既存住宅の断熱リフォーム支援事業|上限120万円、9月公募の戸建枠は5,000万円

本ページにはプロモーション(広告)が含まれます。

既存住宅の断熱リフォーム支援事業は、環境省の補助金です。公益財団法人 北海道環境財団が執行団体になっています。住宅省エネ2026キャンペーンの4事業とは別の事業で、申請先も締切もまったく違います。

令和8年9月公募の受付期間は2026年9月7日(月)〜12月11日(金)17時メール必着です。ただし公募要領には「公募期間中であっても申請金額の合計が予算額に達した時点で公募を終了します」と書かれています。

「北海道環境財団」とありますが、北海道限定ではありません

事業名に環境省、窓口に北海道の財団が出てくるので分かりにくいのですが、これは全国が対象の国の補助金です。

公募要領の表紙には「環境省による事業」と書かれていて、財源も「公的な国庫補助金を財源としており」と明記されています。財団は、環境省から事務を任されて運営している執行団体です。住宅省エネ2026キャンペーンでいう事務局、ZEH支援事業でいうSII(環境共創イニシアチブ)と同じ立場になります。

正式な事業名は「二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金(既存住宅の断熱リフォーム支援事業)」。この「二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金」は、ZEH支援事業と同じ環境省の補助金の枠です。

実績を見ても、北海道に偏ってはいません。財団が公表している都道府県別の補助対象戸数(令和3〜6年度・交付決定ベース)は47都道府県で合計64,598戸あり、内訳は次のとおりです。

都道府県補助対象戸数(令和3〜6年度)
東京19,834戸
千葉13,108戸
神奈川11,242戸
大阪7,076戸
埼玉4,705戸
北海道427戸

北海道は全体の1%にも届きません。名前に「北海道」が入っているだけで、どの都道府県に住んでいても使えます。

まず押さえておくこと

  • 補助率は補助対象経費の1/3以内です。窓リノベのような「1枚いくら」の定額ではありません
  • 上限は戸建住宅120万円/戸、集合住宅15万円/戸です(玄関ドアも改修する集合住宅は20万円/戸)
  • 交付決定通知日より前に契約すると対象外です。窓リノベとは逆で、契約も着工も交付決定を待つ必要があります
  • 申請者は住宅の所有者等です。窓リノベのように、登録した事業者が代わりに申請する仕組みではありません。ただし吹込み・吹付けの断熱材は、製品ごとに登録された指定施工業者が施工する必要があります
  • 「トータル断熱」と「居間だけ断熱」の2種類があり、併用はできません
  • 完了実績報告は、工事と支払いが終わってから30日以内です(2027年2月12日が最終期限)
  • 塗料は補助対象になりません(公式サイトに明記されています)

ここが窓リノベといちばん違う:契約のタイミング

住宅省エネ2026キャンペーンの各事業では、先に工事請負契約を結んでから着工するのが原則で、契約そのものは補助金の申請より前でかまいません。

この事業は逆です。公募要領には、事業の要件としてこう書かれています。

  • 「本事業に係る契約締結(申込金等の入金含む)及び建物本体への着工(各部位の解体、仮設足場等を含む)は、本事業の交付決定通知書に記載する交付決定通知日以降に実施すること」

つまり申請 → 交付決定 → 契約 → 着工の順番です。先に契約してしまうと、その時点で対象外になります。申込金を入れるのもアウトです。

交付決定までは概ね1〜2か月かかると公募要領に書かれています。これが後述するスケジュールの制約になります。

2つのタイプ

補助率と上限は同じですが、改修しなければならない範囲がまったく違います。ここを読み違えると、要件を満たさずに申請が通りません。

トータル断熱居間だけ断熱
補助対象の製品断熱材・窓・ガラス窓・断熱材
断熱材は、戸建住宅の居間の間仕切壁等に使う「オプション断熱」
必ず改修する範囲断熱する部位の組合せを早見表から選び、延べ床面積に対する改修率の下限を満たす。居間(主たる居室)を含むことが必須居間の窓は全部(ガラスを用いた開口部すべて)。居間を改修する場合に限り、ほかの部屋の窓も対象
ガラス交換対象
熱貫流率(Ug値)1.5以下の製品に限る
対象外
窓はカバー工法・外窓交換・内窓取付のみ
補助率補助対象経費の1/3以内補助対象経費の1/3以内
上限(戸建住宅)120万円/戸120万円/戸
上限(集合住宅)15万円/戸
玄関ドアも改修する場合は20万円/戸
15万円/戸
玄関ドアも改修する場合は20万円/戸

トータル断熱の「改修率」とは

戸建住宅のトータル断熱では、断熱する部位(天井・外壁・床・窓・ガラス)の組合せを公募要領の「エネルギー計算結果早見表」から選びます。そのうえで、改修する部屋の床面積が延べ床面積の何%にあたるか(改修率)が、組合せと地域区分ごとに決められた下限を超えている必要があります。

  • たとえば天井・外壁・床・窓の4部位なら、改修率25%以上
  • 窓だけの改修なら、改修率100%(すべての部屋)。窓の性能と、その部屋の空調設備にも条件があります
  • 天井を選んだ場合は、改修率にかかわらず屋根の直下の天井と外気に接する天井は全部改修する(バルコニー等で改修が難しい部分は、天井全体の15%まで除外できる)
  • 居間または主たる居室を含まない改修は、改修率を満たしていても補助対象になりません

早見表を使わずに、個別にエネルギー計算をして申請する方法もあります。どの組合せにするかは、見積もりの段階で事業者と決めてください。

2つを併用することはできません。公募要領には「同一物件について、複数回の採択は行いません。また、「トータル断熱」と「居間だけ断熱」の併用はできません」とあります。ただし令和7年2月公募以前に「居間だけ断熱」で改修した方は、「トータル断熱」で申請することが可能ですという例外が書かれています。

玄関ドアの扱い

玄関ドアは、単独では補助対象になりません。公募要領には「本事業におけるガラス・窓・断熱材と同時に改修する場合のみ玄関ドアが補助対象となります」とあります。欄間付き・袖付きのドアは対象外です。

玄関ドアの補助額は、窓や断熱材とは別に計算します。

玄関ドア
補助率見積書の金額と15万円のいずれか低い額の1/3
補助金の上限5万円

戸建住宅の上限120万円は、公募要領では「120万円/戸(玄関ドア5万円を含む)」と書かれています。玄関ドアの5万円は、120万円の枠の中に入るということです。集合住宅は逆に、玄関ドアも改修すると上限が15万円から20万円に上がります。

なお公式サイトのトップページには「120万円/戸(玄関ドアの設置にも別途加算あり)」とあり、枠の外に上乗せされるようにも読めます。戸建で上限近くまで使う予定なら、見積もりの前に財団に確認してください。電話は011-206-1573(平日10:00〜17:00)です。

補助額の計算のしかた

補助額は、見積書の金額にそのまま1/3を掛けるわけではありません。公募要領には、次のA)とB)を比べて低いほうの金額に補助率を掛ける、と書かれています。

  1. A)財団が定める基準単価を用いて算出した補助対象経費
  2. B)見積書に記載されている補助対象経費

そして1,000円未満の端数は切り捨てです。

たとえば見積書が180万円でも、基準単価で計算した額が150万円だったら、150万円 × 1/3 = 50万円が補助額になります。見積が高いほどもらえる、という制度ではありません。

窓の工事なら、窓リノベで申請した場合の金額を先進的窓リノベの補助額シミュレーターで計算して比べてみてください。この事業の補助額は、見積書の補助対象経費の1/3が上限の目安になります。同じ窓に両方はあてられないので、どちらで申請するかを先に決める必要があります。

断熱材・窓・ガラスは、財団の補助対象製品一覧(ekes.jp)に登録されている未使用品に限られます。断熱材は、部位ごとに決められた熱抵抗値(R値)も満たす必要があります(個別にエネルギー計算をして申請する場合を除く)。

予算の枠は、思っているより小さい

令和8年9月公募の予算額は、公募要領にこう書かれています。この金額は「トータル断熱」と「居間だけ断熱」の合計で、この回の公募1回分の予算です。

住宅区分予算額(令和8年9月公募)
戸建住宅0.5億円
集合住宅(個別)0.5億円
集合住宅(全体)7億円
合計8億円

戸建住宅の枠は0.5億円、つまり5,000万円です。上限いっぱいの120万円を受け取る人ばかりなら、40戸ほどで終わる計算になります。実際の1件あたりはもっと小さいので件数はこれより増えますが、予算1,125億円の先進的窓リノベ2026事業と比べると、1回の公募の戸建枠はごく小さいことが分かります。

なお公募要領には「戸建住宅、集合住宅(個別)、集合住宅(全体)の申請状況に応じて、それぞれの予算額の増減を行う場合があります」という注記もあります。枠は固定ではありません。

公式サイトでは、いまの消化率や残額は公表されていません(2026年9月22日確認)。公表されているのは、過年度の採択実績(令和3年〜令和6年で64,598戸)です。外からは「あと何%」かは分からないので、使うつもりなら、締切を待たずに早く動くしかないタイプの制度です。

審査のされ方が、住宅区分で違います

住宅区分審査のしかた
戸建住宅
集合住宅(個別)
申請書類の到着順に随時審査を行い、採択。交付決定まで概ね1〜2か月
集合住宅(全体)到着順に要件審査を行ったうえで、耐震基準対応状況やCO2排出削減効果等の審査基準により評価し、予算の範囲内で上位のものから順に採択。応募状況によっては不採択になる場合があります

戸建住宅・集合住宅(個別)は、申請書類の到着順に随時審査・採択されます。集合住宅(全体)は、審査基準で評価し、予算の範囲内で上位から採択されます。マンションの管理組合として申請する場合は、早く出しても落ちることがある、ということになります。

誰が申請できるか

  • 住宅の所有者または所有予定者(個人)
  • 対象となる住戸に住民票を置く居住者(個人)。ただし申請できる居住者は原則として所有者の親族です
  • 賃貸住宅の所有者(個人・法人どちらでも可)
  • 買取再販事業者
  • 集合住宅(全体)は管理組合等の代表者

住宅側の条件はこうです。

  • 既存住宅であること。新築・公営住宅・業務用建築物(オフィス・ホテル等)は対象外です
  • 人の居住の用に供する家屋であること。店舗や事務所との併用住宅では、業務の用に供する部分の製品や工事は対象になりません
  • 二世帯住宅は、本事業では原則として集合住宅とみなされます
  • 所有者でない居住者が申請する場合は、所有者の同意を得ていること

申請は1物件につき1申請です。

窓リノベやみらいエコ住宅と併用できる?

公募要領には、事業の要件として「本事業の補助対象部位には、他の国庫補助金を受けたものが含まれていないこと」と書かれています。同じ窓に、窓リノベとこの事業を両方あてることはできません。

そのうえで、状況によって2つの書き方がされています。

すでに窓リノベで窓を替えた家の場合

公募要領の「既設断熱材・窓・ガラスについて」には、こうあります。

  • 「交付申請時に既に一部取り付けてあるガラス・窓・断熱材が、財団の補助対象製品一覧に掲載されている製品である場合、以下の条件を満たすことで、その部分の改修は要件としないこととします」
  • 「ただし、既に取り付けてあるガラス・窓・断熱材に要した経費は補助対象外です」

そして「過去に環境省の先進的窓リノベ事業で窓及びガラスを改修した場合は原則、以下の書類の写しを全て提出することでも上記の条件を満たすこととします」として、次の書類が挙げられています。

  • 先進的窓リノベ事業で提出した工事前後の写真及び性能証明書
  • 先進的窓リノベ事業の「交付決定通知書」「交付額確定通知書」「交付決定と振込のお知らせ」のいずれか
  • 先進的窓リノベ事業の補助事業者(施工業者)による証明書

つまり先進的窓リノベ2026事業などの窓リノベで替えた窓は、この事業では「改修しなくてよい部分」として扱える、という規定です。その窓にかかった費用はこの事業の補助対象になりません。窓リノベの書類は捨てずに取っておいてください。

これから両方を同時に進める場合

  • 「補助対象が重複せず工事請負契約を分ける場合は、国の他の補助金と併用できることがありますので、詳細は財団に相談してください」

「できることがあります」であって、「できます」ではありません。条件は2つ読み取れます。

  1. 補助対象が重複しないこと(同じ部位に2つの補助金をあてない)
  2. 工事請負契約を分けること

たとえば「窓は窓リノベ、天井と床の断熱材はこの事業」のように部位を分けて、契約書も分ける形です。みらいエコ住宅2026事業(リフォーム)も国の補助金なので、考え方は同じです。ただし成立するかどうかは財団の判断なので、見積もりを取る前に財団に相談してください。

また公募要領には「本事業で申請する補助対象が国の他の補助事業と重複している場合は、交付決定前に他の事業での申請を取り下げてください」ともあります。

重複して受け取った場合の扱いも明記されています。「国からの他の補助金を重複受給した場合は、不正行為とみなし、当該補助金に係る交付決定の取消しを行うと共に、受領済の補助金のうち取消し対象となった額に加算金(年10.95%の利率)を加えた額を返還する」ことになります。

国と自治体の制度をあわせる場合の考え方は国と自治体の住宅補助金は併用できる?にまとめました。

スケジュール(令和8年9月公募)

期日
公募期間2026年9月7日(月)〜12月11日(金)17時メール必着
交付決定まで概ね1〜2か月
完了実績報告書の締切次のいずれか早い日の17時必着
・事業完了日から30日以内
・2027年2月12日(金)

事業完了日は、工事が終わった日と支払いが終わった日のいずれか遅い日です。11月に工事と支払いが終わったら、報告の期限は2月ではなく12月になります。

もうひとつの落とし穴は、12月11日ぎりぎりの申請です。交付決定まで1〜2か月かかるので、交付決定は2027年1〜2月になります。契約と着工ができるのはそのあとで、完了実績報告の最終期限は2027年2月12日です。

締切の日付からではなく、「いつ着工できるか」から逆算してください。たとえば交付決定に2か月、工事と支払いに1か月かかるなら、2月12日に間に合わせるには11月上旬には申請を出しておく必要があります。

なお2026年は、1月・3月・6月・9月と公募が行われてきました。次回公募の予定は公表されていません(2026年9月22日確認)。

受け取ったあとにやることがあります

公募要領には、事業完了後の義務が書かれています。

  • 事業完了の次年度から2年間、財団が実施するエネルギー使用状況の定期報告アンケートを提出する義務があります。令和8年9月公募の場合は、令和10年3月下旬と令和11年3月下旬に実施予定です
  • 財団が別に定める期間内に、補助金で取得した財産を処分しようとするときは、あらかじめ財団の承認が必要です。承認を受けずに処分すると、交付決定が取り消されることがあります
  • 本事業で設置した高性能建材の転売・譲渡は禁止されています

工事が終わったら終わり、ではありません。

目的から探す

見積もりを取る前に:申請の順番を確認する

既存住宅の断熱リフォーム支援事業の申請者は、住宅の所有者等です。事務局に登録した事業者が代わりに申請する仕組みではありません。

申請書類は申請者がメールで提出します。ただし公募要領では、申請者は連絡窓口を指定できます。指定すると、財団からの書類の修正などの連絡はその窓口を通じて来ます。工事会社に窓口を頼めるかどうかも、見積もりのときに聞いておくと安心です。

そのかわり契約と着工の順番が厳格です。交付決定通知日より前に契約(申込金の入金を含む)したり着工したりすると、事業の要件を満たさなくなります。見積もりを取る段階で、事業者がこの順番を理解しているかを確かめてください。

見積もりを依頼したら、各社に次の3つを聞いてください。

  • 「交付決定が出るまで、契約と着工を待てますか」
    申込金の入金も契約に含まれます。待てない会社では、この補助金は使えません
  • 「使う断熱材・窓・ガラスは、財団の補助対象製品一覧に登録されていますか」
    見積書の型番で確認してください。吹込み・吹付けの断熱材は、製品ごとに登録された指定施工業者が施工する必要があります
  • 「補助の対象になる費目が分かる見積書を出してもらえますか」
    公募要領は、見積書の備考欄などに「補助対象」と分かるように書くことを求めています

公式サイトで確認できます

補助対象製品一覧(断熱材・窓・ガラス)

断熱材・窓・ガラスは、財団が登録した製品だけが対象です。見積書に書かれた型番がここで見つかるかを、契約の前に確かめてください。玄関ドアはこの一覧ではなく、公募要領の性能要件で判断されます。

この一覧で分かるのは、製品が補助の対象になるかどうかです。工事の内容や価格は、見積もりで別に比べてください。

見積もりを取る

複数社から見積もりを取ると、補助金を含めた総額を比べられます。その際も、上の3つの質問は必ず聞いてください。

リショップナビ(運営:株式会社じげん)は、無料の一括見積もりサービスです。申し込むと電話で希望の確認があり、条件に合うリフォーム会社を最大5社紹介してもらえます。紹介される会社が、使いたい補助金の条件を満たすかどうかは、会社ごとに違います。見積もりのときに、上の質問で確認してください。

出典

本ページの内容は、既存住宅の断熱リフォーム支援事業 公式サイト(公益財団法人 北海道環境財団)および、同サイトで公開されている令和8年9月公募の公募要領(トータル断熱/居間だけ断熱)にもとづいています(2026年9月22日確認)。

都道府県別の補助対象戸数は、同サイトが公開している断熱リフォーム支援事業【都道府県別の補助対象戸数】(令和3〜6年度・交付決定ベース)から引用しました。

制度の内容・金額・要件・期限は予告なく変更されることがあります。申請の前には必ず公式サイトで最新の情報をご確認ください。本サイトは民間の情報サイトであり、事務局ではありません。

タイトルとURLをコピーしました