出生時育児休業給付金の条件と金額を、厚生労働省の案内(2026年8月版)とQ&Aで調べました(2026年11月3日確認)。
子の出生後8週間の間に取る産後パパ育休(出生時育児休業)に対して、雇用保険から出る給付です。賃金の67%で、条件を満たすと出生後休業支援給付金の13%が上乗せされて80%になります。育児休業給付金と同じく非課税で、社会保険料の免除と合わせて手取り10割相当とされています。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 休める期間 | 子の出生後8週間のうち、最大28日。2回まで分割できます |
| 支給額 | 休業開始時賃金日額 × 休業の日数(28日まで) × 67% |
| 上乗せ | 出生後休業支援給付金 13%(休業を通算14日以上など) |
| 上限(28日) | 31万290円。上乗せは6万205円(2027年7月31日まで) |
| 雇用保険の条件 | 休業の開始前2年間に、賃金の支払いの基礎になった日が11日以上の月が12か月以上 |
| 休業中の就業 | 28日休んで最大10日(10日を超える場合は80時間)まで |
| 申請 | 原則、出生後8週間が過ぎてから。28日取得した場合や2回目の休業を終えた場合は、その翌日から申請できる。分割しても申請は1回にまとめる。原則として会社を通す |
対象になる人
- 原則として男性:産後休業(出産日の翌日から8週間)は産後パパ育休に含まれません。女性が受けられるのは、基本的に養子の場合です
- 雇用保険の被保険者:一般被保険者と高年齢被保険者です。休業の初日から末日まで被保険者である必要があります
- 働いた期間:休業の開始前2年間に、賃金の支払いの基礎になった日が11日以上の完全月が12か月以上。足りない場合は、80時間以上の月も数えます
- 会社が認めた休業:初日と末日を明らかにして申し出て、会社が認めた休業が対象です
- 有期雇用の人:子の出生日または出産予定日のいずれか遅い方から8週間を経過する日の翌日から6か月を経過する日までに、労働契約(更新される場合は更新後の契約)が満了し、更新されないことが明らかでないこと
休める期間の数え方
「子の出生日または出産予定日のうち早い日」から「子の出生日または出産予定日のうち遅い日から起算して8週間を経過する日の翌日」までの間に、最大28日です。
- 予定日より遅く生まれた例:予定日10月1日、出生10月5日なら、10月1日から11月30日までの間に取れます
- 予定日より早く生まれた例:出生10月1日、予定日10月6日なら、10月1日から12月1日までの間に取れます
- 3回目と28日を超えた分:給付の対象外です。会社と合意すれば、育児休業に振り替えて育児休業給付金として申請できます
- 産後パパ育休を取らない選択:出生日から育児休業を取り、育児休業給付金だけを申請することもできます
もらえる額
賃金日額 × 休業の日数 × 67%です。賃金日額は、原則として休業開始前の6か月の総支給額を180で割った額です。保険料を引く前の額で、賞与は除きます。
| 賃金日額(月給の目安) | 14日休む | 28日休む |
|---|---|---|
| 1万円(月30万円) | 9万3,800円+上乗せ1万8,200円 | 18万7,600円+上乗せ3万6,400円 |
| 上限1万6,540円以上 | 15万5,145円+上乗せ3万102円 | 31万290円+上乗せ6万205円 |
上乗せは、出生後休業支援給付金の条件を満たした場合です。上限の賃金日額1万6,540円は、2027年7月31日までの額です。
休業中に賃金が出たとき
| 休業期間を対象とする賃金 | 出生時育児休業給付金 | 上乗せ(13%) |
|---|---|---|
| 賃金日額×日数の13%以下 | 67%のまま | 13%のまま |
| 13%を超えて80%未満 | 80%から賃金を引いた額 | 13%のまま |
| 80%以上 | 支給されません | 支給されません |
案内の例では、賃金日額1万円で14日休み、3日働いて3万円が出ると、給付金は11万2,000円から3万円を引いた8万2,000円、上乗せは1万8,200円のままです。通勤手当など、働いた日数にかかわらず一定額が出る手当は、賃金に含めません。
休業中に働く場合
- 働けるのは労使協定がある会社だけ:休業中の就業は、労使協定を結んでいる場合に限り、本人が合意した範囲でできます。休業の開始前日までに日程を決めます
- 上限:28日休んで最大10日(10日を超える場合は80時間)。短い休業は日数に比例して減ります
- 上限の例:14日の休業なら最大5日(5日を超える場合は40時間)、10日の休業なら最大4日(4日を超える場合は約28.57時間)
- 超えたとき:28日の休業で14日働くと、上限の10日を超えるので全期間が不支給です
- 分割した場合:2回の合計で判断します。23日休んで9日働いた例は、上限の9日以内なので支給されます
働いた日数によっては、社会保険料の免除の条件も満たさなくなることがあります。
13%の上乗せ(出生後休業支援給付金)
産後パパ育休か育児休業を通算14日以上取り、配偶者も14日以上の育児休業を取るか、配偶者が働いていない・自営業・産後休業中などの場合に、13%が上乗せされます。配偶者が出産している場合は、出生日の翌日に配偶者が産後休業中などに当たるので、この条件を満たします。詳しくは出生後休業支援給付金にまとめています。
育児休業給付金との関係
- 180日の67%に数える:出生時育児休業給付金を受けた日数は、育児休業給付金の67%の180日に通算されます。28日取ると、育児休業給付金の67%は残り152日です
- 続けて育休:産後パパ育休の後に育児休業を取ると、育児休業給付金に切り替わります
育休の給付は育児休業給付金にまとめています。
産後パパ育休の取り方
- 申し出の期限:原則として休業の2週間前までに、書面などで会社に申し出ます。労使協定がある会社では、2週間超から1か月以内の、協定で決めた期限です
- 分割:2回に分けるときは、最初にまとめて申し出ます
- 取れない場合:労使協定があると、雇用された期間が1年未満の人、8週間以内に雇用が終わる人、週の所定労働日数が2日以下の人は取れません
申請のしかた
- 申請する人:原則として会社です。本人が希望すれば本人が直接出すこともできます
- 提出先:勤務先の所在地を管轄するハローワークです。電子申請もできます
- いつから:子の出生日(予定日より早く生まれたら予定日)から8週間を経過する日の翌日からです。28日休み終えたか、2回目の休業を終えたときは、その翌日からです
- いつまで:申請できるようになった日から2か月を経過する日の属する月の末日までです
- 2回分:分割して取っても、申請は1回にまとめます
- 主な書類:休業開始時賃金月額証明書、受給資格確認票・支給申請書、賃金台帳・出勤簿、母子健康手帳の出生届出済証明のページなどです
- 受け取り:支給決定の後、約1週間で本人の口座に振り込まれます
期限を過ぎても、2年の時効の間は申請できます。ただし、期限内の申請が原則で、遅れると支給が遅くなる場合があります。
社会保険料と税金
- 税金:育児休業等給付は非課税です
- 健康保険料と厚生年金保険料:産後パパ育休も免除の対象です。開始した月から、終了日の翌日が属する月の前月までが免除です
- 月の途中で終わる休業:同じ月の中で始まって終わる場合は、その月に14日以上休めば免除です
- 賞与の保険料:賞与の月の末日を含んで、連続1か月を超えて休んだ場合だけ免除です
出産と育児のほかの制度
出産の費用は出産育児一時金に、職場に戻って時短で働く場合は育児時短就業給付金にまとめています。
産後パパ育休の前に:勤務先に確認すること
給付の申請は、原則として会社がハローワークに出します。休みの日程を決める前に確認してください。
勤務先の人事か総務に、次の4つを確認してください。
- 「産後パパ育休は、いつまでに申し出ればいいですか」
原則は2週間前までですが、会社の労使協定で1か月前までになっている場合があります - 「休業中に働くことはできますか」
働けるのは労使協定がある会社だけで、働きすぎると給付が出ません - 「給付金の申請は、会社でしてもらえますか」
希望すれば本人が申請することもできます - 「社会保険料の免除の手続きをしてもらえますか」
月をまたぐか、同じ月に14日以上休むかで変わります
公式サイトで確認できます
問い合わせ先は、勤務先の所在地を管轄するハローワークです。
出典
本ページの内容は、次の公表資料にもとづいています(2026年11月3日確認)。
- 厚生労働省「育児休業等給付の内容と支給申請手続」(2026年8月1日改訂版)
- 厚生労働省「育児休業等給付について」・「Q&A~育児休業等給付~」(2026年8月版)
- 「育児・介護休業法のあらまし」
- 日本年金機構「従業員(健康保険・厚生年金保険の被保険者)が育児休業等を取得・延長したときの手続き」・「申請期限が過ぎたことにより給付を受けられなかった方へ」
休業の日程と就業の日数で、給付が出るかが変わります。休む前に、勤務先とハローワークで確認してください。
制度の内容・金額・要件・期限は予告なく変更されることがあります。申請の前には必ず公式サイトで最新の情報をご確認ください。本サイトは民間の情報サイトであり、事務局ではありません。
