| 産後休業の後に育休を始める人 | 出生日から育休を始める父親 | |
|---|---|---|
| 育休の開始 | 12月1日 | 10月5日 |
| 1つ目の期間 | 12月1日〜12月31日 | 10月5日〜11月4日 |
| 2つ目の期間 | 1月1日〜1月31日 | 11月5日〜12月4日 |
| 最初の2か月分の申請 | 2月以降 | 12月5日以降 |
- 産休から続けて休む人の最初の入金は、早くても2月です。出産からおよそ4か月は入らないと考えて家計を組んでください
- 産休の間:産後休業の8週間は育児休業給付金の対象外です。健康保険の人は出産手当金を確認してください
- 早く受け取りたい人:本人が希望すれば、1か月に1回の申請もできます。勤務先に相談してください
- 入金日の問い合わせ:厚生労働省、労働局、ハローワークは、個々の振込日を把握していません。支給決定通知書を確認してください。通知書がなければ、まず勤務先に申請の状況を聞きます
- 審査の状況:電話では答えてもらえません。事業所を管轄するハローワークに行って聞きます
対象になる条件
- 雇用保険:雇用保険の被保険者であること(一般被保険者と高年齢被保険者)
- 育児休業:原則1歳未満の子を育てるための休業で、本人が初日と末日を明らかにして申し出て、事業主が認めたもの
- これまでの就業:休業の開始日の前2年間に、賃金支払基礎日数が11日以上(ない場合は80時間以上)の完全月が12か月以上あること
- 休業中の就業:1か月ごとの期間で、就業が10日以下(10日を超える場合は80時間以下)であること。勤務先以外で働いた分も含みます
- 期間を定めて働く人:子が1歳6か月になるまでに、契約の期間が満了することが明らかでないこと(更新後の契約を含めて見ます)
上の2年間に、病気やけが、前の子の育児休業などで30日以上続けて賃金を受けられなかった期間がある場合は、その分を2年に足せます(合計で最長4年)。過去に基本手当の受給資格の決定を受けたことがある人は、それ以降の期間だけで見ます。
もらえない場合
- 雇用保険の被保険者でない人:自営業やフリーランス、専業主婦(夫)は対象外です。公務員(雇用保険の被保険者である場合を除く)は、育児休業手当金を勤務先の共済組合で確認してください
- 就業が多い期間:10日と80時間の両方を超えた期間は対象外です。育休を終える日を含む期間は、さらに丸1日休んだ日が1日以上必要です
- 賃金が基準の80%以上の期間:支給額は0円です
- 育休の初めから退職を予定している人:職場復帰が前提の給付なので対象外です
- 3回目の育休:分割は2回までで、3回目以降は原則対象外です。保育所に入れない場合などの例外があります
受給資格の確認の後に退職することになった場合は、退職日まで対象です。確認の時点で退職が予定されていた場合を除き、受け取った分を返す必要はありません。
第2子の産前休業が始まると、その前日で第1子の育児休業給付金は終わります(産前休業を取らない場合は出産日まで)。第2子の育休で、改めて条件を満たせば受給できます。
いつまでもらえるか
原則は、子の1歳の誕生日の前々日までです。1歳になる前に職場復帰すれば、復帰日の前日までです。
| 場合 | 支給の終わり |
|---|---|
| 原則 | 1歳の誕生日の前々日 |
| 両親とも育休を取り、「パパ・ママ育休プラス」の条件を満たす | 1歳2か月に達する日の前日まで(本人の育休は最大1年) |
| 保育所に入れないなどの延長 | 1歳6か月に達する日の前日まで |
| さらに延長 | 2歳に達する日の前日まで |
パパ・ママ育休プラスの1年には、母親は出産日と産後休業の期間を、父親は産後パパ育休の期間を含みます。育休の開始日が子の1歳に達する日の翌日以前で、配偶者の育休の初日以後であることなどが条件です。
保育所に入れないときの延長
2025年4月から、速やかな職場復帰のための申込みかどうかを、ハローワークが確認するようになりました。入所保留の通知があるだけでは延長できない場合があります。
- 先に申し込む:入所申込みの日付が、子が1歳に達する日までであること。申込みを忘れた場合や、市区町村の申込期限に間に合わなかった場合は延長できません
- 問い合わせだけでは不可:市区町村に問い合わせて入所が困難と言われ、申し込まなかった場合も延長できません
- 申込みの例外:子の病気や障害で申込みを受け付けてもらえない場合や、1歳に達する日の翌日を含む月の入所の募集がない市区町村では、認められる場合があります
- 入所希望日:原則として、子が1歳に達する日の翌日以前にします
- 通える施設を入れる:合理的な理由なく、自宅から片道30分以上かかる施設だけを申し込むと認められません。通勤経路の途中にある、30分未満の施設がないなどは合理的な理由になります
- 入所保留を積極的に希望しない:申込書で、入所を希望しない、入所保留や育休の延長を希望するといった意思を示すと認められません。一方、「保育所等に入所できない場合は育児休業の延長も許容できる」といった消極的な意思表示なら、認められる場合があります。選択肢の書き方が違うときは一概に言えないとされています
- 内定を辞退しない:やむを得ない理由のない内定辞退は認められません
- 無認可は対象外:対象の保育所等は認可保育所、認定こども園などで、いわゆる無認可保育施設は含みません
提出するのは、延長事由認定申告書、保育所等の利用申込書の写し、市区町村の入所保留通知書などです。申込書の写しは、申し込むときに必ず取っておいてください。電子申請なら、申込内容や画面を印刷します。
通知書は、発行日が子が1歳に達する日の翌日の2か月前(4月入所の申込みは3か月前)以後のものが必要です。入所保留の間に市区町村から新しい通知書が発行されない場合は、古い日付の通知書でも提出できます。子が1歳に達する日の翌日が保留の有効期限内にある、直近の通知書に限ります。延長事由認定申告書の理由欄に、その日に保育が実施されていないことを書きます。
1歳6か月の後に延長するときは、もう一度手続きをします。
配偶者の死亡、病気やけが、離婚などで別居した場合、産前産後の場合など、保育所のほかにも延長できる理由があります。夫婦で交代して取る場合も、1歳から1歳6か月、1歳6か月から2歳の各期間に、それぞれ1回まで対象になります。
申請のしかた
原則は勤務先が、事業所の所在地を管轄するハローワークに出します。電子申請もできます。やむを得ない場合や本人が希望する場合は、本人が出せます。
| 出すもの | 期限 | |
|---|---|---|
| 初回 | 休業開始時賃金月額証明書、受給資格確認票・(初回)支給申請書、賃金台帳や出勤簿など、母子健康手帳の写しなど | 育休の開始日から4か月を経過する日の属する月の末日(7月10日に開始なら11月30日) |
| 2回目以降 | ハローワークが交付する支給申請書、賃金台帳や出勤簿など | 「育児休業給付次回支給申請日指定通知書」に書かれた期間 |
| 延長 | 上の書類に加えて、延長の理由の書類 | 1歳に達する日の前の期間を、1歳に達する日以後に初めて申請するとき。または、1歳に達する日以後を含む期間を申請するとき |
- マイナンバー:受給資格確認票に記載します
- 口座:本人の口座に振り込まれます。公金受取口座も使えます
- 分割で取る2回目:受給資格の確認はいりませんが、初回用の申請書で出します
- 問い合わせ:育児休業等給付コールセンター 0570-200-406(平日8:30〜17:15)
社会保険料と税金
- 税金:育児休業等給付は非課税です
- 健康保険料と厚生年金保険料:育休の間は、本人と事業主の負担が免除されます。事業主が日本年金機構に申出書を出します
- 月の途中で終わる短い育休:開始した月から、終了日の翌日が属する月の前月までが免除です。同じ月の中で始まって終わる場合は、14日以上取れば免除です
- 賞与の保険料:賞与の月の末日を含んで連続1か月を超えて休んだ場合に免除されます
- 雇用保険料:勤務先から賃金が支払われた場合は負担があります
- 失業給付との関係:育児休業給付金を受けた期間は、基本手当の所定給付日数の算定基礎期間から除かれます
自営業やフリーランスなど国民年金の第1号被保険者は、2026年10月から、子が1歳になるまでの国民年金保険料が免除される育児免除制度が始まりました。子と親子関係があり、同じ住所に住む実父母・養父母が対象で、所得の要件はありません。
- 免除の期間:実父と養父母は最大12か月です。産前産後免除を受ける実母は、その期間に続く9か月間です
- 届出:実父、養父母、産前産後免除の届出が済んでいない実母は、手続きが必要です。産前産後免除を受けた実母は、日本年金機構で確認できれば届出はいらず、通知書が届きます
- 対象外:第3号被保険者(会社員や公務員に扶養されている配偶者)は対象ではありません
- 2026年9月までに生まれた子:2026年10月以降の月の分だけが免除の対象です
産後パパ育休の給付は別です
子の出生後8週間のうち、4週間(28日)までの産後パパ育休には、出生時育児休業給付金があります。額は67%で、2回まで分割できます。申請の時期が育児休業給付金と違い、原則として出生日から8週間を経過する日の翌日から申請でき、その日から2か月を経過する日の属する月の末日が期限です。
条件や休業中に働ける日数は出生時育児休業給付金にまとめています。
出産と育児のほかの制度
出産の費用は出産育児一時金に、産休の間の給付は出産手当金に、復帰して時短で働く場合は育児時短就業給付金にまとめています。
子どもが高校に進むときの授業料は高等学校等就学支援金にまとめています。
家族の介護で休むときは介護休業給付金をご覧ください。
育休を取る前に:勤務先と確認する
申請は、原則として勤務先がハローワークに行います。本人が希望すれば、自分で出すこともできます。
申請したかどうかは、勤務先に確認します。厚生労働省のQ&Aは、ハローワークでは申請状況を答えられないと案内しています。
勤務先の担当者に、次の4つを確認してください。
- 「申請は会社がしますか。自分でしますか」
原則は2か月ごとの申請です - 「最初の申請はいつごろになりますか」
最初の入金の目安になります - 「育休の期間を対象に支払われる賃金や手当はありますか」
支払われた額によって給付が減ることがあります - 「社会保険料の免除の手続きをしてもらえますか」
免除は事業主が申出書を出します
公式サイトで確認できます
申請先は、事業所の所在地を管轄するハローワークです。
出典
本ページの内容は、次の公表資料にもとづいています(2026年10月31日確認)。
- 厚生労働省「育児休業等給付の内容と支給申請手続」(2026年8月1日改訂版)・「Q&A~育児休業等給付~」(令和8年8月版)・「育児休業等給付について」・業務取扱要領「育児休業等給付関係」(R8.8)
- 厚生労働省「育児休業給付金の支給対象期間延長手続き」・リーフレット
- 日本年金機構「従業員(健康保険・厚生年金保険の被保険者)が育児休業等を取得・延長したときの手続き」・「国民年金保険料の育児免除制度」
上限額と下限額は毎年8月1日に変わります。対象になるかは、勤務先と、事業所を管轄するハローワークに確認してください。
制度の内容・金額・要件・期限は予告なく変更されることがあります。申請の前には必ず公式サイトで最新の情報をご確認ください。本サイトは民間の情報サイトであり、事務局ではありません。
