ZEH補助金2026|45万〜90万円の条件と、着工していいタイミング

ZEH補助金は、新築の戸建住宅をZEH(ネット・ゼロ・エネルギー・ハウス)にする人向けの環境省の補助金です。正式な事業名は令和8年度二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(戸建住宅・集合住宅のZEH化・省CO2化促進事業)、略称は令和8年度 ZEH支援事業。一般社団法人 環境共創イニシアチブ(SII)が執行しています。

名前が似ていますが、住宅省エネ2026キャンペーンの4事業とは別の事業で、申請先も締切も違います。キャンペーンの新築向け補助金であるみらいエコ住宅2026事業とは併用できません(後述)。

単年度事業の公募は2026年5月21日(木)10時に始まり、12月11日(金)17時までです。2026年9月22日時点で受付中です。

まず押さえておくこと

  • 補助額は定額です。建物の規模によらず、ZEHの種別と地域区分だけで決まります
  • SIIに登録されたZEHビルダー/プランナーが関与する住宅であることが必須です
  • 交付決定番号を得た後でないと着手できません(基礎工事の先行を除く)。BELSの取得も「着手」に含まれます
  • みらいエコ住宅2026事業とは併用できません。どちらかを選びます
  • 別荘・セカンドハウスは対象外です。申請者が常時居住することが条件です
  • 土砂災害特別警戒区域などに立地する住宅は原則対象外です

いくらもらえるか

地域区分は、建築物省エネ法にもとづいて全国を1〜8に分けた区分です。おおまかには北にいくほど番号が小さく、どの区分に当たるかは建てる場所で決まります。

住宅の種別地域区分1〜3地域区分4地域区分5〜8
ZEH定額55万円/戸定額45万円/戸定額45万円/戸
ZEH+定額90万円/戸定額90万円/戸定額80万円/戸

ZEHとZEH+では、地域区分の区切りが違います。ZEHは地域区分1〜3が55万円、4〜8が45万円です。ZEH+は地域区分1〜4が90万円、5〜8が80万円です。地域区分4の場合、ZEHは45万円、ZEH+は90万円になります。

公募要領には、「交付要件を満たす場合に限り、Nearly ZEH及びZEH OrientedはZEHと同額の補助金とします」「交付要件を満たす場合に限り、Nearly ZEH+はZEH+と同額の補助金とします」と書かれています。対象地域でNearly ZEHの要件を満たした場合も、ZEHと同額です。

ただし、どちらも選べる地域が限られています。公募要領の条件はこうです。

  • Nearly ZEH:寒冷地(地域区分1または2)、低日射地域(日射区分A1またはA2)、または多雪地域(垂直積雪量100cm以上)に該当する場合
  • ZEH Oriented:都市部狭小地等(北側斜線制限の対象となる用途地域等で、敷地面積85㎡未満。平屋建ては除く)、または多雪地域(垂直積雪量100cm以上)に該当する場合

それ以外の地域では、『ZEH』の要件を満たさないと補助対象になりません。自分の土地がどれに当たるかは、ZEHビルダー/プランナーに確認してください。

設備を足すと加算されます

追加する設備等加算される額
蓄電システム次の3つのうち最も低い額
①初期実効容量1kWhあたり2万円
②蓄電システムの補助対象経費の1/3
③上限20万円/戸
直交集成板(CLT)定額90万円/戸
地中熱ヒートポンプ・システム定額90万円/戸
PVTシステム
太陽光パネルと太陽熱集熱器が一体のもの
液体集熱式:5㎡以上8㎡未満 65万円/戸、8㎡以上 80万円/戸
空気集熱式:22㎡以上 90万円/戸
太陽熱利用システム液体集熱式:4㎡以上6㎡未満 12万円/戸、6㎡以上 15万円/戸
空気集熱式:12㎡以上 定額60万円/戸
昼間に沸き上げをシフトする機能を持つ給湯機定額2万円/戸
EVの充電設備または充放電設備補助対象経費の1/3または上限10万円/戸のうち低い額
複数導入してもいずれか1つの設備だけ
高度エネルギーマネジメント定額2万円/戸

CLTと地中熱ヒートポンプは1つで90万円と大きいのですが、この2つは「選択要件」には適用されません。

既存の住宅に蓄電池を付ける場合の補助(東京都・県の補助など)は蓄電池の補助金にまとめています。国のV2H補助(経済産業省)は2026年8月27日に受付を終えています。V2Hの補助はV2Hの補助金、今ある家に付ける太陽光の補助は太陽光発電の補助金にまとめています。

予算は約23億円、想定は約2,700件

内容
事業規模約23億円
想定採択件数(単年度事業)約2,700件
ZEH・ZEH+を区分せずに公募
想定採択件数(複数年度事業)約300件
同上

この件数は個人申請と法人申請の合計です。公募要領には「上記の想定採択件数は事業規模に鑑みた件数です。申請状況により変動します」と注記されています。

予算に達した日は「抽選」になります

受付のしかたが、住宅省エネ2026キャンペーンの各事業とは違います。公募要領の記述はこうです。

  • 「公募期間を定め、先着順に受付けます」
  • 「公募期間中に申請金額の合計が予算に達した際は、その当該日(17時締切)に届いた不備・不足のない申請を対象として抽選を行い、受付対象を決定します」
  • 「申請金額の合計が予算に達した日の17時より後はポータル申請ができなくなります」
  • 「SIIでは、申請状況をみて必要に応じて受付可能な補助金の残額をZEH Webで公表します。申請の目安としてください」

基本は先着ですが、予算が尽きる当日に出した申請だけは抽選になります。同じ日に届いたものを早い者順で切らず、くじで決めるという意味です。

また申請の受付は平日(月〜金)のみで、毎日17時に締め、それ以降の申請は翌日申請として扱われます。

残額の公表は「必要に応じて」です。常に出ているわけではないので、気づいたときには締まっていることがあります。

併用できる補助金と、できない補助金

公募要領には「国庫補助の参考事例」として、併用の可否が表で示されています。

補助事業設備併用
給湯省エネ2026事業燃料電池(エネファーム)可
給湯省エネ2026事業電気ヒートポンプ給湯機
エコキュート・おひさまエコキュート
不可
給湯省エネ2026事業電気ヒートポンプ・ガス瞬間式併用型給湯機
ハイブリッド給湯機
不可
みらいエコ住宅2026事業
Me住宅2026
—不可
クリーンエネルギー自動車の普及促進に向けた
充電・充てん設備等導入促進補助金
EV充電設備または充放電設備不可

みらいエコ住宅2026事業と併用できないのが、いちばん効きます。みらいエコ住宅2026のGX志向型住宅は125万円または110万円、ZEH支援事業のZEH+は90万円または80万円。両制度は併用できません。みらいエコ住宅の金額はみらいエコ住宅2026事業(新築)にまとめました。

ZEH支援事業を使う住宅では、エコキュートやハイブリッド給湯機に給湯省エネ2026事業の補助は受けられません。表のとおり、併用できるのはエネファームだけです。

公募要領には、ルールとしてこう書かれています。

  • 「他の補助金との併用は、国庫を財源とする補助金のうち、本事業の補助金の補助対象が重複する場合は認められません」
  • 「他の補助事業に申請している又は申請する予定の場合は、その補助事業名及び補助対象設備等について、申請時に必ずZEHポータルに入力してください」

着工していいのは、交付決定番号を得た後

ここは特に注意が必要です。補助対象住宅の要件に、こう書かれています。

  • 「交付決定通知を受領し、交付決定番号を得た後に補助事業に着手する住宅であること」(※補助事業にはBELSの取得も含まれるので注意、との注記つき)

例外は基礎工事だけです。公募要領には「補助対象となる断熱工事の交付決定前着手は認められません」「基礎工事以外の工事項目の事前着手はできません」とあり、基礎工事を先行する場合は基礎配筋検査合格証などの追加書類が必要になります。

新築建売戸建住宅の場合は、「交付決定通知を受領し、交付決定番号を得た後に補助対象住宅の売買契約を行ってください」とされています。売買契約そのものが交付決定待ちです。

「事前着手及び改ざん等の不正行為等が認められた場合は、交付決定の取消しと罰則の対象となります」とも明記されています。

対象になる人と住宅

申請できる人

  • 新築注文戸建住宅の建築主となる個人
  • 新築建売戸建住宅の購入予定者となる個人(ただし複数年度事業では建売の購入予定者は対象外)

建売住宅を買う場合のみらいエコ住宅2026事業の扱いは新築分譲住宅を買うときの補助金にまとめました。どちらか一方しか使えないので、比べてから決めてください。

1つの住宅に対して1件の申請のみです。同一人が複数の申請をすることはできず、複数の申請があった場合はすべて取下げになります。なお、不採択になった物件を要件に適合した内容で再度申請することは可能です。

申請者には財産処分制限期間(6年)中、本事業の目的に沿って適正に管理・運用することが求められます。

対象になる住宅

  • SIIに登録されたZEHビルダー/プランナーが関与(建築、設計または販売)する住宅であること。かつ、そのZEHビルダー/プランナーが「ZEHビルダー/プランナー継続登録」を行っていること
  • 申請者が常時居住する住宅であること。事業完了後すみやかに居住し、完了実績報告の提出日までに居住していない場合は原則として補助金を交付できません。別荘、セカンドハウス等は対象外です
  • 新築の専用住宅であること。ただし一部に店舗等の非居住部分があり、住居部分のみでBELSを取得して交付要件を満たしていれば申請できます
  • 賃貸住宅・集合住宅ではないこと。ただし自分が所有する新築の賃貸・集合住宅の一部に自分が住み、その住戸が交付要件を満たす場合は、自宅部分について申請できます
  • 申請単位はBELSの住戸評価に係る評価書1件につき1申請

立地で落ちることがあります

この事業には、他の住宅補助金にはあまりない条件があります。次のいずれかに該当する住宅(申請敷地内を含む)は原則対象外です。

  • 土砂災害特別警戒区域に立地する住宅
  • 急傾斜地崩壊危険区域に立地する住宅
  • 地すべり防止区域に立地する住宅
  • 市街化調整区域であって土砂災害警戒区域または浸水想定区域に立地する住宅
  • 市街化調整区域以外の区域かつ災害危険区域であって、土砂災害警戒区域または浸水想定区域に立地する住宅
  • 都市再生特別措置法にもとづく市町村長の勧告に従わなかった旨が公表された住宅

土地を決める前に確認しておきたい条件です。ここでいう浸水想定区域は、浸水想定高さ3m以上の区域に限られます。

デコ活宣言とJ-クレジットの意思表明も要件です

  • 政府が推進する国民運動「デコ活」の趣旨に賛同し、「デコ活宣言」または「デコ活応援団への参画」のどちらか(または両方)を行っていること
  • 本事業で得られる温室効果ガス排出削減効果のJ-クレジット化(自己負担見合い分のみ)について、実施に関する意思表明を行うこと

どちらも手続き自体は重くありませんが、やっていないと要件を満たさないので忘れないでください。

スケジュール

単年度事業複数年度事業(1年目)
公募開始2026年5月21日(木)10:002026年11月6日(金)10:00
公募締切2026年12月11日(金)17:002027年1月8日(金)17:00
最終交付決定2026年12月23日(水)2027年1月20日(水)
中間報告の締切BELSの取得日から3週間以内—
中間報告の最終提出期限2027年1月6日(水)17:00—
最終事業完了日2027年1月15日(金)2027年1月29日(金)
完了実績報告の締切事業完了日から15日以内事業完了日から15日以内
完了実績報告の最終提出期限2027年1月22日(金)17:002027年2月5日(金)17:00

個人申請で新築建売戸建住宅の場合、中間報告は売買契約を行った日付から3週間以内です。また中間報告の審査が完了するまでは完了実績報告を行えません。

申請にはZEHポータルのアカウントが必要です。アカウントの新規発行依頼の受付期間は2026年4月20日(月)〜2027年1月4日(月)17:00締切とされています。令和7年度以前にアカウントを取得している場合は、同じアカウントを継続して使います。

12月11日は「申請の締切」であって、そこから着工するための締切ではありません。最終事業完了日は2027年1月15日です。12月に申請して交付決定を待ってから着工し、1月15日までに完了させるのは現実的ではありません。逆算して動く必要があります。

複数年度事業(2か年)という選び方

工期が年度をまたぐ場合は、2か年の複数年度事業があります。金額の合計は単年度と同じです。

年度補助対象ZEHZEH+
1年目BELS取得に係る費用定額5万円/戸定額5万円/戸
2年目高性能断熱外皮(断熱材、窓)に係る費用
高性能設備に係る費用
定額50万円/戸(地域1〜3)
定額40万円/戸(地域4〜8)
定額85万円/戸(地域1〜4)
定額75万円/戸(地域5〜8)

1年目のみ、または2年目のみの申請は受付けられません。また2年目の補助金額は1年目の交付決定時に定めた申請予定額を超えられず、2年目に事業を継続しない場合は1年目に交付した補助金の返還を求められます。

受け取ったあとにやること

  • 補助金受領後、2年間のアンケート回答が補助事業の要件です
  • 財産処分制限期間は6年です。その間に売却・譲渡・貸付・解体などを行う場合は、事前にSIIへ「財産処分承認申請書」を提出し、承認を受ける必要があります。6年は、補助対象住宅の引渡しを受けた日から数えます
  • 申請書類やSII発行文書、経理に係る帳簿と証拠書類は、補助事業完了の日の属する年度の終了後6年間保存すること

公募要領には、財産処分について次のことも書かれています。

  • 承認を受けた場合でも、補助金の返還が発生する場合があります。その場合の返金額は、補助対象経費の残存簿価(定額法で計算)に当たる補助金相当額です
  • 承認を受けずに処分した場合は、交付決定を取り消され、加算金(年利10.95%)とともに補助金全額の返還を求められることがあります

6年以内に住み替えや建て替えの可能性があるなら、申請の前にこの条件を頭に入れておいてください。

目的から探す

見積もりを取る前に:ZEHビルダー/プランナーが関わるかを確認する

ZEH支援事業は、SIIに登録されたZEHビルダー/プランナーが関与(建築、設計または販売)する住宅でないと使えません。関わり方は建築・設計・販売のいずれかでよく、工事をする会社そのものが登録している必要があるとは限りません。ただし、どの段階にも登録ZEHビルダー/プランナーが関わっていなければ、住宅の性能が要件を満たしていても補助を受けられません。

登録していれば足りる、ではありません。公募要領は、ZEHビルダー/プランナー登録(フェーズ3)において「ZEHビルダー/プランナー継続登録」を行っていることを条件にしています。継続登録まで済んでいるかを聞いてください。

見積もりを依頼したら、各社に次の3つを聞いてください。

  • 「建築・設計・販売のどこかで、登録ZEHビルダー/プランナーが関わりますか。登録番号は何番ですか」
    公募要領は「ZEHビルダー/プランナーの登録番号を有するもの」を要件にしています。設計事務所など別の会社が登録している場合は、その会社の名前と番号を確認してください
  • 「今回の計画は、補助の要件を満たしますか」
    住宅の種別・地域区分・必要な性能で、補助額が変わります
  • 「交付決定番号が出るまで、基礎工事以外の工事を待てますか」
    BELSの取得も交付決定の後です。交付決定の前に発注などを済ませた事業は、補助の対象になりません

公式サイトで確認できます

ZEHビルダー/プランナー一覧検索(ZEH Web)

対応する都道府県や取り扱う住宅の種別から検索できます。継続登録まで済んでいるかは、会社に確認してください。

一覧では、各社のZEH普及目標やZEH建築実績も公表されています。登録ZEHビルダー/プランナーが関わることは補助を受ける条件の1つです。工事の内容や価格は、見積もりで別に比べてください。

業者の探し方

このページでは、特定の事業者・見積もりサービスを紹介していません。上の公式検索から探すか、地域の施工業者に直接問い合わせてください。

一括見積サイトを使う場合も、紹介される業者がZEHビルダー/プランナーとは限りません。紹介を受けたら、各社に上の3つを確認してください。

出典

本ページの内容は、ZEH補助金 新築戸建ZEH(ZEH Web)および一般公募のページで公開されている「令和8年度 ZEH支援事業 公募要領<個人申請編>」にもとづいています(2026年9月22日確認)。執行団体は一般社団法人 環境共創イニシアチブ(SII)です。

制度の内容・金額・要件・期限は予告なく変更されることがあります。申請の前には必ず公式サイトで最新の情報をご確認ください。本サイトは民間の情報サイトであり、事務局ではありません。

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