高年齢雇用継続給付の条件と金額を、ハローワークの案内(2026年8月版)と業務取扱要領、日本年金機構の案内で調べました(2026年11月3日確認)。
60歳以後も働き続けて、賃金が60歳時点の75%未満に下がった60〜64歳の人に、雇用保険から出る給付です。失業保険を受けた後に再就職した人は、基本手当の算定の基礎となった賃金と比べます。2025年4月1日以降に60歳になった人は、上限が賃金の10%です。それより前に60歳になった人は、15%のままです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 対象 | 60歳以上65歳未満の雇用保険の一般被保険者で、被保険者であった期間が5年以上 |
| 条件 | 60歳以後の各月の賃金が、基本給付金は原則として60歳到達時等の賃金月額の、再就職給付金は基本手当の算定の基礎となった賃金日額の30日分の75%未満 |
| 支給額 | 賃金が64%以下なら、その月の賃金の10%。64%を超えて75%未満なら10%より少ない額 |
| 支給の上限 | 賃金と給付の合計が39万7,369円まで。賃金が39万7,369円以上の月は支給なし |
| 支給の下限 | 計算した額が2,562円以下なら支給なし |
| 期間 | 60歳に達した月から65歳に達する月まで |
| 申請 | 原則として会社が2か月に1回。初回は支給対象月の初日から4か月以内 |
上限・下限などの額は、2027年7月31日までの額で、毎年8月1日に改定されます。
2つの給付金
| 給付金 | 対象 | 期間 |
|---|---|---|
| 高年齢雇用継続基本給付金 | 失業保険(基本手当)を受けずに働き続ける人 | 60歳に達した月から65歳に達する月まで |
| 高年齢再就職給付金 | 基本手当を受けた後、60歳以後に、1年を超えて引き続き雇用されることが確実と認められる安定した職業に就いて被保険者になった人。再就職の前日の支給残日数が100日以上で、その就職で再就職手当を受けていないこと | 残日数200日以上なら2年、100日以上なら1年(65歳に達する月まで) |
- 被保険者であった期間:原則として雇用保険の加入期間を通算します。離職から次の加入までが1年以内で、その間に失業保険などを受けていないことが条件です。育児休業給付金・出生時育児休業給付金を受けた休業の期間と、教育訓練休暇給付金を受けた人の休暇開始前の期間と休暇の期間は除きます
- 基本手当を受けた人:基本給付金は、受けた後の期間だけを数えます
- 60歳時点で5年に足りない人:5年を満たした日から対象になり、そのときの賃金と比べます
- 各月の条件:その月の初日から末日まで被保険者であることが必要です
支給率が変わった(2025年4月)
| 60歳に達した日 | 賃金の低下率 | 支給率 |
|---|---|---|
| 2025年4月1日以降 | 64%以下 | 10% |
| 64%を超えて75%未満 | 10%から0%の間 | |
| 2025年3月31日以前 | 61%以下 | 15% |
| 61%を超えて75%未満 | 15%から0%の間 |
60歳時点で被保険者であった期間が5年に足りなかった人は、5年を満たした日で判断します。再就職給付金は、2025年3月31日より前に再就職した人が15%です。
計算のしかた
- 賃金月額:基本給付金は、原則として60歳に達する前の6か月の平均の賃金です。上限は52万2,000円、下限は9万6,090円です。再就職給付金は、基本手当の算定の基礎となった賃金日額の30日分です
- 低下率:その月に支払われた賃金 ÷ 賃金月額 × 100
- 64%を超えて75%未満のとき:支給率=(−64×低下率+4,800)÷110×100÷低下率。低下率と支給率は小数点以下第3位を四捨五入し、支給額は1円未満を切り捨てます
賃金月額30万円の人の例
| 60歳以後の月の賃金 | 低下率 | 支給額 |
|---|---|---|
| 26万円 | 86.67% | 支給されない(75%未満でない) |
| 20万円 | 66.67% | 1万4,540円(支給率7.27%) |
| 18万円 | 60% | 1万8,000円(10%) |
| 8千円 | 2.67% | 800円になるが、2,562円以下なので支給されない |
支給率の早見表(2025年4月1日以降に60歳)
| 低下率 | 支給率 | 低下率 | 支給率 |
|---|---|---|---|
| 75%以上 | 0% | 69.5% | 4.60% |
| 74% | 0.79% | 69% | 5.06% |
| 73% | 1.59% | 68% | 5.99% |
| 72% | 2.42% | 67% | 6.95% |
| 71% | 3.28% | 66% | 7.93% |
| 70% | 4.16% | 65% | 8.95% |
| 64%以下 | 10% |
支給額は、その月の賃金に支給率をかけた額です。
欠勤などで賃金が減ったとき(みなし賃金)
病気やけがの欠勤、遅刻・早退、事業所の休業、妊娠・出産・育児・介護の欠勤、懲戒による減額で賃金が減った場合は、減った分も支払われたものとみなして低下率を計算します。たとえば賃金月額30万円で、実際の賃金18万円・欠勤の減額3万円なら、みなし賃金21万円で低下率70%、支給率4.16%になり、支給額は18万円×4.16%の7,488円です。
年金の一部が止まる
厚生年金に入って特別支給の老齢厚生年金など65歳前の老齢年金を受けている人が、この給付を受けると、在職による停止に加えて年金の一部が止まります。
- 止まる額:最高で標準報酬月額の4%です(2025年3月31日以前に60歳になった人などは6%)
- 標準報酬月額が60歳時点の64%以下:標準報酬月額の4%が止まります
- 64%を超えて75%未満:4%から徐々に下がる率です
- 75%以上か、支給限度額以上:調整はありません
- 注意:初回の申請が認められると、その後に申請しなかった月も、申請できる期間中は年金の一部停止が解除されません
65歳前の老齢年金を受けていない人は、この調整はありません。年金の手続きは、年金事務所に確認してください。
ほかの給付との関係
- 再就職手当とはどちらか一方:同じ就職について、高年齢再就職給付金を受けると再就職手当は受けられず、逆も同じです。慎重に選んでください
- 再就職手当が不支給だった場合:高年齢再就職給付金の要件を満たしていれば申請できます
- 育児休業・介護休業・教育訓練休暇の月:月の初日から末日まで、育児休業給付金や介護休業給付の対象の休業か、教育訓練休暇給付金の対象の休暇を取っていた月は、支給されません
- 育児時短就業給付金:高年齢雇用継続給付を受けた月は、育児時短就業給付金の対象の月になりません
再就職手当は再就職手当に、失業保険は失業保険にまとめています。
申請のしかた
- 申請する人:原則として会社です。本人が希望すれば本人でもできます
- 提出先:勤務先の所在地を管轄するハローワークです。電子申請もできます
- 初回:受給資格確認票・(初回)支給申請書に、60歳到達時等賃金証明書、賃金台帳・出勤簿、年齢が分かる書類を付けます。最初の支給対象月の初日から4か月以内です
- 2回目から:原則2か月に1回、ハローワークが指定する申請月に出します
- 再就職給付金:会社が雇用保険の資格取得届を出すときに、受給資格確認票もあわせて出します
申請の期限を過ぎても、支給対象月の末日の翌日から2年の時効の間は申請できます。ただし、期限内が原則で、遅れると支給が遅くなる場合があります。
60歳になる前に:勤務先に確認すること
申請は、原則として会社が2か月に1回ハローワークに出します。賃金証明書などの提出が遅れると、受けられなくなることがあります。
勤務先の人事か総務に、次の4つを確認してください。
- 「60歳到達時の賃金証明書と受給資格確認票を出してもらえますか」
初回の申請に必要です - 「60歳以後の賃金は、60歳前の何%になりますか」
75%未満で対象、64%以下で賃金の10%です - 「給付金の申請は、会社でしてもらえますか」
希望すれば本人が申請することもできます - 「賃金が下がった理由に、欠勤や休業は入っていますか」
病気の欠勤などで減った分は、支払われたものとみなされます
公式サイトで確認できます
問い合わせ先は、勤務先の所在地を管轄するハローワークです。
出典
本ページの内容は、次の公表資料にもとづいています(2026年11月3日確認)。
- ハローワークインターネットサービス「雇用継続給付」・「高年齢雇用継続給付の内容及び支給申請手続について」
- 厚生労働省「令和7年4月1日から高年齢雇用継続給付の支給率を変更します」
- 2026年8月1日からの支給限度額の変更・業務取扱要領(高年齢雇用継続給付)
- 日本年金機構「年金と雇用保険の高年齢雇用継続給付との調整」・「申請期限が過ぎたことにより給付を受けられなかった方へ」
受給資格と60歳時点の賃金月額は、ハローワークで確定します。60歳になる前に、勤務先に手続きを確認してください。
制度の内容・金額・要件・期限は予告なく変更されることがあります。申請の前には必ず公式サイトで最新の情報をご確認ください。本サイトは民間の情報サイトであり、事務局ではありません。
