結婚して新しく住む家の家賃や引越し代に、補助金は出るのか。国の結婚新生活支援事業は、2026年度から「結婚・妊娠・共育ての相談機会提供・支援プログラム」(新婚世帯を対象に家賃、引越費用等を補助)という名前になりました。申し込む先は市区町村で、住んでいる市区町村が実施していなければ使えません。
| 項目 | 国の基準(2026年度) |
|---|---|
| 補助の上限 | 夫婦ともに29歳以下は60万円、それ以外(夫婦とも39歳以下)は30万円 |
| 対象の世帯 | 2026年1月1日以降に結婚(市区町村が決める期間)、夫婦とも結婚した日に39歳以下、世帯所得500万円未満(奨学金の返済額は差し引ける) |
| 新しい条件 | 新しく申請する世帯は、夫婦ともに、ライフデザインの講座・プレコンセプションケアの講座・医療機関での相談・共家事共育ての講座のどれか1つ |
| 対象の費用 | 住宅の購入(建物)・リフォーム、家賃・敷金・礼金・共益費・仲介手数料、引越し代 |
| 実施している市区町村 | 877(2026年6月25日時点)。東京都内は立川市だけ |
国の制度の内容(2026年度)
国(こども家庭庁)の地域少子化対策重点推進交付金で、市区町村が新婚世帯に補助します。市区町村は、対象の費用・世帯・上限額を「独自に追加又は限定することが」できるので、条件は市区町村ごとに違います。
- 上限額:「(ア)夫婦共に婚姻日における年齢が 29 歳以下の世帯 60 万円」「(イ)上記以外の世帯 30 万円」
- 年齢と所得:夫婦ともに結婚した日に39歳以下で、世帯の所得が500万円未満。夫婦のどちらかが奨学金を返している場合は、「夫婦の合計所得金額を合算した額から貸与型奨学金の年間返済額を」差し引きます
- 結婚した日:国の決まりでは2026年1月1日以降で、市区町村が期間を決めます(多くは2027年3月31日まで、2月末までの所もあります)
- 講座の受講(2026年度から):夫婦ともに、ライフデザイン支援講座、プレコンセプションケアの講座、医療機関への妊娠・出産の相談、共家事・共育て講座のどれか1つを、その年度のうちに済ませます。前年度からの継続の世帯の扱いは市区町村で違い、安曇野市は新規・資格認定の申請の世帯だけに求め、名古屋市は継続の世帯にも動画の視聴を求めています
- 家賃など:「賃料、敷金、礼金、共益費及び仲介手数料」が対象です。勤務先から住宅手当が出ている場合は、その分を差し引きます。鍵交換・清掃・賃貸保証料・火災保険料・更新料は、賃貸借契約書に書かれていて契約の条件になっていれば対象にできます
- 住宅の購入・リフォーム:対象です。住宅の購入は建物の代金で、土地代は対象外です(名古屋市・大津市など)。住宅ローンの手数料なども対象外とする市町が多くあります。リフォームは、倉庫・車庫や、門・フェンス・植栽などの外構の工事が対象外です
- 引越し代:引越業者・運送業者に払った実費です
- 払った時期と住民票:2026年4月1日から市区町村の事業の終わりまでに払った費用で、申請のときに夫婦の両方か一方の住民票が新居にあることが条件です。結婚の前に借りた・引越した場合は、結婚した日から1年以内のものに限られます
- 対象にならない給付:国の決まりは「「結婚祝い金」等の使途を限定しない給付は、対象としないこと。」としています
実施している市区町村(2026年10月22日確認)
こども家庭庁が公表している都道府県別の活用状況(2026年6月25日現在)を数えると、実施しているのは877市区町村です(2025年度は894)。大都市はあまり実施していません。
| 区分 | 市区町村 |
|---|---|
| 実施している主な大都市 | 仙台市・千葉市(団地への住み替えの形)・相模原市(引越し代だけ)・新潟市・静岡市・浜松市・名古屋市・岐阜市・大津市・和歌山市・福井市・松山市・高知市・佐賀市など |
| 実施していないと公表 | 横浜市・川崎市・広島市 |
| 一覧に見当たらない | 札幌市・さいたま市・東京23区・京都市・大阪市・堺市・神戸市・岡山市・北九州市・福岡市・熊本市・鹿児島市・那覇市など |
横浜市は「結婚新生活支援事業補助金(結婚に伴う家賃、引っ越し費用等の補助)について、横浜市では実施しておりません。」、広島市は「本市では、結婚に伴う支援(結婚新生活支援事業)は導入していません」としています。町村部では実施している所が多く、北海道(61)・長野県(60)・福島県(49)・山形県(35)などで多くの市町村が実施しています。
東京都・神奈川県
- 東京都:都の一覧(10月1日更新)で実施しているのは立川市だけです。立川市は上限30万円(年齢の区分なし)で、予算1,350万円のうち残りは「10,427,000円」(令和8年10月1日現在)です
- 東京都の独自の制度:交付金を使わない制度として、青梅市(お祝い金と、5年以内に住宅を取得したときの応援金)や、千代田区(親の近くに住む新婚世帯への家賃助成)があります
- 神奈川県:実施しているのは相模原市・横須賀市・三浦市・秦野市・南足柄市・中井町・松田町・山北町・湯河原町・愛川町の10市町です。相模原市は引越し代だけで最大15万円、横須賀市は49歳以下にも上限20万円の区分があります
- 川崎市:「本市においては、現時点では結婚新生活支援事業(結婚助成金)は実施しておりませんが、」としています
大阪府・愛知県・福岡県
- 大阪府:実施しているのは貝塚市・枚方市・泉佐野市・松原市・和泉市・豊能町・岬町・太子町の8市町で、大阪市・堺市は一覧に見当たりません。松原市は、夫婦とも29歳以下で住宅を買う場合に上限100万円です
- 愛知県:名古屋市・碧南市・豊田市・安城市・蒲郡市・小牧市・大府市・田原市・豊山町・東浦町・武豊町の11市町です。名古屋市は「申請受付期間:令和8年8月8日から令和9年3月31日までとなります。」で、家賃・共益費は3か月分が上限です
- 福岡県:久留米市など23市町村が実施していて、福岡市・北九州市は一覧に見当たりません。北九州市には、市外から転入する新婚世帯などへの家賃補助(最大20万円)という別の制度があります
受付終了・予算わずか・締切が近いもの(2026年10月22日確認)
| 市区町村 | 状況 |
|---|---|
| 長野市 | 「令和8年度からは、新規申請受付を終了させていただくこととなりました。」 |
| 丸亀市(香川) | 2026年4月1日以降に結婚した世帯は対象外 |
| 竹原市(広島)・砥部町(愛媛) | 竹原市は令和7年度で新規受付を終了、砥部町は事業を終了 |
| 長岡市(新潟) | 「令和8年10月15日現在、予算残額は当初予算額の10%となっています。」 |
| 郡山市(福島) | 最大30万円。予算の上限に達しそうなときは抽選をすることがある |
| 山形市 | 12月2日までに事前申込みが必要。予算を上回ると所得の低い順に決める |
| 福井市 | 申請は12月28日まで |
| 仙台市 | 申請は12月31日まで(9月30日時点の予算執行率17.2%) |
| 浜松市・宇治市 | 浜松市は1月29日まで(予定)、宇治市は1月29日まで |
| 大津市 | 申請期限を3月31日から3月1日に早めた |
ほかの市区町村は、2027年2月末〜3月末を締切にしている所が多くあります。どこも、予算に達すると期間の途中でも受付を終えます。
国の基準より手厚い市区町村・低い市区町村
- 上限が高い例:静岡市(夫婦とも39歳以下なら、29歳以下かどうかを問わず80万円)、藤枝市(転入で最大80万円)、魚沼市(最大100万円)、根室市(最大100万円)、福井市(使い道を問わない支援金と合わせて最大100万円)、三木市(空き家バンクを使うと最大100万円)、国見町(29歳以下75万円、44歳以下まで対象)、富津市(70万円、49歳以下まで対象)
- 家電・家具も対象の例:岡山県の「結婚新生活支援パワーアップ事業」(8市町村)や、愛媛県の県と市町の連携(省エネ・時短家電を含めて最大80万円)
- 上限が低い・対象が狭い例:川口市(最大10万円)、立川市・熊谷市・新潟市・郡山市・福島市(29歳以下の60万円の区分がなく30万円)、碧南市(40万円・20万円)、相模原市(引越し代だけ15万円)
- 対象外の費用がある例:岐阜市・大津市は引越し代が対象外、大津市はリフォームも対象外、高知市は敷金が対象外。家賃は3〜6か月分までとする市が多くあります
- 住み続ける条件:1〜3年以上住む意思を求める所が多く、甲府市は5年、山北町は10年です。米原市は3年以内に転出すると返還を求める場合があるとしています
もらえない主な理由
- 住んでいる市区町村が実施していない:新居のある市区町村に制度がなければ使えません
- 結婚した日・年齢・所得:結婚した日が期間の外、どちらかが40歳以上、世帯所得が500万円以上(奨学金の返済額を差し引いた後)
- 講座を受けていない:新しく申請する世帯は、夫婦の片方だけでは条件を満たしません
- 前にもらったことがある:夫婦の両方が、過去にこの補助を受けている場合は対象外です。ただし、前年度(2025年度)に補助を受けて上限額に届かなかった世帯は、2026年度も残りの額まで申請できる場合があります
- 払った時期・住民票:2026年4月1日より前に払った費用や、新居に住民票を移していない場合
- 対象外の費用:外構の工事、住宅手当の分、市区町村が対象外とした費用(引越し代・敷金など)
- 予算がなくなった:先着順の所が多く、予算に達すると受付を終えます
申請の前に確認すること
- 実施しているか:新居のある市区町村が、2026年度に実施しているか(都道府県のページに一覧があります)
- 期間:結婚した日が対象の期間に入るか。申請の締切と、事前申込みが必要か
- 上限額と条件:年齢・所得の条件、住み続ける年数、市区町村独自の上乗せや対象外の費用
- 講座:夫婦ともに、市区町村が指定する講座の受講や相談を済ませたか
- 書類:賃貸借契約書・売買契約書、家賃・引越し代の領収書、所得の証明などをそろえられるか
住宅を買う場合は、国のみらいエコ住宅2026事業(新築)も、若者夫婦世帯(夫婦のどちらかが39歳以下)なら長期優良住宅・ZEH水準住宅の枠を使えることがあります。ただし国の決まりは「他の国庫負担金、補助金又は交付金の交付の対象となる事業に要する経費は、対象としないこと。」としていて、同じ住宅の購入費・工事費に、国の別の補助と重ねて補助を受けることは原則できません。どの費用を対象にできるかは、市区町村に確かめてください。長期優良住宅の補助は長期優良住宅の補助金にまとめています。
新婚世帯でなくても使える、子育て世帯の住み替えや移住などの引っ越しの補助は引っ越しの補助金に、東京23区から地方へ移住する場合の国の支援金は移住支援金に、不妊治療の助成は不妊治療の助成金に、出産の費用は出産育児一時金にまとめています。
新居を決める前に:住む市区町村に制度があるかを確認する
この補助は、市区町村が実施しているときだけ使えます。国の制度ですが、申し込む先は新居のある市区町村で、東京23区・横浜市・大阪市・福岡市などの大都市の多くは実施していません。
2026年度に新しく申請する世帯は、夫婦ともに講座の受講などが必要です。申請には、払った費用の領収書や、賃貸借契約書などが必要です。
不動産会社と引越業者に、次の2つを確認してください。
- 「賃貸借契約書に、敷金・礼金・仲介手数料などの内訳は書かれていますか」
鍵交換や保証料などは、契約書に書かれていれば対象になることがあります - 「引越し代の領収書を出してもらえますか」
引越業者・運送業者に払った実費が対象です
公式サイトで確認できます
実施している市区町村は、こども家庭庁の交付金のページ(都道府県別の活用状況)と、都道府県・市区町村のページで確認できます。
補助が使えるかと、不動産会社・引越業者の良しあしは別の話です。家賃や引越し代は、複数の会社を比べてください。
業者の探し方
このページでは、特定の不動産会社・引越業者を紹介していません。補助を使う場合は、領収書や契約書など、市区町村が求める書類を出してもらえる会社に頼んでください。
出典
本ページの内容は、次の公表資料にもとづいています(2026年10月22日確認)。
- こども家庭庁 地域少子化対策重点推進交付金(令和8年度の交付要綱・実施要領、都道府県別の活用状況〔令和8年6月25日現在〕)
- 各都道府県の公式ページ(東京都・神奈川県・大阪府・愛知県・福岡県・岡山県・愛媛県など)
- 各市区町村の公式ページ(立川市・横浜市・川崎市・相模原市・横須賀市・仙台市・山形市・郡山市・長岡市・新潟市・長野市・静岡市・浜松市・名古屋市・岐阜市・大津市・宇治市・福井市・松原市・広島市・高知市・丸亀市・北九州市など)
制度の内容と受付状況は変わります。申請の前に、必ず市区町村の窓口と公式サイトで確認してください。
制度の内容・金額・要件・期限は予告なく変更されることがあります。申請の前には必ず公式サイトで最新の情報をご確認ください。本サイトは民間の情報サイトであり、事務局ではありません。
