出産育児一時金2026|1児50万円。直接支払制度と差額の申請、48.8万円になる場合、申請期限は2年。出産費用の無償化はいつからか

出産育児一時金の金額と受け取り方を、厚生労働省と協会けんぽの案内で調べました(2026年10月31日確認)。

公的医療保険の加入者が出産したとき、子ども1人につき原則50万円が、加入している保険から支給されます。直接支払制度を使うと、退院のときに払うのは費用から一時金を引いた残りだけです。

内容(2026年10月31日確認)
金額1児につき原則50万円。多胎児は人数分
対象出産した時点で公的医療保険に加入していて、妊娠4か月(85日)以上の出産
出産の方法と場所問いません
申請先加入している保険(健康保険、国民健康保険など)
受け取り方直接支払制度、受取代理制度、償還払い制度の3つ
申請期限出産日の翌日から2年以内

50万円にならない場合

出産した機関と週数支給額(1児)
産科医療補償制度の加入機関で、在胎週数22週以降の出産50万円
産科医療補償制度の加入機関で、在胎週数22週に達しなかった出産48.8万円
産科医療補償制度の未加入の機関での出産48.8万円
  • 1.2万円の差:50万円のうち1.2万円は、産科医療補償制度の掛金の分です
  • 対象の分娩か:対象の場合は、領収・明細書に書かれています(協会けんぽ)
  • 流産・死産など:協会けんぽは、妊娠85日以降の早産、死産、流産、人工妊娠中絶も該当するとしています。文京区は、死産の場合に医師の証明書を求めています

受け取り方は3つ

方法申請する人窓口の支払い注意点
直接支払制度出産する施設が代わりに申請費用から一時金を引いた残り使えるかは施設で違います
受取代理制度本人が申請し、施設が受け取る費用から一時金を引いた残り届け出をした一部の施設だけです。協会けんぽは、出産予定日まで2か月以内の人に限っています
償還払い制度本人が申請し、本人が受け取るいったん全額協会けんぽは、退院までに費用を払う必要があるとしています

直接支払制度の流れ

順番すること
1出産する施設と利用の意思を確認し、施設が合意文書を作る
2入院のときに、公的医療保険の資格を確認する
3出産後に、施設から費用の明細書が出る
4保険者から支給決定通知が届く
5費用が一時金より少なければ、差額を受け取る手続きをする

差額の計算と申請

出産費用(一時金が50万円の場合)窓口で払う額後で受け取る額
55万円5万円なし
40万円0円10万円(申請が必要)
  • 協会けんぽ:支給決定通知より前に申請するなら内払金支払依頼書、通知とともに届くのが差額申請書です。出産後おおむね3か月で、書類が送られてきます
  • 国民健康保険:市区町村に申請します。静岡市は差額がある人に案内はがきを送り、はがきがなくても申請できるとしています
  • 期限:申請期限は出産日の翌日から2年以内です

どの保険に申請するか

  • 健康保険の本人:自分の健康保険に申請します
  • 扶養に入っている人:家族出産育児一時金として、被保険者の健康保険から支給されます
  • 国民健康保険の人:市区町村に申請します。文京区は世帯主に支給するとしています
  • 退職した人:出産した時点で加入している保険に申請します。退職後6か月以内の出産で、前の保険に1年以上続けて加入していた人は、前の保険を選ぶこともできます。協会けんぽでは、任意継続の期間は1年に数えません。重複して受け取ることはできません
  • 海外で出産した人:出産した時点で有効な資格があれば申請できます。文京区は、出生証明書と領収書の原本と翻訳文、パスポートなどを求めています
  • 先に費用が必要な人:協会けんぽには、一時金の8割相当額を限度とする無利子の出産費貸付制度があります

出産費用の平均と、足りない分

2024年度(令和6年度)の、保険診療を伴わない分娩の平均です。

全国東京都(最も高い)熊本県(最も低い)
平均出産費用519,805円648,309円404,411円
平均の妊婦合計負担額592,907円754,243円460,634円
  • 2つの違い:平均出産費用は、室料差額、産科医療補償制度の掛金、その他を除いた額です。妊婦合計負担額はそれらを含みます
  • 足りない分:全国の平均の妊婦合計負担額は、50万円を約9万円上回ります。東京都は約25万円です
  • 帝王切開など:健康保険が適用され、保険診療の分が高額になると高額療養費の対象です(協会けんぽ)。出産の方法を問わないので、一時金も支給されます
  • 施設の費用を調べる:厚生労働省の「出産なび」で、施設ごとのサービスと費用を調べられます

ほかに使える制度

制度内容窓口
妊婦のための支援給付妊婦給付認定の後に5万円、子どもの人数の届出の後に人数×5万円。流産・死産等の場合も対象住民票のある市区町村
付加給付健康保険組合によって一時金に上乗せがある加入している健康保険組合
出産手当金健康保険の本人が出産で休み、給与がない場合。出産の日以前42日(多胎98日)から翌日以後56日目まで。1日の額は標準報酬月額の平均の30分の1の3分の2加入している健康保険
育児休業給付金雇用保険の被保険者が育児休業を取る場合。育休の開始から180日は賃金の67%、その後は50%勤務先、ハローワーク
医療費控除年間の医療費から補てん分を引いて10万円を超えた分(総所得金額等が200万円未満の人は5%)税務署(確定申告)

医療費控除では、出産育児一時金を医療費から差し引きます。出産手当金は差し引きません。定期検診と通院の費用、通常の交通手段が難しいときのタクシー代は対象で、里帰りの交通費と身の回り品は対象外です(国税庁)。

自治体の上乗せの例

地域内容主な条件
東京都港区費用の実費か区の上限額(1人81万円)の低い方から、一時金などを引いた額。最大31万円(双子29万円、三つ子27万円)出産日以前から港区に住み、申請日に1年以上続けて居住。生活保護を受けている人は対象外
横浜市子ども1人に最大9万円。付加給付があればその額を引く2026年4月1日以降の出産が対象で、出産日から申請時点まで市に住民登録。2025年4月1日以降の出産も出産から1年は申請可。申請は出産した日の翌日から1年間で、原則として出産した本人が、パマトコか郵送で行う(区役所では受け付けていない)
東京都無痛分娩の費用に最大10万円。保険適用の費用は対象外2025年10月1日以降の出産で、都が公表する対象医療機関での出産。都内で妊娠の届出をして都内に住み続けている人。申請は出産日の翌日から1年以内

この3つは例で、全国を調べたものではありません。お住まいの市区町村の案内を確かめてください。

出産費用の無償化はいつからか

今の出産は、出産育児一時金の50万円のままです。新しい給付を決めた法律は成立しましたが、始まる日と金額は決まっていません。

  • 法律:健康保険法等の一部を改正する法律が2026年5月29日に成立し、6月5日に公布されました
  • 分娩の費用:国が分娩1件あたりの基本単価を定め、保険者から施設に直接支払って、妊婦に負担が生じないようにします
  • 現金の給付:これとは別に、全ての妊婦に定額の現金給付を行います。金額はこれから決まります
  • 始まる時期:公布後2年以内に政令で定める日です。10月16日の厚生労働省の資料では施行時期は検討の論点で、給付水準を含む全体像を2026年12月頃にとりまとめる案です
  • 報道:日本経済新聞は2026年10月16日に、2027年度後半に始める検討に入ったと報じました。厚生労働省の資料で日付は確かめられませんでした
  • 今の制度も残る:施設の選択で、当分の間は施設単位で今の出産育児一時金の適用を受けることもできます
  • お祝い膳など:資料の図では、アメニティ等のサービスは自己負担です。施設に内容と費用の情報提供を義務付けます

出産と子育てのほかの制度

不妊治療の助成は不妊治療の助成金に、チャイルドシートの補助はチャイルドシートの補助金に、結婚のときの補助は結婚新生活支援事業にまとめています。

妊娠と出産のときに市区町村から出る10万円(1人の場合)は妊婦のための支援給付にまとめています。

子が生まれた後の手当は児童手当にまとめています。出生の日の翌日から15日以内に、住所地の市区町村に申請します。

まず確認:出産する施設と、加入している保険へ

直接支払制度を使えるかは、施設で違います。出産する施設に、先に確かめてください。

費用が50万円より少ないと、差額は申請して受け取ります。申請期限は、出産日の翌日から2年以内です。

出産の前に、出産する施設と加入している健康保険へ、次の3つを確認してください。

  • 「直接支払制度を使えますか」
    使えない施設では、ほかの方法で受け取ります
  • 「産科医療補償制度の対象の分娩ですか」
    対象外の場合は48.8万円です
  • 「付加給付はありますか」
    健康保険組合によって上乗せがあります

公式サイトで確認できます

厚生労働省「出産育児一時金等について」

申請先は、加入している健康保険か、国民健康保険の市区町村です。

出典

本ページの内容は、次の公表資料にもとづいています(2026年10月31日確認)。

金額と手続きは、加入している保険で違う場合があります。出産する施設と、加入している保険に確認してください。

制度の内容・金額・要件・期限は予告なく変更されることがあります。申請の前には必ず公式サイトで最新の情報をご確認ください。本サイトは民間の情報サイトであり、事務局ではありません。

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