地中熱ヒートポンプの補助金2026|国のZEH加算90万円は新築だけ。東京都は3/5・上限180万円(既存の家も)、宮城・山形県と札幌・十日町・四日市など一部の市町村に

地中の熱を使って冷暖房や給湯をする地中熱ヒートポンプ。工事費が高いので、補助金を使いたい。国の補助は新築のZEHの加算(定額90万円)で、既存の家に後から付ける工事を明記した国の補助は見つかりませんでした。既存の家で使えるのは、東京都など一部の都県と市町村の補助です。

出しているところ主な補助ポイント
国(環境省)新築ZEHの加算 定額90万円新築だけ。単年度の締切は12月11日
都県東京都(3/5・上限180万円)、宮城県(1/5・上限50万円)、山形県(1/3・上限85万円)東京都はクローズドループだけ。新潟県は受付終了
市町村1/10・上限10万円〜定額30万円が多い。十日町市は1/3・上限80万円受付終了の所も。融雪を対象にする市町村もある

国:ZEHの加算90万円は新築だけ

環境省の戸建住宅のZEHの補助では、地中熱ヒートポンプ・システムを入れると「定額90万円/戸」が加算されます。方式は「クローズドループ・オープンループによらず一律」です。

  • 新築だけ:対象の住宅は「新築の専用住宅であること。」で、既存の家に地中熱を後から付ける工事には使えません
  • ZEHの補助への上乗せ:地中熱だけでは申請できず、ZEHの補助を受ける家への加算です。ZEHの補助は地域区分1〜3が55万円、4〜8が45万円(ZEH+は90万円・80万円)です。公募要領では、ZEH・ZEH+とも「選択要件」を1つ以上採用することが必須で(ZEH Orientedは不要)、地中熱は選択要件にならないので、選択要件は蓄電池など別の設備で満たす必要があります
  • 締切:単年度の事業は2026年12月11日17時まで、2年に分けて工事する複数年度の事業は2026年11月6日〜2027年1月8日です。10月16日時点の単年度の予算の残りは約8.8億円でした
  • 地中熱の設備の条件:熱源機は「暖房時COP3.7以上であること。」。地中にパイプを埋めるクローズドループは「採熱深度が30m以浅であること。」(垂直に埋める場合は熱交換器の総長が30m以上)、地下水を使うオープンループは「揚水深度が50m以浅であること。」などの条件があります
  • 着工は交付決定の後:「交付決定番号を得た後に補助対象工事(BELSの取得を含む)に着手すること。」

ZEHの補助の全体はZEH補助金2026にまとめています。

既存の家の国の補助(給湯省エネ2026・みらいエコ住宅2026のリフォーム・環境省のZEHリノベ)は、対象の設備に地中熱の記載がありません。経済産業省の既存住宅のZEH+改修は、空調の対象を「ルームエアコンディショナー等の暖房・冷房設備」としていて、地中熱は明記されていません。使えるかは事務局(SII)に確かめてください。

都県の補助(2026年10月20日確認)

都県額主な条件・受付状況
東京都新設:機器費・工事費の3/5、上限180万円(戸建は1台まで)
更新:1/2、上限27.5万円
既存の家も新築も対象。「クローズドループ型で地中に埋設した地中熱交換器を使用するものであること。」、暖房時のCOPが3.7以上。「申請者は助成対象の契約締結(購入、設置、保険加入)を行う前に、事前申込を行ってください。」。事前申込は2027年3月31日まで。受付中。2026年度の事前申込の分から、実績報告のときに「金融機関発行の証明書等」の提出が必須で、「現金の手渡しによる支払いは、支払元・支払先・金額・日付の客観的な確認が困難であるため、助成対象外となります。」
宮城県補助対象経費の1/5、上限50万円自ら住む住宅に設置。工事が終わった後に申し込む形です。三次募集は2026年11月24日〜12月4日で、10月1日〜11月30日に工事が終わったものが対象。ほかの設備は予算を超えると抽選ですが、地中熱は「抽選を経ず、優先的に審査対象となります。」
山形県空調:1/3、上限85万円
家庭の融雪:1/3、上限42万円
交付決定の後に工事。11月30日必着・先着順。9月7日更新の募集想定件数は「地中熱利用装置(空調装置 1件・融雪装置 30件)」で、空調は枠がほとんどない可能性があります。申し込む前に県に確かめてください
新潟県2/3、上限150万円(雪国型ZEH等導入促進補助金)受付終了:「申請件数が予定件数に達したため、全ての組合せについて申請受付を終了しました。」(9月11日)
長野県新築の助成金に地中熱の加算10万円信州健康ゼロエネ住宅助成金(新築タイプ)。申請するのは建築主ではなく事業者。第2期は11月2日から。国・県などの補助とは併用できません

福島県・滋賀県は、県の個人向けの補助の対象に地中熱が入っていないことを確かめました。ほかの道府県は、業界団体(地中熱利用促進協会)の2026年度の一覧では、個人の住宅に使える県の補助は見当たりませんでした(県の制度は事業者向けや融資が中心)。すべての県の公式ページを確かめたわけではありません。

国のZEHの加算と、新潟県・長野県の補助は、同じ設備に重ねて受けられません。東京都の助成は、国や区市町村の補助と合わせて受けられますが、合計が費用を超えない範囲です。

市町村の補助(東日本、2026年10月20日確認)

市町村額主な条件・受付状況
札幌市定額20万円冷暖房・給湯。「※住宅の冷暖房や給湯ではなくロードヒーティングとして導入する場合は補助対象外」。2026年2月7日以降に設置が終わったものが対象で、設置後の応募もできます。第2回は11月4日まで(予算を超えると抽選)
当別町(北海道)2/3以内(上限は「要相談」)交付決定の後に契約。11月30日まで。寒冷地エアコン・エコキュートは受付終了、地中熱は受付中(9月15日更新)。国の補助とは併用できません
浜中町(北海道)1/10、上限10万円町内の建設業者などの施工。着手前に申請、12月28日まで。予算は10万円(1件分)
旭川市1/10、上限10万円融雪も対象。第2回は10月19日必着で締め切り
一関市(岩手)1/10以内、上限30万円(ヒートポンプ)市内の業者。契約の後・着工の前に申請、12月28日まで。10月2日時点で予算の65%が申請済み。目的が同じ他の補助とは併用しない
鶴岡市(山形)1/10、上限10万円市内業者との契約。着工済みは対象外。2027年2月26日まで。山形県の補助と併用できます
高畠町(山形)1/10、上限10万円空調・融雪。2027年2月26日まで、先着順
十日町市(新潟)1/3、上限80万円冷暖房・給湯・融雪。地下水を採らないか、採った後に地中に戻すもの。交付決定の後に着手。先着順(終了の掲示はなし)
松本市(長野)定額20万円(太陽熱と合わせて上限20万円)空調・給湯。新築・既存とも。市内に本店・営業所などがある事業者。工事が終わってから180日以内に申請。2027年3月31日まで
熊谷市(埼玉)5%、上限10万円「必ず設置後に申請してください。」。2027年3月31日まで。補助金は地域の電子マネーで交付
横手市(秋田)・山形市—今年度の受付終了(横手市は予算に達して終了、山形市は第2弾で終了)

東京23区・多摩の市、静岡県内では、地中熱を対象にした補助は見つかりませんでした。新潟市・長岡市は、補助の対象に地中熱が入っていません。

市町村の補助(西日本、2026年10月20日確認)

市町村額主な条件・受付状況
四日市市(三重)定額30万円未着工で申請し、交付決定の後に着工。年度内に工事が終わる分の予算は、10月16日時点で残り6%。2027年度に工事が終わる分の枠は残り64%
大垣市(岐阜)1/2以内、個人は上限120万円地下水(井戸水)の熱を使う方式だけ。個人の募集は1件で、10月16日時点で残り1件。原則、工事の着手の前(契約の前)に申請、12月25日まで。工期が年度をまたぐなど、市がやむを得ないと認めた場合は着手の後の申請もできます(事前に市に相談)。国・県の補助とは併用できません
津和野町(島根)1/3以内、上限20万円太陽熱などの設備の枠に「地熱・地中熱」が入っています。着工の前に、12月末までに申請
糸島市(福岡)1基25万円今年度の募集は終了(10月15日更新)

岐阜市の地中熱ヒートポンプの補助は、2019年度で終わっています。名古屋市・富山市・金沢市・熊本市などは、今年度の個人向けの補助の対象に地中熱が入っていません。西日本では、融雪の地中熱を対象と明記した市町村の補助は見つかりませんでした。

すべての市区町村を調べたわけではありません。県に補助がなくても市町村にあることがある(岐阜県の大垣市など)ので、お住まいの市区町村の環境・エネルギーの担当のページで確かめてください。

補助を使う前に知っておきたいこと

  • 方式で対象が分かれる:東京都はクローズドループだけ、大垣市は地下水を使う方式だけ。国のZEHの加算はどちらも対象ですが、深さの条件があります
  • 融雪は対象とは限らない:旭川市・十日町市・高畠町・山形県は融雪も対象ですが、札幌市はロードヒーティングを対象外にしています
  • 申請の順番:国・東京都・十日町市・四日市市などは契約・着工の前。山形県は、交付申請のときに工事請負契約書の写しを付けるので、契約の後・着工の前に申請します。宮城県・松本市・熊谷市は工事の後に申請します
  • 市内の業者:旭川市・一関市・鶴岡市・松本市・浜中町などは、市(町)内の業者の施工が条件です
  • 併用:当別町・一関市・大垣市などは国の補助と併用できません。鶴岡市は山形県の補助と、松本市は国・県の補助と併用できます

地中熱ヒートポンプとは

環境省のガイドラインは、地中熱利用を「地中を熱源として空調・給湯・融雪等に利用すること」と説明しています。地中の温度は1年を通して変化が小さいので、夏は外より冷たく、冬は暖かい地中の熱をヒートポンプで使います。

  • クローズドループ:地中に埋めた熱交換器(パイプ)に水や不凍液を回す方式。地下水を採らないので、多くの場所で使えます
  • オープンループ:地下水をくみ上げて熱を取り出す方式。工業用水法・ビル用水法や自治体の条例で、地下水のくみ上げが規制されている地域があります。地域の規制を自治体に確かめてください
  • 省エネ:環境省の過去の補助事業のデータでは、エネルギー消費量が空気熱源ヒートポンプ(エアコンなど)より23〜36%少ないとされています
  • 費用:掘削の費用が初期費用の大きな部分を占めます。環境省のガイドラインの事例では、クローズドループで出力1kWあたり概ね25万〜60万円です(主に業務用の事例で、戸建ての総額の目安ではありません)
  • 戸建ての例:ガイドラインには、深さ100mの地中熱交換器1本で木造2階建ての全館冷暖房をしている例があります。ただし国のZEHの加算は、クローズドループの採熱深度が30m以浅であることが条件なので、こうした深い工事がそのまま加算の対象になるわけではありません
  • 設置は少ない:国内の設置は年間約100件程度で、施設別では戸建住宅が最も多く、地域では北海道が多いとされています

太陽の熱を給湯や暖房に使う設備の補助は太陽熱温水器の補助金にまとめています。

申請の前に確認すること

  1. 新築か既存か:国のZEHの加算は新築だけ。既存の家なら都県・市町村の補助を探す
  2. 補助があるか:お住まいの都県・市町村に地中熱を対象にした補助があり、今年度の受付中か
  3. 方式・用途:クローズドループかオープンループか、冷暖房・給湯・融雪のどれに使うか
  4. 申請の順番:契約・着工の前か、工事の後か(期限)
  5. 業者の条件:市内(町内)の業者でないといけないか
  6. 併用:国・県・市町村の補助を重ねて受けられるか

見積もりの前に:方式(クローズドループかオープンループか)と、申請の順番を確認する

地中熱の補助は、方式で対象かどうかが分かれることがあります。東京都はクローズドループ(地中に埋めたパイプに水や不凍液を回す方式)だけ、大垣市は地下水(井戸水)を使う方式だけが対象です。

契約・工事の前に申請が必要な補助が多く、設置した後に申請する市もあります。市町村の補助は、市内(町内)の業者の施工を条件にしていることも多いので、業者を決める前に確かめてください。

見積もりを依頼したら、各社に次の3つを聞いてください。

  • 「この工事はクローズドループですか、オープンループですか」
    補助によって、対象の方式が決まっています
  • 「補助の申請は、契約・着工の前に出せますか。手続きを代わりにしてもらえますか」
    先に契約・着工すると対象外になる補助が多くあります
  • 「市内(町内)に本店や営業所がありますか」
    市内の業者の施工を条件にする市町村があります

公式サイトで確認できます

環境省「地中熱利用にあたってのガイドライン」

地中熱の仕組みや、地下水を使う場合の規制は、環境省のガイドラインで確認できます。

補助が使えるかと、工事の良しあしは別の話です。掘る深さ・本数、冷暖房と給湯のどちらに使うか、地下水を使うかを見積もりで確かめてください。

業者の探し方

このページでは、特定の施工業者を紹介していません。地中熱の工事は、掘削とヒートポンプの設置ができる業者に限られます。補助の条件(市内の業者など)を確かめてから相談してください。

出典

本ページの内容は、次の公表資料にもとづいています(2026年10月20日確認)。

制度の内容と受付状況は変わります。申請の前に、必ず都県・市町村の窓口と公式サイトで確認してください。

制度の内容・金額・要件・期限は予告なく変更されることがあります。申請の前には必ず公式サイトで最新の情報をご確認ください。本サイトは民間の情報サイトであり、事務局ではありません。

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