傷病手当金2026|条件は連続3日休んだ後の4日目から、給与の約3分の2を通算1年6か月。標準報酬30万円なら1日6,667円、退職後の受け取りと申請

傷病手当金の条件と金額を、協会けんぽの案内と厚生労働省のQ&Aで調べました(2026年10月31日確認)。額や期間は協会けんぽの場合です。健康保険組合と共済組合は、加入先で確認してください。

業務外の病気やケガで仕事に就けず、給与が出ないときに、健康保険の本人に支給されます。連続3日休んだ後の4日目から対象で、支給開始日から通算1年6か月まで受けられます。雇用保険の「傷病手当」とは別の制度です。

内容(2026年10月31日確認)
対象健康保険の被保険者本人(家族は対象外)
条件業務外の病気やケガの療養で仕事に就けない、連続3日の待期の後の日、給与が支払われない
1日の額支給開始日以前の12か月の標準報酬月額の平均÷30×3分の2
期間支給開始日から通算1年6か月
申請本人、勤務先、医師などが記入して協会けんぽへ。電子申請もできる
支払い受付日から10営業日以内(審査の結果、支払えるとき)
時効仕事に就けなかった日ごとに、その翌日から2年

いくらもらえるか

標準報酬月額が同じ額で12か月続いた場合の目安です。1日の額の30日分も載せました。

標準報酬月額の平均30分の1(10円未満四捨五入)1日の額30日分
20万円6,670円4,447円133,410円
28万円9,330円6,220円186,600円
30万円10,000円6,667円200,010円
41万円13,670円9,113円273,390円
50万円16,670円11,113円333,390円
  • 標準報酬月額:給与の額を区切りのよい等級に当てはめた額です。手取りではありません。勤務先で確認できます
  • 額が途中で変わった人:協会けんぽの例では、16万円が6か月と18万円が6か月なら平均17万円で、1日3,780円です
  • 加入が12か月に満たない人:加入してからの平均と、32万円(支給開始日が2025年4月1日以降の場合)の低い方で計算します
  • 支給開始日:1日の額は、最初に傷病手当金が支給された日を基準に決まります
  • 勤務先や番号が変わった人:12か月以内の変更なら、前の事業所が分かる申告書を添付します

給与が支払われた場合

休んだ期間に給与が支払われている間は支給されません。傷病手当金の額より少ない場合は、差額が支給されます。

  • 調整の対象:有給休暇の賃金、出勤の有無にかかわらず支給する手当(通勤手当、扶養手当、住宅手当など)、現物支給
  • 対象外:残業手当など出勤した日に対する報酬、見舞金など一時的なもの

対象になる条件

次の4つをすべて満たす必要があります。

  • 業務外の病気やケガの療養:健康保険で受ける療養に限らず、自費の診療でも、仕事に就けない証明があれば対象です。自宅療養も対象です
  • 仕事に就けない:医師の意見と、本人の仕事の内容を考えて判断します。今までの業務ができない状態のことです
  • 連続3日の後の4日目以降:休み始めた日から連続3日間(待期)の後、仕事に就けなかった日が対象です
  • 給与の支払いがない:少ない場合は差額が出ます

待期の3日間

休み方待期
3日続けて休む成立。4日目から対象
有給休暇や土日、祝日を含めて3日続けて休む成立。給与の有無は関係ない
2日休み、3日目に仕事をした成立しない
勤務時間中に業務外の病気やケガで働けなくなったその日が待期の初日

対象にならない場合

  • 仕事中や通勤中の病気やケガ:労災保険の対象です。労働基準監督署に相談してください
  • 美容整形など:病気と見なされない療養は対象外です
  • 家族(被扶養者):被保険者本人だけが対象です
  • 任意継続の間に発生した病気やケガ:支給されません

いつまで受けられるか

同じ病気やケガについて、支給開始日から通算1年6か月です。2022年1月1日から通算になりました。出勤して支給されなかった日は、期間が減りません。

厚生労働省のQ&Aの例です。3月1日から休み、3月4日が支給開始日の場合、支給期間は549日です。途中で合計40日働けば、その分だけ支給の満了日が後ろに延びます。

  • 日数の数え方:上の例は3月4日から4月10日までを38日としており、暦の日数で数えます
  • 報酬や年金で全額止まった期間:期間は減りません。一部が支給された場合は減ります
  • 別の病気やケガ:病気ごとに支給期間が決まります。同じ期間に2つの病気で受けると、それぞれの期間が減ります
  • 復職してまた休んだ場合:同じ病気で通算1年6か月の範囲なら、3日の待期なしで受けられるとされています
  • 1年6か月の後の再発:治ったと認められて相当の期間働いた後の再発は、別の病気として扱われることがあります。判断するのは加入先の保険者です

退職した後も受けられるか

次の3つをすべて満たすと、退職後も残りの期間を続けて受けられます。

  • 加入期間:退職日までに被保険者期間が継続して1年以上あること(任意継続、共済組合、国民健康保険の期間を除く)
  • 退職日の状態:退職日に傷病手当金を受けているか、受けられる状態であること
  • 退職後も同じ病気やケガ:引き続き療養のため仕事に就けない状態であること

退職日に出勤すると、退職の翌日以降の分は受けられません。退職日に出勤の予定がある人は、事前に加入先に確認してください。

  • 待期:初めて受ける人は、退職日の前日までに連続3日の待期が完成している必要があります。退職日が待期の3日目では足りません
  • 前に同じ病気で待期が完成している人:復職して再び働けなくなった場合は、新たな3日の待期がいらないことがあります
  • 退職日の有給休暇や公休:出勤の扱いになりません。有給休暇で給与が支払われていても、条件を満たすことがあります
  • 失業給付:受けていないことも条件です。失業給付は働ける人に対する給付だからです
  • 一度働ける状態になった場合:その後また働けなくなっても、退職後の分は支給されません。治ったかどうかは問いません
  • 申請書:退職後の期間については、勤務先の証明欄は空欄で出します

失業給付との関係

雇用保険の基本手当(失業給付)は、働ける人が対象です。病気やケガで30日以上続けて働けないときは、申し出ると基本手当の受給期間を最大4年まで延長できます。退職後は、ハローワークにも早めに相談してください。

雇用保険の傷病手当は別の給付です。ハローワークで求職の申込みをした後に15日以上働けなくなった人が対象で、健康保険の傷病手当金を受ける日は支給されません。

ほかの給付との調整

同時に受けられるもの傷病手当金
給与傷病手当金より多ければ支給なし。少なければ差額
同じ病気の障害厚生年金年金の日額(年額÷360)以下なら支給なし。多ければ差額。同じ理由の障害基礎年金も受けるときは、2つの年額を合計して360で割る
同じ病気の障害手当金(一時金)傷病手当金の支給額の合計が障害手当金の額に達する日まで、支給なし。障害厚生年金とは計算が違う
障害基礎年金だけ、別の病気の障害厚生年金全額
老齢年金(退職後に受ける場合)年金の日額以下なら支給なし。多ければ差額
老齢年金(在職中)全額
出産手当金出産手当金が優先。出産手当金の方が少なければ差額
別の原因の労災の休業補償給付支給なし。休業補償給付の日額の方が低ければ差額

例えば、傷病手当金が日額6,000円で、障害厚生年金が年180万円(日額5,000円)なら、差額の1,000円が支給されます。同じ理由の障害基礎年金も受ける場合は、障害厚生年金120万円と障害基礎年金80万円なら合計200万円で、日額は約5,556円です。調整されるのは傷病手当金で、年金の額は調整されません。

年金をさかのぼって受けることになった場合は、重なる期間の傷病手当金を返します。協会けんぽに連絡してください。労災が後から決定した場合も、返納があります。

申請のしかた

順番すること
1本人が、口座、傷病名、休んだ期間などを書く
2勤務先に、出勤の状況と給与の支払いを証明してもらう(退職後の期間は不要)
3医師などに、仕事に就けなかった期間の意見を書いてもらう
4加入している協会けんぽの支部に郵送する。または電子申請
  • 申請の単位:協会けんぽは、1か月単位で、給与の締切日ごとの申請を勧めています
  • 電子申請:協会けんぽはこちらを勧めています。申請後の処理状況も確認できます
  • 支払い:審査の結果、支払えるときは受付日から10営業日以内です。不備があると返されます
  • 添付書類:出勤簿や賃金台帳の写しはいりません。交通事故やけんかなどが原因なら、第三者行為による傷病届を出します
  • 医師が変わった場合:申請書を分けて出します
  • 別の病気で申請する場合:その病気について、医師などの証明が別に必要です

時効に注意してください。仕事に就けなかった日ごとに、その翌日から2年です。厚生労働省のQ&Aの例では、2024年9月15日に請求すると、2022年9月14日までの分は受けられません。

税金と保険料

  • 税金:健康保険法第62条は、保険給付として受けた金品を標準に、税金などを課すことができないと定めています
  • 社会保険料:育児休業のような保険料の免除の案内は見当たりません。休職中の負担の方法は勤務先に確認してください

協会けんぽ以外の人

  • 健康保険組合:規約によって傷病手当金付加金が出る場合があります。申請書も加入先のものです
  • 共済組合:公務員などは、加入している共済組合で確認してください
  • 国民健康保険:傷病手当金は、市町村などが条例を定めて行う任意給付です。自営業の人などは、住んでいる市区町村に確認してください

生活費が足りないとき

治療費の負担は高額療養費制度で抑えられます。収入が減って家賃の支払いが難しいときは住居確保給付金も確認してください。

休み始めたら:勤務先と確認する

申請書には、勤務先の証明と、医師などの意見が必要です。在職中の期間は、本人だけでは完成しません。

勤務先の担当者に、次の4つを確認してください。

  • 「健康保険は協会けんぽですか。健康保険組合ですか」
    申請先と上乗せの有無が変わります
  • 「休んでいる間の給与や手当は、どうなりますか」
    支払われると、その分が調整されます
  • 「申請書の証明は、いつ頼めばよいですか」
    1か月ごとに、給与の締切日に合わせた申請が勧められています
  • 「有給休暇を使うと、どう扱われますか」
    待期には使えますが、4日目以降は調整の対象です

公式サイトで確認できます

協会けんぽ「健康保険傷病手当金支給申請書」

紙の申請書は、加入している協会けんぽの支部に郵送します。電子申請もできます。

出典

本ページの内容は、次の公表資料にもとづいています(2026年10月31日確認)。

32万円の比較額は年度によって変わることがあります。対象になるかは、加入している健康保険に確認してください。

制度の内容・金額・要件・期限は予告なく変更されることがあります。申請の前には必ず公式サイトで最新の情報をご確認ください。本サイトは民間の情報サイトであり、事務局ではありません。

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