教育訓練給付金の条件と金額を、厚生労働省とハローワークの案内、Q&A、業務取扱要領で調べました(2026年11月2日確認)。
厚生労働大臣が指定した講座を受けると、受講費用の一部が雇用保険から支給される制度です。在職中でも、離職から1年以内でも使えます。指定されていない講座は対象外で、特定一般と専門実践は受講開始日の2週間前までに手続きが必要です。
| 種類 | 給付率 | 上限 |
|---|---|---|
| 一般教育訓練 | 費用の20% | 10万円 |
| 特定一般教育訓練 | 費用の40%。資格を取得して就職すると50% | 20万円。50%の場合は25万円 |
| 専門実践教育訓練 | 費用の50%。資格を取得して就職すると70%。さらに賃金が5%以上上がると80% | 年40万円。70%は年56万円、80%は年64万円。3年で最大192万円 |
専門実践の80%と特定一般の50%は、受講開始日が2024年10月1日以降の場合です。給付率分の額が4千円を超えないと支給されません。
対象になる講座
| 種類 | 主な講座 |
|---|---|
| 一般 | 簿記検定、TOEIC、宅地建物取引士、社会保険労務士、税理士、Webクリエイター、大型自動車、介護職員初任者研修 |
| 特定一般 | 介護支援専門員実務研修、介護職員初任者研修、特定行為研修、大型自動車第一種・第二種免許、基本情報技術者試験など(ITSSレベル2) |
| 専門実践 | 介護福祉士、看護師・准看護師、美容師、社会福祉士、歯科衛生士、保育士、調理師、専門職大学院(MBAなど)、第四次産業革命スキル習得講座 |
- 探し方:教育訓練給付制度の講座検索システムで探せます。ハローワークでも見られます。オンラインや、夜間・土日の講座もあります
- 同じ資格でも種類が違う:介護職員初任者研修のように、講座によって一般か特定一般かが分かれます
- 指定の期間:受講開始日が指定の期間内にないと対象外です。指定は4月1日と10月1日に追加されます
- 対象の拡大:国は建設、運転免許、技能講習、医療・介護などの講座を、特定一般の対象に広げています。申し込む前に最新の種類を確かめてください
対象になる人
条件は受講開始日で判断します。通学は講座の開講日、通信は教材の発送日で、講座の実施者が証明します。
- 在職中の人:受講開始日に雇用保険の被保険者で、次の加入期間がある人
- 離職した人:離職日の翌日から受講開始日までが1年以内で、次の加入期間がある人
| 種類 | 初めて受ける人 | 過去に受けた人 |
|---|---|---|
| 一般 | 1年以上 | 3年以上 |
| 特定一般 | 1年以上 | 3年以上 |
| 専門実践 | 2年以上 | 3年以上 |
パート・アルバイトや派遣労働者も対象です。高年齢被保険者も対象なので、65歳以上でも使えます。
加入期間の数え方
- 転職した人:前の会社との間が1年以内なら通算します。1年を超えると、前の期間は数えません
- 失業保険との関係:基本手当を受けたかどうかは、通算に影響しません
- 過去に受けた人:前回の受講開始日より前の期間は数えません。前回の受講開始日以降で3年以上必要です
- 3年の間隔:今回の受講開始日の前日から3年以内に給付を受けていると対象外です。支給決定日で判断します
- 同時の受講:複数の講座で同時に申請はできません
離職から1年を過ぎそうな人
妊娠、出産、育児、病気、けがなどで30日以上続けて受講を始められない場合は、ハローワークに申し出ると期間を延ばせます。延長は最大19年で、離職から最大20年以内まで受講開始を延ばせます。育児は18歳未満の者の育児に限られます。親族の介護や、配偶者の海外勤務への同行なども認められる場合があります。申請は早めが原則ですが、延長後の最後の日までできます。
もらえる額の計算
給付の元になるのは、本人が講座の実施者に払った入学料と受講料です。一般は受講料の最大1年分までです。
- 含まれないもの:検定試験の受験料、必須でない補助教材費、補講費、行事の費用、交通費、パソコンなどの器材、クレジット会社の手数料、申請の時点で未納の額
- 割引:割引後の額で計算します。自治体の割引も差し引きます
- 返金やパソコンの無償提供:予定があれば、その額を差し引いて申告します
- 会社の補助:会社が実施者に払った費用は対象外です。受講に伴う手当も、受講料に充てる分は差し引きます。会社の立替払いが認められるのは、本人が直接申し込み、本人のお金を預けるか書面の貸付契約があるなどの場合です
- キャリアコンサルティング:一般だけ、受講開始日前1年以内に受けた費用を2万円まで加えられます
計算の例
| 種類と費用 | 支給額 |
|---|---|
| 一般:費用10万円 | 20%で2万円 |
| 一般:費用2万円 | 20%がちょうど4千円で、支給されません |
| 特定一般:費用30万円(3か月) | 修了で12万円、資格を取得して就職すると3万円を追加して計15万円 |
専門実践の例:2年間で費用170万円(入学料10万円、半年ごとに受講料40万円)
| 時期 | 費用 | 支給額 |
|---|---|---|
| 第1期(半年) | 50万円 | 25万円 |
| 第2期 | 40万円 | 15万円(年40万円の上限のため) |
| 第3期 | 40万円 | 20万円 |
| 第4期 | 40万円 | 20万円 |
| 資格を取得して就職 | — | 32万円(年16万円×2年が上限) |
| 賃金が5%以上上昇 | — | 16万円(年8万円×2年が上限) |
| 合計 | 170万円 | 128万円 |
専門実践で70%、80%になる条件
- 70%:修了し、資格を取得して、修了の翌日から原則1年以内に雇用保険の被保険者として雇われた場合です。在職中の人は、原則1年以内に資格を取得した場合です
- 資格の取得:合格だけでは足りず、登録や免許の取得まで必要です。原則として、受講開始日に予定されていた最初の試験で取得します
- 目標の資格がない講座:修了や学位の取得で、同じ扱いになります
- 公務員になる場合:雇用保険の被保険者にならないので、追加の給付は対象外です
- 80%:修了後の賃金が受講開始前の1.05倍以上の場合です。就職の日から1年の間の、連続する6か月を自分で選びます。会社の証明が必要です
- 80%にならない人:離職中に受講を始め、適用対象期間の延長が2年を超える人です
途中で修了できなくなると、支給が止まります。修了する見込みがないとされると、その期以降の全期間が支給されません。休学などで予定の期間内に修了できない場合も含みます。
手続きの流れ
一般
受講の前の手続きはありません。修了してから申請します。受給資格があるか不安なときは、受講の前に支給要件照会ができます。照会をしても、申請は別に必要です。
特定一般・専門実践
- 1. 訓練前キャリアコンサルティング:ハローワークかキャリア形成・リスキリング支援センターで受けて、ジョブ・カードをもらいます。センターとハローワーク内の相談コーナーは無料・予約制です。1回60〜90分で、2回目を行う場合もあります
- 2. 受給資格確認:受講開始日の2週間前までに、ジョブ・カードと受給資格確認票を住所地のハローワークに出します。郵送は消印有効です。専門実践は、講座の申し込みの前でもできます
- 3. 受講:受講中も領収書を保管します
- 4. 支給申請:次の表の期限までに申請します
2週間前を過ぎないよう、キャリアコンサルティングは早めに予約してください。ジョブ・カードは1年以内のものが必要です。
申請の期限
| 種類 | 申請の時期 |
|---|---|
| 一般 | 修了日の翌日から1か月以内 |
| 特定一般 | 修了日の翌日から1か月以内。追加分は、就職(資格取得が後ならその日)の翌日から1か月以内 |
| 専門実践 | 受講開始日から6か月ごとの期間の末日の翌日から1か月以内。4月1日に受講開始なら、10月1日から10月31日です |
| 専門実践の70% | 就職(資格取得が後ならその日)の翌日から1か月以内 |
| 専門実践の80% | 就職(資格取得が後ならその日)の翌日から6か月を経過した日から6か月以内 |
- 出し方:本人か代理人の来所、郵送、電子申請です。特定一般の追加分と専門実践の80%は、案内では来所か郵送です
- 期限の日が休み:土日祝日と12月29日から1月3日は、翌日が期限になります
- 主な書類:支給申請書、修了証明書、領収書、教育訓練経費等確認書、本人確認書類、マイナンバーの確認書類です
- 領収書:講座の実施者が発行したものだけです。販売代理店の領収書は認められません
期限を過ぎた場合
申請の期限を過ぎても、時効の2年の間は申請できます。2年は、上の表の申請の期間が始まる日から数えます。たとえば一般は、修了日の翌日から2年を経過する日までです。
- 以前に期限切れで支給されなかった人:時効の前に申請し直して、要件を満たしていれば支給されます
- 期限内が原則:遅れると支給が遅くなったり、ほかの雇用保険の給付金が返還になったりする場合があります
- 別扱いの給付:教育訓練支援給付金と教育訓練休暇給付金は、定められた期限までに手続きをしないと支給されません
- 受講前の手続き:この2年の案内は、支給申請の期限についてです。受講開始日の2週間前までの受給資格確認に遅れたときは、ハローワークに確認してください
離職中に受ける人へ
- 失業保険の給付制限:対象の教育訓練を受けると、給付制限が解除される場合があります。失業保険にまとめています
- 失業の認定日:昼間の講座と重なっても、受講日の変更が難しい場合以外は別の日に変更されません
- 加入期間が足りない人:離職から1年以内なら、求職者支援訓練の対象になる場合があります
教育訓練支援給付金
専門実践を昼間に通うなどして失業状態にある人に、基本手当の日額の60%が支給されます。受講開始日が2027年3月31日以前の人が対象です。主な条件は次のとおりです。
- 受講開始日に被保険者でなく、受講開始時に45歳未満であること
- 夜間や通信制など、働きながら受けられる講座でないこと
- 教育訓練給付金と教育訓練支援給付金を受けたことがないこと
- 受講の途中で離職した人は対象外です
- 基本手当を受けられる間は支給されません。手続きをしていなくても、受給資格があれば離職の翌日から1年間は支給されません
- 手続きはハローワークの窓口です。2か月に1回、失業の認定を受けます
- 2か月の出席率が8割未満になると、以後は支給されません
会社を休んで学ぶ人へ:教育訓練休暇給付金
2025年10月に始まった別の制度です。就業規則などに基づいて連続30日以上の無給の休暇を取ると、失業給付に相当する額が支給されます。会社の制度と合意が必要です。
- 条件:雇用保険の一般被保険者で、休暇の前の2年間に被保険者期間が12か月以上、加入期間が5年以上あること
- 給付日数:加入5年以上10年未満は90日、10年以上20年未満は120日、20年以上は150日
- 額の目安:額面の月収35万円で、給付月額は約19万5,000円
- 注意:受けると、原則として一定期間は失業給付などを受けられません。教育訓練給付金の加入期間には影響しません
不正受給に注意
返金や機器の提供がある場合は、必ずその額を差し引いて申告します。不正に受給すると、受けた額の返還に加えて返還額の2倍の納付を命じられ、刑罰を受ける場合があります。以後一定期間は、ほかの講座でも教育訓練給付金を受けられなくなります。
雇用保険のほかの給付
仕事を探す間の給付は失業保険に、早く就職したときの手当は再就職手当にまとめています。
講座を申し込む前に:ハローワークで確認すること
条件は受講開始日で判断します。申し込みの前に確認してください。
住所を管轄するハローワークに、次の4つを確認してください。
- 「この講座の受講開始日で、私は対象になりますか」
支給要件照会で確認できます。電話では受け付けていません - 「この講座は、一般、特定一般、専門実践のどれですか」
事前の手続きの有無と、給付率が変わります - 「受講開始の前に必要な手続きは、いつまでですか」
特定一般と専門実践は、受講開始日の2週間前までです - 「前回の給付から3年たっていますか」
過去に教育訓練給付金を受けた人が確認します
公式サイトで確認できます
問い合わせ先は、住所を管轄するハローワークです。
出典
本ページの内容は、次の公表資料にもとづいています(2026年11月2日確認)。
- 厚生労働省「教育訓練給付金」・「教育訓練給付金の支給申請手続について」
- ハローワークインターネットサービス「教育訓練給付金」
- 一般教育訓練の案内・特定一般教育訓練の案内・専門実践教育訓練の案内
- 一般教育訓練給付金Q&A・専門実践教育訓練給付金Q&A
- 「教育訓練給付金のご案内」・業務取扱要領(教育訓練給付金)
- 「申請期限が過ぎたことにより給付を受けられなかった方へ」
- 特定一般教育訓練給付金の対象となる教育訓練の周知
- 厚生労働省「教育訓練休暇給付金」・労働者向けの案内
- 愛知労働局掲載「ジョブ・カード作成支援 キャリアコンサルティング」(令和8年度)
受給資格は、受講開始日で変わります。申し込む前に、住所を管轄するハローワークで確認してください。
制度の内容・金額・要件・期限は予告なく変更されることがあります。申請の前には必ず公式サイトで最新の情報をご確認ください。本サイトは民間の情報サイトであり、事務局ではありません。
